顔のクリニック金沢

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コラム

オトガイ形成の術式とデザイン

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オトガイ形成術とは?

「オトガイ(頤)」とはあご先の部分を指します。あご先の形を変化させることで輪郭、横顔のバランスなどを整えるのが「オトガイ形成術」です。

 

 

 

オトガイ形成術の術式とデザイン

あご先の形を変える術式には多くのバリエーションがあります。

それぞれの特徴やメリット、デメリットについて解説します。

 

 

 

オトガイ形成術・単純/オトガイ形成術・複雑

あご先の骨を水平に切るシンプルな術式です。

 

オトガイ形成術・単純はあごの先の骨をまっすぐ横に切り、前や後ろに動かす手術です。

あご先の形(四角い、丸いなど)の変化ではなく、あご先の前後位置だけを変えたい場合、とくに顎先だけが後退している場合がもっともよい適応です。


動かしたときにできる小さな段差は、必要があればすこし削ってなめらかに整えます。

この手術では、骨は「前」と「後ろ」に動かすことができますが、後ろに動かすことが適応になる例はあまりありません。前に出す場合、少しだけ出すことですこしだけ変化させることもできますし、しっかりと前にだす「ジャンピング」をおこなうことであごさきが大きく後退した「小顎」の改善も期待できます。

あご先の前後位置だけの自然な変化を求める方に向いている方法です。

 

 

 

オトガイ形成術・複雑はあごの先の骨を横に切るときに、骨の一部を取りのぞく(中抜きする)ことで、あごの長さを短くする方法です。

骨を短くすることでできた段差を削って、なめらかに整える処置が必要になります。このなめらかに整える「骨削除」が不十分だと段差が気になる、あごの幅が広く見えるといった問題が生じることがあります。

メリットは骨を「前後」だけでなく「上方向」にも動かすことができることです。あご先の形をより細かく調整でき、仕上がりの自由度が高いのが特徴です。

デメリットはあご先の形はかわらないため、四角いあご先や幅広いあご先の形が気になっている場合には向いていません。また、短くしすぎると、皮ふがたるんだように感じることがあります。

自然なバランスを大切にしながら、適切な長さに整えることが大切です。

 

 

 

ミニVライン形成術・骨削り/ミニVライン形成術・骨切り

ミニVライン形成術・骨削りはあごの先の骨を少しずつ削って、小さく整える手術です。

骨を切って動かす方法とことなり大きな段差ができにくく、なめらかな形に仕上がりやすいのが特徴です。

ただし、骨を削るときには、あご先についている皮膚や筋肉などをいったんはがす必要があります。この皮膚や筋肉をはがす処置や、骨のボリュームが減ることによってあご先やあごの下に少したるみや余りが出たように感じることがあります。

また、あご先の形の左右差を削って整えるということも可能ですが、骨の形がそろったとしても皮膚や脂肪の形の差は残ることがあるため、気になる場合にはレーザーやハイフなど追加の処置が必要になる場合があります。

 

 

 

ミニVライン形成術・骨切りはあごの先の骨を「台形(だいけい)」の形に切り取って、位置を調整する手術です。

この方法では、あごを前や後ろに動かすだけでなく、あご先をすこし短くしたり、少し長くしたりすることもできます。

骨を動かすと段差ができるため、仕上がりがなめらかになるようていねいに整える処置が必要です。あご先の筋肉や皮膚を完全にははがさないためたるみ感は出にくい方法です。

あご先の骨を小さなブロックとして移動させるため、あごの四角い感じが気になる場合よい適応となります。少しシャープなあご先にしたい方にも向いている方法です。

 

 

 

下顎角・オトガイ形成術(Vライン)

下顎角・オトガイ形成術(Vライン)はあごの先の骨を台形に切り、希望の位置に動かす手術です。

さらに、耳の下あたりにあるエラの部分からあご先まで骨を整えることで、フェイスライン全体の形を変えることができます。顔の輪郭をしっかり変えたい方に向いている方法です。

あご先は、前や後ろに動かしたり、短くしたりすることができます。あご先の筋肉や皮膚をはがさないためあご先の余り感は出にくい方法です。

あご先だけでなく輪郭までをふくめ、大きく印象を変えられるのがメリットですが、骨の切除量や年代(特に40代以上)により術後たるみを感じることがあります。

 

 

 

オトガイ形成術でよい結果を得るために必要なこと

オトガイ形成術はあご先の形を希望に沿って整える手術です。希望通りの結果になるかどうかは担当医と事前に十分なイメージの共有ができているかにかかっています。

術後は腫れの影響で思った形と違うように見える期間がありますので、結果の最終判定は術後6か月になります。

希望されるイメージ(持参画像やご自身の加工画像も可)、なりたくないイメージ、変化量(しっかり、ひかえめなど)などを担当医に伝えていただき、3DCT検査によるもともとの骨の形の確認や、画像によるシミュレーションでゴールを明確にすることが、希望される「よい結果」につながる最重要ポイントと考えています。

 

 

→骨切り・輪郭の症例をみる

 

 

お問い合わせ・ご予約

9:50 ~12:30、13:30~17:50 (木、日、祝のぞく)

TEL:076−239−0039

 

 

 

■手術についての詳しい説明

あご先の形を変えることで輪郭を整える手術です。

方法
1.手術は全身麻酔下に行います。
2.口腔内の切開より、下顎骨の形態を整えます。
3.骨切り後にチタン製プレートを用いて骨片を固定します。
4.必要に応じテーピングやスプリント装着、バンデージの装着を行います。

一般的な経過
・バンデージを使用した場合は翌日以降に外します。
・腫脹のピークは術後48−72時間頃です。

 

■合併症、副作用
・薬剤のアレルギー
術中術後使用薬などによる各種アレルギー反応(稀にアナフィラキシー反応などの重篤なアレルギー反応)。
・口唇皮膚粘膜損傷
口腔内からの手術操作の際に時に口唇皮膚や粘膜に裂傷や擦過傷を来すことがあります。
・出血
術中に大量出血を認めた場合は、手術を中断します。また、止血操作のため頚部等に追加の皮膚切開を行うことがあります。
・感染
術後感染をきたすことがあります。プレート固定部に感染が生じた場合は、ドレナージやプレート抜去等の追加処置が必要となることがあります。腐骨による症状(感染などによりくっつかなかった骨の一部が傷口から出てくる等)を呈することがあります。
・オトガイ神経麻痺
下顎の手術の術後に顎先から下口唇にかけての知覚鈍麻を生じることがあります。多くは一過性で数ヶ月の経過で治癒いたしますが、神経麻痺が残存することがあります。
・顔面神経麻痺
顔面神経麻痺により顔の動きが悪くなることがあります。特に頬骨形成術では時に顔面神経側頭枝麻痺による眉毛下垂が生じることがあります。
・骨折
術中に想定外部位での骨折をきたすことがあります。術中に修復を要します。
・手術部の不整や段差
骨接合部、骨削除部、もしくは術後の骨吸収などで形態の不整や段差が生じることがあります。
・術後顔貌変化に対する不満足
術後の顔の形態が、ご本人が術前にイメージしたものとは一致しないことがあります。また、骨格の縮小により余剰皮膚のたるみが生じることがあります。顔貌の非対称に対する治療では、完全な対称性を得ることは困難です。

 

 

■麻酔について
本手術は、全身麻酔を必要とします。

・手術費用のほかに全身麻酔のための検査、麻酔費用がかかります。

全身麻酔(全静脈麻酔・4時間未満)187,000円

全身麻酔術前検査および日帰り入院管理料 33,000円

 

■費用について(自由診療、税込)

◎オトガイ形成術 単純  ¥770,000
◎オトガイ形成術 複雑(中抜き等)  ¥880,000
◎ミニVライン形成術(骨削り)  ¥990,000(本症例で適用)
◎ミニVライン形成術(骨切り)  ¥1,210,000

◎下顎角・オトガイ形成術(Vライン) ¥1,870,000

※上記のうちどの術式が適用となるかについては術前の状態、ご自身の希望によって異なります。診察とシミュレーション等により決定しますので診察時に担当医にご確認ください。

※モニター割引を適用した場合は手術費用が15%割引となります(麻酔費用や検査費用、入院費用の割引料金はありません)。術後1週間、1か月、3か月、6か月の受診と写真撮影が必須です。モニター画像は目もとにモザイク等をいれた状態で使用します。

※上記は2026年2月時点での料金です。料金改定により料金が変更となる場合があります。最新の料金については料金表をご参照ください。 料金表を見る

 

 

 

 

執筆・執刀医

山下 昌信
YAMASHITA, Masanobu

経歴:

石川県出身

平成9年 金沢医科大学医学部卒業

同年 金沢医科大学形成外科入局

平成20年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)形成外科留学

頭蓋顔面外科フェロー(Dr. Henry K. Kawamoto, Jr.,M.D., D.D.S.)

Pacific Coast Plastic Surgery Center 美容外科

平成22年 金沢医科大学形成外科(頭蓋顔面外科、小児形成外科、美容外科)

平成29年 金沢医科大学形成外科准教授

資格等:

形成外科専門医

日本頭蓋顎顔面外科学会専門医

日本美容外科学会(JSAPS)専門医

日本形成外科学会領域指導医

日本形成外科学会小児形成外科分野指導医

学会等の活動:

日本形成外科学会 評議員・専門医認定委員会委員

日本頭蓋顔面外科学会 代議員・専門医認定委員会委員

日本美容外科学会(JSAPS) 専門医試験問題作成委員会委員