【症例】切開するくまとり手術(切開ハムラ、ふくらみの大きいタイプ)〈case.049〉
※当院の症例写真では個人情報保護のためのトリミング等の処理をのぞいて、形や大きさをかえるような画像修正は一切おこなっておりません。
◎やや大きめのふくらみ+ティアトラフタイプのハムラ法
【60代男性】下眼瞼形成術・経皮法 術前/術後6か月

目の下のくまを、できるだけ痛みを感じずに治したいというご希望で来院されました。
そのため、全身麻酔での治療を希望されていました。
お肌のハリは比較的よい状態でしたが、
目の下のふくらみがやや大きく、年齢のことも考慮した結果、皮膚を切開して行う 「経皮法」による「下眼瞼形成術(かがんけんけいせいじゅつ)」いわゆる「切開ハムラ法」を行いました。

「経皮法」による下眼瞼形成術(かがんけんけいせいじゅつ)
いわゆる切開ハムラ法は、まつげの生え際を切開し、
目の下にある脂肪を移動させて、ふくらみをなだらかに整える手術です。
脂肪を取るだけでなく、位置を調整することで、
目の下が平らで自然な状態になります。
手術にかかる時間は、およそ1時間です。
全身麻酔で行う場合は、麻酔の準備や覚醒の時間を含めて、
手術室での滞在は約2時間となります。

手術後は、目の下のふくらみが下のくぼみへなだらかに移動することで、
影ができにくくなります。

ふくらみに隠れていた涙袋が自然に見えるようになり、目の印象がくっきりとしました。
当院では、涙袋を新しく作ったりする治療は基本的に行っていません。
そのため、手術後はもともとの涙袋の形に戻った状態になります。
皮膚を切開する方法が向いているタイプ

皮膚を切開して行う
「ハムラ法」「切開ハムラ」「経皮法」は、
少なくとも40代以下の方が適応になることは、ほとんどありません。
その理由は、ダウンタイムが目立つこともありますが、
皮膚を切り取る必要があるほどのたるみがないことが、最も大きな理由です。
年齢を重ねると、目の下の皮膚にたるみが出てくるため、
ふくらみが大きい例などで皮膚を切開する経皮法を選択するケースが増えてきます。
ただし、このときに重要になるのが、
経皮法の合併症として起こることがある
「外反(がいはん)」のリスクをできるだけ抑えることです。
外反は、
・もともとの骨格
・下まぶたのゆるさ
によって、起こりやすいタイプの方がいます。
そのため、経皮法を行う場合には、
・目のまわりの筋肉(眼輪筋)を引き上げて固定する
・目尻の靱帯を補強する
(lateral canthopexy:ラテラルカンソペクシー)
といった予防処置を組み合わせることで、外反のリスクを下げています。
皮膚切開が適応となる目安
□50代以上
□ふくらみのボリュームがかなり大きい
□加齢による皮膚のたるみが目立つ
ダウンタイムと傷あとについて

皮膚を縫合しているため、手術直後は傷あとがやや目立ちます。
腫れは、翌日〜翌々日がピークになります。
術後7日目の抜糸の時点では、
大きな腫れはおさまっていますが、
まだ少し腫れや傷あとの赤みが分かることが多いです。
傷あとの赤みは体質による差があり、
赤みが出やすい方では、下まつげのきわに赤みが半年ほど残ることもあります。
当院では、拡大鏡を使用した形成外科専門医による丁寧な縫合を行い、
傷あとが目立ちにくく、回復の早い仕上がりを目指しています。
今回の症例では、
術後7日目でも赤みはほとんどみられず、
1か月後には傷あとがほぼ分からない状態になりました。
ただし、回復の早さには体質の影響が大きく、
一般的には2〜3か月ほど赤みがみられるのが普通です。
■手術についての詳しい説明
この治療は、下眼瞼(下まぶた)の形態を整えるための手術です。
方法
1.局所麻酔、もしくは全身麻酔で治療を行います。
2.下眼瞼(まぶた)のまつげの生え際を切開します。
3.眼窩隔膜を切開して、脂肪のふくらみが大きい場合は適量の脂肪を切除します。目の下のくぼみの部分にある靱帯(薄い膜状の組織)を切り離し、その部分に眼窩脂肪を移動させ吸収糸(溶ける糸)で固定します。
4.皮膚のたるみがあれば適量切除します。
5.下まぶたの形態を確認して、切開した部分を細い糸で縫合します。
一般的な経過
・術後5〜7日目に抜糸します。下まぶたのまつげの生え際に傷あとが残ります。術後しばらくは傷あとの赤みが目立つことがありますが、6ヶ月ほどで目立たなくなります。
・腫れの程度は個人差がありますが、通常腫れのピークは術後2、3日目です。腫れが完全に落ち着くのは 2〜3ヶ月かかることがあります。ぶつけたときのようなあざ(内出血)が出た場合、通常は2週間程度で目立たなくなります。
・当日から洗顔や短時間のシャワー等は可能です。ただし、洗顔などの際に強くこすったり、押さえたりしないようにして下さい。
・当日は飲酒や、運動、長時間の入浴は避けて下さい。
・お化粧は抜糸の翌日まで避けて下さい。どうしても必要な場合は、手術部位を避けて下さい。また、コンタクトレンズの使用は4週間避けて下さい。
・目の下の色調(青、赤紫など)についてはこの手術ではほとんど変化がありません。
■合併症、副作用について
・薬剤のアレルギー
術中術後使用薬などによる各種アレルギー反応(稀にアナフィラキシー反応などの重篤なアレルギー反応)。
・出血
出血は通常当日から翌日にかけて、にじむ程度の出血があります。
・感染
手術部位に感染を生じる場合があります。感染予防のために抗生剤を処方します。術後はまぶたを清潔に保ち、汚れた手で触れないよう注意してください。
・結膜浮腫、結膜下出血、結膜充血、角結膜炎
まぶたの形の変化や縫合糸の刺激により術後にこれらの症状が生じることがあります。いずれもほとんどの場合1~2週間ほどで自然に改善しますが、もともと下まぶたのゆるみがあると2~3カ月かかることがあります。症状が持続する場合、眼科への受診を指示することがあります。
・眼瞼変形
眼瞼外反や眼瞼内反をきたすことがあります。多くは一時的な変化ですがまれに軽度の変形が残存することがあります。下眼瞼や頬に一時的な凹凸を生じる可能性があります。通常は時間の経過とともに改善します。
・その他
目のまわりの筋肉の動きが一時的に弱まることで目が閉じにくい、目が乾く、顔を洗うときに目に洗顔料が入ってしみる、などの症状を自覚する場合があります。通常6ヶ月程度で改善しますが、目の乾きや目の炎症などの症状が強い場合には点眼や軟膏治療が必要な場合があります。
■費用について(自由診療、税込)
◎下眼瞼形成術(経皮法) 605,000円 (モニター割引:514,250円)
※モニター割引を適用した場合は術後1週間、1か月、3か月、6か月の受診と写真撮影が必須です。モニター画像は眉上から鼻先までの範囲を使用する部分モニターです。
※上記は2025年2月時点での料金です。料金改定により料金が変更となる場合があります。最新の料金については料金表をご参照ください。 料金表を見る
■麻酔について
本手術は、全身麻酔・局所麻酔のいずれでも対応可能です。
選択する麻酔方法によって、費用が異なります。
◎ 全身麻酔の場合
・上記手術費用に加えて記載の全身麻酔費用がかかります
全身麻酔(全静脈麻酔・TIVA、2時間未満の手術に適用)143,000円
・全身麻酔のための術前検査費用が別途必要です
全身麻酔術前検査(採血、日帰り入院管理料含む) 33,000円
◎局所麻酔の場合
・局所麻酔のための術前検査費用(血液検査)がかかります
局所麻酔の術前検査費用 11,000円
※どの麻酔方法が適しているかは、手術内容やご希望をふまえて医師がご説明しますので診察の際にご相談ください
執筆・上記症例執刀医

山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
専門医資格等:
日本形成外科学会 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
※費用について(自由診療) 料金表を見る
※厚生労働省のガイドラインに準拠して
治療の内容、合併症やリスク、費用について記載したうえで
術前・術後の症例写真を掲載しています。
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