顔のクリニック金沢
こだわりの目頭切開
目頭切開とは?
目頭切開とは目の内側にある《もうこひだ(蒙古ひだ)》のつっぱりをゆるめて目の横幅を広げたり目を大きく見せる手術のことです。
《蒙古ひだ》はめがしらの上側にかぶさっている皮膚のことで、医学的には《内眼角贅皮(ないがんかくぜいひ)》といいます。アジア人に特有なもので、欧米人にはありません。皮膚のかぶさりかたは人それぞれですが、かぶさる皮膚が多かったり、つっぱっていると目が小さくみえてしまうことがあります。
年齢を重ねるとかぶさっている皮膚の弾力がすくなくなるために自然とつっぱりがゆるんでいくため蒙古襞がなくなっていくことがあります。
目頭切開で得られる2つの変化
①目の横幅が大きくなる
目頭のかくれていた部分が見えるようになるため目の横幅がひろくなります。
②目が大きく見えるようになる
皮膚のかぶさりが減ることで目元がすっきりして大きく見えるように。二重形成を同時に行えばさらに目がぱっちりと大きくなって見えます。
目頭切開に向いている人・向いていない人
目頭切開に向いている人
□《もうこひだ》のつっぱりがつよい
□目を大きくみせたい
□平行二重にしたい
□垢抜けた印象になりたい
□大人っぽい切れ長の目になりたい
□離れ目が気になっている
目頭切開に向いていない人
□《もうこひだ》がない
□かわいらしい印象になりたい
□丸い印象の目が好みである
□今よりも寄り目にはしたくない
【顔のクリニック金沢こだわりポイント①】寄り目、離れ目の最適なバランス
寄り目、離れ目の最適なバランスは、目の横幅と目頭の間の長さが1:1:1といわれています。このとき、目尻の位置を白目の端ではなく目尻の影に見える部分まで含めて測るのがポイントです。白目の端で測ってしまうと寄り目の印象になってしまいます。
【顔のクリニック金沢こだわりポイント②】自由度の高いデザイン
このデザインは《Park法》とよばれており、《Z形成》を応用した手術法ですが、傷あとが目立ちにくく調整がしやすいのが特徴です。図のオレンジ色の塗りつぶし部分の皮膚は切除します。
この方法のメリットはデザインのサイズを変えることでひかえめにしたり、しっかり変化させたりといった自由度が高いことです。
最大で蒙古ひだが完全になくなる状態まで広げることも可能ですが、目頭の内側にあるピンク色の《涙丘》が見えすぎてしまうため、不自然に感じてしまうことも多く、あまりおすすめはしていません。
【顔のクリニック金沢こだわりポイント③】目頭切開で二重の形を変える
末広型ふたえのまぶたでは目頭切開によって自然な平行型に変えることができます。
反対に目頭切開はしたいけど「末広型のままがいい」ならデザインを一部変えることで対応が可能です。蒙古ひだを完全になくしてしまうと平行型になってしまうため、蒙古襞をすこし残した仕上がりになります。
手術の効果としては目の横幅を広げずに目頭側の二重幅を広くする《目上切開》に似ていますが、《目頭切開》で末広型のままにする方法のほうが不自然な傷あとが残らず効果が安定しているという点がメリットです。
【顔のクリニック金沢こだわりポイント④】《マイクロサージャリー》でおこなう目頭切開
《顔のクリニック金沢》では顕微鏡をつかった《マイクロサージャリー》の技術を応用して精密な目頭切開法である《内眼角形成術》を行っています。顕微鏡は微細な構造を拡大して見ることができるため、高い精度で手術を行うことができます。これにより、回復がはやく、合併症のリスクが減らせるなど多くのメリットが期待されます。
顕微鏡をつかった《マイクロサージャリー》のメリット
①正確で微細な操作
非常に微細な構造を拡大して見ることができるため、正確で微細な手術操作が可能となります。
②組織に対する影響を極力少なく
正確な操作が可能となるため、周囲の健康な組織への影響を最小限におさえることができます。
③リスクを最小限に
細かい構造がよく見えるため大事な組織の損傷を防ぐことができ、手術中に生じる可能性がある合併症のリスクを低減できます。
④ダウンタイムを短く
正確な切開や縫合といった精密な手術により、腫れなどの目立つ期間であるダウンタイムが短く、普段通りの生活に早く復帰できることが期待されます。
⑤美しい仕上がり
皮膚を切開するメスは先端がコンパクトでシャープな手術が可能な顕微鏡手術用の特殊メスを使用しています。縫合に使用する器具も《マイクロサージャリー》用の精密な手術器具をもちいることでさらに正確で美しい仕上がりを追求します。
また、デザインに沿った正確な切開や細密な縫合など細部にまでこだわることで、「自然で希望に沿った目頭の形」や「目立たない傷あと」など手術の結果を向上させることができます。
目頭切開のダウンタイム
この手術には、ダウンタイム(回復期間)があります。
手術直後: 手術が終わると、腫れや内出血(あざ)が生じることがあります。これは通常数日がピークで、その後徐々に減少します。
抜糸: 手術後1週間から10日頃に抜糸します。
腫れ: 個人差がありますが、通常1〜2週間で解消されます。クーリングや腫れを予防する飲み薬(止血剤など)が腫れを少なくし回復を早めるために有効です。
運動・入浴・飲酒: 手術当日、翌日、翌々日の3日間は激しい運動や長時間の入浴、サウナ、飲酒を避けてください。当日から洗顔、短時間のシャワーは可能です。
メイク: 目頭部分のメイクは抜糸翌日から可能です。また、手術翌日から傷の部分を避けてのメイク(ファンデーション、眉メイクなど)は可能です。
執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
専門医資格等:
日本形成外科学会 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
※合併症やリスク:薬剤のアレルギー、出血、感染・異物反応、肥厚性瘢痕、後戻り
※費用(自由診療)
お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.
※費用はすべて消費税込みで表示しています。
※厚生労働省のガイドラインに準拠して治療の詳しい内容、費用、合併症等を記載したうえで、術前・術後の写真やイラストを掲載しています。
もっとも良い
「目の下のくまをとる方法」
【3つの目の下のくま】
「目の下のくま」には3つのタイプがあります。
1.茶くま
2.青くま
3.影くま(黒くま)
このうち、手術でとることのできるくまは 「影くま(黒くま)」のみです。目の下の影くま取りは 「下眼瞼形成術(LOWER LID BLEPHAROPLASTY)」 と呼ばれ、20世紀後半からさまざまな方法で行われてきました。また最近ではあたらしい技術による切らない影くま治療も選べるようになっています。
影くまのタイプ、影くま治療の歴史と、もっともよい 「くまを取る方法の選び方」 について説明します。
【影くまのタイプチェック】
影くま(黒くま)にもいくつかのタイプがあります。A,B,Cのうちチェックが最も多かったものがあなたのタイプと考えられます。
A:ふくらみくまタイプ
□もともとはあまり気になっていなかったが最近目の下がふくれてきた
□ふくらみはそれほど大きくない
□上をむくとくまが目立たなくなる
□夕方になるとくまが気にならなくなる
B:バギーアイタイプ
□前からすこしくまがあったが徐々にふくらみが大きくなってきた
□ふくらみの下がくぼんでいる
□上を向いてもクマがある
□小じわが気になる
C:ティアトラフタイプ
□10代、20代からくまが目立っていた
□目の下にハの字の影がくっきりと目立つ
□青紫~赤紫がかった色が目立つ
□自分と同じタイプのクマの症例が少ないと感じる
【影くま治療の歴史といろいろな術式】
眼窩脂肪の切除
1970年代に最初のくま取り手術がおこなわれました。その方法はシンプルに 「目の下を切開して皮膚や脂肪をとりのぞくだけ」 というものでした。
効果の持続は5年程度といわれており、時間とともにふくらみが目立ってくることがあります。
また脂肪をとりすぎると 「目の下がくぼんでやつれたようになってしまう」 例があることや、皮膚をとりすぎると目の形が変わってしまったり、下まぶたの外反(あかんべえの状態で戻らない)などがおこるといった問題も出てきました。
このため現在では皮膚を切開して脂肪や皮膚を取り除く方法はあまり行われていません。
Loebの術式(ハムラ法)
1980年代になると皮膚や脂肪だけをとる方法の欠点をおぎなうため、目の下のハの字のシワや半円形のくぼみ 《tear trough(=なみだの溝)》 のところに脂肪を移動させてフラットにするという新しいアプローチが試みられました。
この方法は、Dr. Loebがはじめに発表したものですが、有名な美容外科医であるDr. Hamra(ハムラ)にちなんで日本では 「ハムラ法」と呼ばれています。また、同じ手術を最近は 「眼窩脂肪移動術」「脂肪再配置」ということもあります 。
具体的な手技についてもDr. Loebはたいへん詳しく、わかりやすいstep-by-stepのイラストとともに今でも色あせないコンセプトを提案しています。
「B:バギーアイタイプ」のうち50代以降でふくらみが大きく皮膚のたるみがある例では現在でもとても効果的な方法です。1981, Loeb R. Clin Plast Surg. 8 より引用
“皮膚を”切らない術式
2000年前後には多くの形成外科医が皮膚を切らずにくまをとる術式を発表しました。それまでは下まつげのキワを切開していたところを、まぶた裏の 「結膜」 を切開しても同じようなくま取り手術ができることがわかってきたためです。
傷が目立たないだけでなく、ダウンタイムが短い、外反(あかんべえの状態)などの合併症を少なくできる、など多くのメリットがあります。今では多くの形成外科医がこのアプローチを採用しています。皮膚を切らない術式には大きく分けると脂肪をとるだけの「脱脂」と、リガメントを外して脂肪を移動させる「裏ハムラ(下図)」 があります。
脂肪をとるだけの「脱脂」は「A:ふくらみくまタイプ」に効果的な方法です。
リガメントを外して脂肪を移動させる「裏ハムラ」は「B:バギーアイタイプ、C:ティアトラフタイプ」のうち皮膚のたるみが少ない40代までに効果的な方法です。
また、それぞれ治療のオプションとして 「脂肪注入」 があります。
これまでの多くの研究結果から、目の下のハの字のシワ部分にあるスジ状の組織「リガメント」 を外すことが目の下をフラットにするための最大のポイントと考えられています。いまではこのリガメントの位置や形についても詳しくわかってきています。
2017, Wong CH. Plast Reconstr Surg. 140 より引用
【症例】「顔のクリニック金沢」の裏ハムラ
「顔のクリニック金沢」では米国UCLAでDr.Kawamotoからリガメントを外して脂肪を移動させる 「経結膜下眼瞼形成術(=裏ハムラ)」 をまなび、これを応用して治療をおこなっています。Dr.Kawamotoは決して広くはない結膜切開から素早く確実に脂肪を固定するため頬の皮膚に糸を引っかける方法をとっていましたが、ときに一時的ではありますが、えくぼのようなくぼみが目立ってしまうことがありました。
2003, Kawamoto HK. Plast Reconstr Surg. 112 より引用
現在では手術用ヘッドライトやルーペを使うことで結膜切開のせまい術野でも縫合するところをしっかりと見ることができます。また、マイクロサージャリー用の繊細な器具をつかうことで皮膚に糸をかけなくても正確に内部で脂肪を固定することができるようになり、ダウンタイムのさらなる軽減につながっています。
【症例】下眼瞼形成術(経結膜法)
上:術前、中:1週間後、下:術後1か月
上:術前、中:1週間後、下:術後1か月
上:術前、中:1週間後、下:術後1か月
※合併症やリスク:薬剤のアレルギー、出血、感染・異物反応、結膜充血、結膜浮腫、眼瞼内反、眼瞼外反、複視
※費用(自由診療)
※厚生労働省のガイドラインに準拠し費用、合併症等を記載したうえで、術前・術後の写真を掲載しています。
【本当に切らないくま治療】
結膜を切開する手術のことを皮膚を切らないという意味で 「切らない治療」 と称していることもあるのですが、結膜すら切らない本当の切らない影くま治療というのもいまでは可能になっています。どのタイプでも症状が軽いうちは切らない治療での改善が期待できます。
いちばん手軽なのは注射治療です。《ヒアルロン酸》 を注入して軽いくまを目立たなくすることができます。腫れなどのダウンタイムが短いかほとんどないこと、変化がマイルドなため治療を受けたことが他の人にわかりにくいのが最大のメリットです。ヒアルロン酸だけで完全にくまを消すことは難しく、無理をすると逆に不自然になってしまうこともありますので担当医とよく相談して治療を受けられることをおすすめします。ヒアルロン酸の持続は半年〜数年です。
機械を使った影くま治療は、肌のハリを改善することでくまを目立たなくする効果が期待されます。当然効果は手術やヒアルロン酸治療におよびませんので、どうしても手術や注射はしたくないという場合に限られた選択肢となります。皮膚をターゲットにしたラジオ波治療 「RF」 と、超音波治療 「HIFU(ハイフ)」 があります。米国 FDA が認めた機種はRFの「サーマクール》 HIFUの 「ウルセラ(下画像)」 のみです。いずれもダウンタイムがほとんどなくすぐにメイクできることが最大のメリットです。
このほかに、トリクロロ酢酸などをつかったピーリング、レーザー治療、トレチノイン治療などの肌の弾力を回復する治療にもくまを目立たなくする効果が期待できます。このようなお肌のハリ改善治療については1回の施術ではっきりとした効果を得ることはむずかしく、また完全にくまを消すこともできませんが、続けていくことで多少の改善効果は期待できます。
【もっとも良い目の下のくまをとる方法】
それぞれの方法に長所短所があり、人によって求める効果や受け入れられるダウンタイムはちがうため「もっとも良い方法」を一つに決めることはできません。それぞれの特徴をよく理解したうえで、たくさんの方法からぜひご自身に合う方法を選んでください。
クリニックで相談するときのポイントは、したいこと、したくないことをはっきりと担当医に伝えることです。治療法についての提案を受けたら、それぞれの治療法についてダウンタイム、効果、持続期間、費用などをよく確認してください。自然で元気に若々しく見える目もとを取り戻し喜んでいただくために、あなたにとって「もっとも良い方法」をお選びください。
お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039 (クリニック予約)
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m. 木曜日、日曜日を除く
執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
2023.8.25執筆
2024.3.29加筆