【症例】下眼瞼形成術(裏ハムラ)〈case.026〉
※当院の症例写真では個人情報保護のためのモザイク処理をのぞいて、形や大きさをかえるような画像修正は一切おこなっておりません。
◎「ティアトラフ」とよばれる目の下のハの字の影が目立つタイプの「裏ハムラ」
【30代女性】下眼瞼形成術(裏ハムラ) 術前/術後6か月



【目の下のくま取り(裏ハムラ)とは】
目の下のくま取り手術、《下眼瞼形成術》とは目の下の形態を整える手術です。ふくらみやくぼみをフラットにならし、くまの影を目立たなくすることができ、目の下を自然に美しく整えます。
結膜の切開から脂肪を移動させる《下眼瞼形成術(裏ハムラ)》は《脂肪再配置》ともよばれ、皮膚を切開しないため腫れや傷あとなどの回復期間(ダウンタイム)が短いこと、合併症が少ないことから多くの形成外科医が採用しています。

【治療の流れ】

①まぶた裏の粘膜を切開します。
②目の下のくぼみ《tear trough(涙のミゾ)》部分にあるリガメントをはずします。
③目のまわりの《眼窩脂肪》をミゾのあった部分に移動させ糸で固定します。
③結膜を溶ける糸で縫合します。
【治療のポイント】

2017, Wong CH. Plast Reconstr Surg. 140 より引用
この手術の最大のポイントは皮膚のひっかかりになっているリガメントを確実にはずす《ティアトラフリリース》をおこなうことです。4時方向から8時方向までの範囲でリガメントを外すことで目の下のハの字の影ができなくなり、目の下の凹凸がなくなります。
《ティアトラフリリース》が不十分になってしまうと、くまの影が残ってしまう原因に。顔のクリニック金沢ではまぶたの裏の小さな切開から確実にリリースするために《高周波メス》をつかったリリース法を採用しています。高周波メスによるリリースは局部麻酔のみでは痛みを感じてしまうことが多いため、全身麻酔での施術をおすすめしています。全身麻酔には痛みによる血圧上昇をおさえることで腫れや内出血を少なくするメリットもあります。
【顔のクリニック金沢でおこなう目の下のくま取り(裏ハムラ)について】
・手術はすべて裏側の結膜切開からおこなうため、皮膚に傷はできません。
・脂肪の固定も裏側の切開からおこなう《内固定法》のため、直後に皮膚から糸が出ていたりすることもありません。
・結膜の縫合糸には溶けて吸収される糸(8−0バイクリル)を使うため抜糸の必要はありませんが、糸が気になる場合には抜糸することも可能です。(結膜を縫合しない方法もありますが、縫合しないことで出血しやすい場合があるため特にご希望がなければ結膜を縫合をしています。)
・手術時間は90〜120分です。
・麻酔科専門医が担当する日帰り全身麻酔で痛みなく受けることができます。痛みや血圧をコントロールすることで腫れや内出血を最小限におさえます。
・術後の腫れやむくみを予防するため夜は枕を高めにしてお休みください。また、決められた期間お渡しする点眼薬を使用してください。
・目の下にテーピングを行いますので、2〜3日目にはがしてください。
・術後2週間は激しい運動や目の下の圧迫、強いマッサージを避けてください。
※アフターケアに必要な内服薬・点眼薬、目もとを冷やすための保冷剤、注意事項の説明用紙などをお渡しします(すべて手術費用に含まれます)。

【ダウンタイムについて】
・腫れのピークは術後24〜48時間、腫れの程度には個人差があります。
・1〜2週で目立たない程度まで腫れが改善します。
・完全に腫れがひいて手術の結果がわかるのは術後1〜3か月目です。
・当日から洗顔や短時間のシャワーは可能です。テーピングをはずしたあとは目の下もスキンケア、メイクができますが強く押したりこすったりしないように注意してください。

術前→2日目→1か月目
ダウンタイムを軽減するために
顔のクリニック金沢ではさらなるダウンタイム軽減のためにさまざまな取り組みを行っています。
①皮膚に糸を出さない「内固定法」
②切開と止血が同時におこなえる「高周波メス」
③痛みをなくし、血圧を安定させる「全静脈麻酔(TIVA)」
④腫れを予防する「止血剤」
⑤術後の「テーピング」(2~3日)

【Q&A】
Q:コンタクトレンズはいつからつけられますか?
A:基本的には術後1か月あけて使っていただいています。どうしても早くコンタクトを使いたい場合にはご相談ください。結膜側の抜糸をすることで少しはやくコンタクトを使っていただくことができます。
Q:テーピングはいつまでですか?
A:帰宅前に目の下に肌色の目立たないテープをはります。期間は2,3日を目安に自然に浮いてはがれてきたら終了です。一旦はがれたあとはご自身で貼る必要はありません。
Q:脂肪注入はあとからでもできますか?
A:脂肪注入を同時にうけるか迷っているのであればまずは裏ハムラだけ受けられて変化をみていただき、必要ならあとから脂肪注入をすることが可能です。2回に分けることのデメリットは、手術が2回になるためそれぞれにダウンタイムの期間があることと、麻酔や検査の費用が2回分必要になることです。
Q:脂肪注入は定着しなかったりしこりになるリスクがあると聞きましたが大丈夫ですか?
A:脂肪の採取、加工、注入の方法によっては定着率が低くなったりしこりになることもありえます。また、ハの字のミゾ部分のみに脂肪を注入するとその部分が笑ったときにポコッとふくれて見えてしまうことがあり、そうなると修正が難しいため注入する範囲にも配慮が必要です。いずれにしても経験豊富な執刀医を選ばれることをおすすめします。
《形成外科専門医資格》は基本的な手術手技をマスターしているというひとつの目安になります。
《JSAPS美容外科専門医》は美容外科手術を一定の症例数行った経験の目安になります。ご参考になれば幸いです。
Q:裏ハムラのときでも脂肪はとりますか?
A:脂肪はできるだけ温存します。ただし、ぽっこり感が残るようなときは必要最小限に切除します。前後の長さが短いアジア人の骨格では多少は切除しないと目の下のふくらみが残りやすいといわれています。
Q:裏ハムラまでしなくても脱脂だけで十分ではないのでしょうか?
A:脱脂だけでもふくらみは改善しますが、ハの字のシワ(tear trough)が残ります。日によってふくれて見えたり、ハの字のくまが出たり、ということもありえます。また、肌の弾力が低下している中年期以降は脱脂しすぎると目の下がくぼんでやつれて見えてしまうこともあるため取り過ぎには注意が必要です。治療のゴールをどこにもっていくかによって方針は変わってきますので、主治医とよくご相談ください。
Q:裏ハムラで移動させた脂肪はどこに縫い付けますか?
A:内側は《上唇鼻翼挙筋》という筋肉の端に縫い付けます。内側のミゾが残るととくに目立つため、しっかりと脂肪を移動させて確実に固定する必要があります。それ以外の部分は目の下の骨膜や脂肪組織に縫い付けます。当院では基本的に皮膚側に糸を出さずに内部での縫合のみを行っているため、手術直後に頬から糸が出ている状態になることはありません。
Q:裏ハムラのあと目の下をさわるとしこりのようなものがあり心配です。
A:脂肪を縫い付けたところがしこりのようにふれることがあります。見た目がデコボコしていなければ様子をみてください。ふつうは数ヶ月から半年でしこりを触れなくなります。見た目にもデコボコしてみえるようであれば主治医にご相談ください。
Q:裏ハムラの適応年齢は決まっていますか?
A:年齢によって適応を決めることはありません。肌の状態や骨格、希望される治療のゴールによって適応が決まります。
Q:リガメントを処理する本格的な裏ハムラとそうでない裏ハムラの違いは何ですか?
A:たとえば(裏側からの脱脂)+(脱脂した脂肪の移植)などの術式を便宜上《裏ハムラ》と称している場合もあります。本格的なハムラ法ともっともちがう点は手術に要する時間です。リガメントをリリースして脂肪を移動させるためには、なれている術者でも1時間以上はかかります。また、局所麻酔であれば目頭側のリガメントを切り離すときに痛み止めが効きづらいところがあるため少なからず痛みを感じます(図の赤い部分、眼輪筋という筋肉があるため痛みを感じやすい)。痛みなく手術を受けていただけるよう、当院では全身麻酔で治療をおこなっています。

【担当医について】
上記の症例を担当した外科医、麻酔科医はともに十分な経験と知識を有するエキスパートにのみ与えられる日本専門医機構および各学会の専門医です。
《外科医》 山下明子
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
《麻酔科医》 日高康治
日本麻酔科学会専門医
※合併症やリスク:薬剤のアレルギー、出血、感染・異物反応、結膜充血、結膜浮腫、眼瞼内反、眼瞼外反、複視
※費用(自由診療)
お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.
※費用はすべて消費税込みで表示しています。
※厚生労働省のガイドラインに準拠して治療の詳しい内容、費用、合併症等を記載したうえで、術前・術後の写真を掲載しています。

執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
【症例】下眼瞼形成術(経皮法、切開ハムラ)〈case.038〉
※当院の症例写真では個人情報保護のためのモザイク処理をのぞいて、形や大きさをかえるような画像修正は一切おこなっておりません。
◎「ティアトラフ+バギーアイタイプの「下眼瞼形成術(切開ハムラ)」
【50代女性】下眼瞼形成術(経皮法、切開ハムラ) 術前/術後3か月

目の下の脂肪のふくらみとハの字状の影の両方があるタイプです。
このタイプには、リガメントの切り離しと脂肪移動を同時に行うハムラ法(下眼瞼形成術)が適しています。
年齢と皮膚のたるみを考慮して経皮法(切開ハムラ)を選択しました。

術後は、ふくらみや影がなくなりフラットに。
自然で明るい印象の目元を取り戻すことができました。
ダウンタイムについて

〈この手術が向いているタイプ〉
目の下のふくらみやへこみが目立つ、肌のハリがないかたるみが目立つ。50〜60代以上。
〈麻酔について〉
局所麻酔、全身麻酔(体への負担が少ない全静脈麻酔、TIVA)どちらでも可能です。
〈合併症やリスク〉
薬剤のアレルギー:術中術後使用薬などによる各種アレルギー反応(稀にアナフィラキシー反応などの重篤なアレルギー反応)。
出血:通常手術当日から翌日にかけてにじむ程度の出血がみられます。皮下出血(あざ)が出る場合があります。
感染・異物反応:手術部位に感染を生じる場合があります。術後は瞼を清潔に保ち手で触れないように注意して下さい。
眼瞼変形:眼瞼外反を生じることがあります。多くは一時的な変化ですがまれに軽度の変形が残存することがあります。
〈費用〉
・下眼瞼形成術(経結膜法)
※費用の詳細は当院ホームページの料金表をご参照ください。
※局所麻酔、全身麻酔いずれでも受けていただくことが可能です。全身麻酔での手術を希望される場合は全身麻酔の費用(TIVA)が別途かかります。
※手術費用には手術で使用する薬剤、糸などの材料、術後の内服薬(鎮痛剤・抗生剤)、術後ケア用のガーゼ等、術後1週間・1か月・3ヵ月・6か月目の再診料や処置料が含まれます。
※手術費用のほかに局所麻酔検査費用11000円または全身麻酔検査費用(日帰り入院管理料を含む)33,000円がかかります。
※厚生労働省のガイドラインに準拠して費用、合併症等を記載したうえで、術前・術後の写真を掲載しています。

お問い合わせ・ご予約(診察の予約は電話受付のみ)
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.(木、日除く)

執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
【症例】下眼瞼形成術(経皮法、切開ハムラ)〈case.035〉
※当院の症例写真では個人情報保護のためのモザイク処理をのぞいて、形や大きさをかえるような画像修正は一切おこなっておりません。
◎「ティアトラフ+バギーアイタイプの「下眼瞼形成術(切開ハムラ)」
【60代女性】下眼瞼形成術(経皮法、切開ハムラ) 術前/術後6か月
「ティアトラフ」とよばれる半円形のくぼみと「バギーアイ」とよばれるふくらみの両方があるタイプのくまです。
このタイプでは若い頃は「ティアトラフ」のみ、年齢を重ねるとふくらみが出てきたといわれる方が多いです。
ティアトラフがあると、くまのふくらみのところにある脂肪を取るだけの方法では、
目回りがやせた、やつれた、疲れて見える印象になりやすいため、くぼみを浅くする処置が欠かせません。
くぼみを浅くする方法は3つ
□ふくらみ部分の脂肪を移動させる「下眼瞼形成術(ハムラ法)」
□脂肪注入
□ヒアルロン酸注入
今回は脂肪を移動させる方法で治療をおこないました。
皮膚のたるみを同時に改善させるためにたるみ取りを併用する「経皮法」でおこなっています。
「切開ハムラ」とよばれる方法です。

くまがなくなったことで目の下の影がなくなりあかるい印象に。
手術後の画像でも目の下に影がうすくありますが、これは涙袋の影です。
涙袋の変化について

手術のまえはふくらみにうもれて涙袋がなくなっていることがあります。
手術のあとの涙袋の形や大きさは、もともとの涙袋の形によってかわってきます。
こちらの症例では左は手術前から涙袋がすこしありますが左はほとんどありませんでした。

手術後は左の涙袋はくっきり、右はうっすらとふくらみがわかるようになりました。
埋もれている涙袋がどんな形をしているかは目を細めて笑ってみると自分でもわかりますが、もともと左右差がないほうがまれで左右差をそろえることはこの手術ではできません。

横からみたイメージは自分ではあまりみることはありませんが手術による変化を正確にとらえることができます。
◎ふくらみが下に移動してくぼみがなくなっています。
◎涙袋がくっきりとみえるようになりました。
顔のクリニック金沢ではこの横からの画像を術前に分析することで、
適切な脂肪の切除量、移動量、脂肪やヒアルロン酸注入の要否を判定しています。
個人差による結果のばらつきを少なくするために欠かせない作業です。
切開ハムラのダウンタイムについて
皮膚を切開するためどうしてもダウンタイムは長くなってしまいます。
目まわりの腫、きずあとの赤みなどがしばらく気になりますがふくらみによってのびてしまった皮膚を切除することができるため、ハリのある目もとをとりもどすことができます。
どうしても皮膚を切開したくない、という方には「フラクショナルレーザー」をおすすめすることもあります。手術に組みあわせて1〜5回の施術で肌のハリ、しわを改善します。赤みなどのダウンタイムもありますので、事前によくご検討ください。
ダウンタイムを軽減するために
顔のクリニック金沢ではダウンタイム軽減のためにさまざまな取り組みを行っています。
①拡大鏡やマイクロサージャリー用機器による精密な手術
②出血を最小限に腫れをおさえる高周波メス
③腫れを予防する止血剤の使用
④術後のテーピング(2〜3日)
〈この手術が向いているタイプ〉
目の下のふくらみやへこみが目立つ、肌のハリがないかたるみが目立つ。50〜60代以上。
〈麻酔について〉
局所麻酔、全身麻酔(体への負担が少ない全静脈麻酔、TIVA)どちらでも可能です。
〈合併症やリスク〉
薬剤のアレルギー:術中術後使用薬などによる各種アレルギー反応(稀にアナフィラキシー反応などの重篤なアレルギー反応)。
出血:通常手術当日から翌日にかけてにじむ程度の出血がみられます。皮下出血(あざ)が出る場合があります。
感染・異物反応:手術部位に感染を生じる場合があります。術後は瞼を清潔に保ち手で触れないように注意して下さい。
眼瞼変形:眼瞼外反を生じることがあります。多くは一時的な変化ですがまれに軽度の変形が残存することがあります。
〈費用〉
・下眼瞼形成術(経結膜法)
※費用の詳細は当院ホームページの料金表をご参照ください。全身麻酔での手術を希望される場合は全身麻酔の費用(TIVA)が別途かかります。
※手術費用には手術で使用する薬剤、糸などの材料、術後の内服薬(鎮痛剤・抗生剤)、術後ケア用のガーゼ等、術後1週間・1か月・3ヵ月・6か月目の再診料や処置料が含まれます。
※手術費用のほかに局所麻酔検査費用11000円または全身麻酔検査費用(日帰り入院管理料を含む)33,000円がかかります。
※厚生労働省のガイドラインに準拠して費用、合併症等を記載したうえで、術前・術後の写真を掲載しています。

お問い合わせ・ご予約(診察の予約は電話受付のみ)
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.(木、日除く)

執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
※費用について(自由診療) 料金表を見る
※厚生労働省のガイドラインに準拠して
治療の内容、合併症やリスク、費用について記載したうえで
術前・術後の症例写真を掲載しています。
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