目の下のくま治療の選び方
目の下の《影くま》や《ふくらみ》について、自分にあった治療をみつけるためのチェックポイントについて説明します。
A~Dからあてはまる項目をチェックしてください。
A
□10代の頃からくまがあった
□くまのくぼみは浅くぼんやりとしている
□頬骨はそれほど出ていないほうである
□笑っても目のまわりに《小じわ》ができない
B
□20〜30代からくまが目立ってきた
□くまのくぼみがくっきりハの字になっている
□笑うと目まわりに《小じわ》ができるが真顔のときにはしわがない
□頬はふっくらとしてハリがある
C
□40代くらいからくまが気になっている
□肌はやわらかく薄い
□くまのくぼみはくっきり半円形
□頬のふくらみの位置が下がってきた
D
□切る治療には抵抗がある
□多少くまが残っても今より目立たなくしたい
□人に気づかれない程度に少しづつ変わりたい
□くまがなくなるとどうなるか見てみたい
Aが多い《骨格バランスタイプ》
骨格と目のまわりにある《眼窩脂肪》のバランスがあっていないことが原因です。このタイプでは10代や20代からくまが目立つこともあります。眼窩脂肪をとりのぞくだけでくまが目立たなくなります。
専門医のおすすめ:目の下の脂肪除去(眼窩脂肪切除、経結膜脱脂)
皮膚を切らずまぶたの裏側から眼窩脂肪を除去します。肌のハリや弾力があれば脂肪をとるだけでくまが目立たなくなります。技術的には簡単な手術ですが、余分に脂肪をとりすぎると目の下がくぼんでしまうことがあります。かといって取り足りないとふくらみがのこってしまいます。ちょうど良い形にするには手術中の調整に時間をかける必要があり、これが満足いく結果を得るための最大のポイントです。
治療から時間がたつとまた《くま》が目立ってくる場合があります。どのくらいで目立ってくるかは年齢や骨格、肌質などにもよりますが数年から5年程度が目安です。
Bが多い《骨格バランス+エイジングタイプ》
やや骨格と《眼窩脂肪》のバランスがあっておらず、肌のハリが低下したことでふくらみが目立ってくるタイプです。ハの字の影は《tear trough(涙の流れる溝)》とよばれ、この部分に《靱帯(リガメント)》があるためにくぼみができます。リガメントの処理をすることがきれいな仕上がりのポイントです。
専門医のおすすめ:目の下の脂肪移動(経結膜下眼瞼形成術、裏ハムラ、脂肪再配置)
まぶたの裏の結膜からリガメントを外してくぼんでいた部分に《眼窩脂肪》を移動させて目の下を平らにならします。眼窩脂肪が多い場合は適量の脂肪を取り除きます。皮膚を切らないため回復が早いのが特徴です。
リガメントを処理することで目の下のくぼみや影がなくなり滑らかになります。持続は5年から10年程度が目安で、リガメントが切り離されているため再発しても治療前ほどくぼみが目立ちにくいと考えられます。
Cが多い《エイジングタイプ》
年齢によって目のまわりの脂肪を支える組織がゆるむことでふくらみが目立ってくるタイプです。なめらかな目の下の形をつくるためには脂肪の形だけでなく、皮膚のたるみまで取り除く必要があるので、皮膚を切開するたるみ取りをおすすめします。
専門医のおすすめ:目の下の脂肪移動と皮膚のたるみ取り(経皮下眼瞼形成術、ハムラ法、脂肪再配置)
リガメントを外して目のまわりの眼窩脂肪をくぼみに移動させたあと、目のまわりの筋肉《眼輪筋》を引き上げて目の下のたるみをリフトアップします。余分な皮膚を取り除くことでなめらかでハリのある目の下をとりもどすことができます。効果の持続は5〜10年程度が目安です。皮膚のたるみだけを取り除いたり目のまわりの筋肉を引き上げる治療でも一時的にはよくなりますが効果は長続きしません。
Cタイプのオプション
①脂肪注入
ご自身の脂肪をつかった《脂肪注入》はどのタイプでも追加できますが、年齢により頬のふくらみが下がったと感じている方にはとくに効果的です。頬の中央にあるくぼみ(いわゆるゴルゴ線)は目の下のくぼみの治療のあとに目立ってくることがあります。一番目立っていた目の下のくまが消えることでいままでそれほど目立っていなかった頬のくぼみが気になるようになるためです。この部分にも脂肪を注入することができるので、顔全体の若々しい印象を取り戻したい方に最適なオプションです。
②ピーリング、レーザー
お肌にメスを入れたくない方では皮膚を切らない治療を行い、お肌のハリはピーリングやレーザーで回復させることができます。ピーリングにはPRX-T33を使用します。痛みはなく5〜6回程度繰り返し受けることでハリを回復させます。レーザーならリフトアップレーザーや炭酸ガスフラクショナルレーザーが有効で、こちらも5〜6回程度繰り返し受けることで少しづつ改善させることができます。
Dが多い《ノーダウンタイムタイプ》
年齢やふくらみやくぼみの程度によらず、できるだけ手軽でさりげない変化を希望される場合です。
専門医のおすすめ:ヒアルロン酸注入、脂肪注入
目の下のくぼみ部分にヒアルロン酸を注入します。ふくらみの形はそのままなので影が完全に消えるまで注入すると目の下全体がふくれた感じになってしまいます。すこし影やしわが残る程度にするのが自然に仕上げるポイントです。ヒアルロン酸が吸収されてくまが目立ってきたら自分の脂肪を注入してより自然に長持ちさせることもできます。
ていねいな診察であなたが受けたいと思える治療を選ぶお手伝いをいたします。詳しくは問い合わせページやお電話でご相談をお願いいたします。
お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.(木、日除く)
費用について
・眼窩脂肪切除術 250,000円
(経結膜脱脂)
・下眼瞼形成術 450,000円
(ハムラ法、裏ハムラ)
・脂肪移植(採取・加工基本料) 240,000円
目の下のくまへの脂肪注入 70,000円
・リフトアップレーザー 24,000円
・アンチエイジングコラーゲンピーリング 16,000円
(全顔、PRX-T33使用、ホームケアセット付き)
※費用はすべて税抜き価格です。自由診療のため保険適用がありません。
※手術費用には手術で使用する麻酔などの薬剤、糸などの材料、内服薬(止血剤・鎮痛剤・抗生剤)、術後ケア用のガーゼ等、術後1週間・1か月・3ヵ月・6か月目の再診料や処置料が含まれます。
※日帰り全身麻酔で治療を受けられる場合は別途麻酔料がかかります。
(費用の目安:下眼瞼形成術・2時間、150,000円)
合併症やリスク
薬剤のアレルギー:術中術後使用薬などによる各種アレルギー反応(稀にアナフィラキシー反応などの重篤なアレルギー反応)。
出血:通常手術当日から翌日にかけてにじむ程度の出血がみられます。内出血(あざ)が出る場合があります。
感染・異物反応:使う糸は体の中に残しても通常害のないものですが、ごくまれに異物反応(赤くなる、 しこりになる、等)を起こすことがあります。
眼瞼内反・眼瞼外反:ほとんどの場合一時的な変化ですがまれに軽度の変形が残存することがあります。
※厚生労働省のガイドラインに準拠して費用、合併症等を記載したうえで、術前・術後の写真を掲載しています。
目の下のくま・たるみーよくある質問ー
Q1.目の下のくまは治療できますか?
はい、目の下のくまは治療ができます。いくつかの治療法がありますので、ご希望に応じて選んでいただくことができます。
Q2.どんな治療方法がありますか?
くまのタイプによってそれぞれに合った治療があります。
①茶くま
色素沈着が原因です。ライトを正面からあててもうす茶色の「くま」が見えればこのタイプです。
治療:マッサージやアレルギーなどで目の周りをよくこする習慣がある方に多いくまですが、もともとの肌質や女性ホルモンの変化も影響します。保湿などのスキンケアや、目もとをこすらないようにするだけでもある程度改善しますが、「ビタミンC」や「トランサミン」などの飲み薬、「トレチノイン」や「ハイドロキノン」などの塗り薬を処方することもあります。
②影くま
目元の脂肪のふくらみが原因です。上からの照明が当たっていると目立つのですが、ライトを正面からあてたり、上を向いて鏡を見ると目立たなくなるのが特徴です。凹凸があるのでコンシーラーなどで隠すことが難しいくまです。
治療:「ハムラ法」という手術方法で治療します。脂肪のふくらみを適量とりのぞき、脂肪の一部をふくらみの下にある溝の部分に移動させて目立たなくします。皮膚を切らない方法では、下まぶたの裏から治療を行うため、術後の傷跡を心配することなく受けることができます。また、症状が軽い場合や手術に抵抗がある場合には「ヒアルロン酸注射」でくぼみを目立たなくすることも可能です。
③青くま
血管や筋肉が透けて赤紫っぽく見えます。体調によって色味や濃さが変わります。色白で皮膚や皮下脂肪がうすい方、血行不良がある方では目立ちやすい「くま」です。
治療:規則正しい生活習慣や運動など、血行不良の改善が第一です。皮下に薄く「脂肪移植」して青みを目立たなくすることも可能です。
Q3.保険適応になりますか?
目の下のくまは健康上の支障がない場合が多いため保険適応にはなりません。当院では自由診療で治療を行っています。
Q4.80代ですが治療を受けたいと思っています。
年齢によって治療が制限されることはありません。注射や手術の治療では年齢にかかわらず高血圧などの持病のある方や、血液をさらさらにする抗血小板薬(バイアスピリンなど)や抗凝固薬(ワーファリンなど)を内服されている方では治療後にあざ、腫れなどが出やすいことがありますので、内科などできちんと治療を受けていることや、血液をさらさらにする薬を中止できることなどの条件があります。
Q5.治療の費用は?
・ビタミンC+トランサミン内服
¥1000(30日分)
・トレチノイン+ハイドロキノン
¥17,280~
・ハムラ法による下眼瞼形成術
局所麻酔の場合・・・¥495,720(初診料・検査料・麻酔費・手術費・薬剤費・再診料含む)
全身麻酔の場合・・・¥667,440(初診料・検査料・麻酔費・手術費・薬剤費・再診料含む)
症状に合わせて手術の内容が変わります。手術の内容に合わせて全身麻酔、局所麻酔どちらかを選択していますので、ご自身の症状の場合どちらが向いているか診察の際にご確認ください。
・ヒアルロン酸(バギーアイトリートメント)
テオシアルピュアセンスリデンシティⅡ 1本(1ml)+ジュビダームビスタボリューマ1本(1ml)
¥183,600(初診料・表面麻酔・薬剤費・手技量含む)
・下まぶたの脂肪移植
全身麻酔の場合・・・¥505,440(初診料・検査料・麻酔費・手術費・薬剤費・再診料含む)
脂肪移植は全身麻酔で受けられることをおすすめいたします。
上記の費用はすべて税込みです。その他の費用については料金表をご参照ください。
目の下のくま、ふくらみ – 手術
目のまわりにある《眼窩脂肪》がせり出すことで目立ってくる目の下の《くま》《ふくらみ》《たるみ》を解消するために4つの方法があります。
手術による目の下のくま、たるみの治療についてくわしく説明します。
①目のまわりの脂肪を切除する《眼窩脂肪切除》
ふくらみの原因となっている目のまわりにある《眼窩脂肪》を切除します。脱脂術などとも呼ばれている方法です。
〈向いているタイプ〉
骨格と眼窩脂肪のバランスが合っていないため10代、20代のころから目の下がふくれている方、下まぶたの皮膚にある程度のハリがある方。
〈この治療について〉
皮膚を切らずに下まぶたの結膜側から脂肪をとりのぞく《経結膜法》なら肌に傷がつかず腫れもめだちにくいのでダウンタイムも短くてすみます。皮膚のハリが不十分だと目の下がくぼんで見えることがあるため注意が必要です。
〈麻酔について〉
局所麻酔、全身麻酔どちらでも可能です。局所麻酔では触られている感じがわかります。不安な方は全身麻酔で眠っている間に受けていただくこともできます。
②目のまわりの脂肪を移動させる《ハムラ法》
皮膚にハリがない場合や、頬のふくらみが足りない方では、目の下のふくらみが目立たなくなるまで脂肪を取ると目の下がくぼんでしまいます。有名な形成外科医のDr.Hamraは、単に脂肪を切除するだけではいかにも「手術をおこなった」ような変形が生じることに気がつき、眼窩脂肪を移動させる術式を開発しました(Hamra 1995年)。現在でも《ハムラ法》としてよく知られており《眼窩脂肪移動術》《脂肪再配置》などと呼ばれることもあります。
〈向いているタイプ〉
目の下のふくらみが目立つ方、目の下のハリを取り戻したい方。
〈この治療について〉
下まつげのきわを切開して脂肪を移動させます。目のまわりの眼輪筋を引き上げて目の下のハリを出します。あまっている皮膚はとりのぞきます。傷あとはほとんど目立ちません。単なる皮膚や脂肪の切除だけでは得られない目の下の若々しさをとりもどします。
〈麻酔について〉
局所麻酔、全身麻酔どちらでも可能です。局所麻酔では触られている感じがわかります。不安な方は全身麻酔で眠っている間に受けていただくこともできます。
③まぶたの裏側から脂肪を移動させる《経結膜下眼瞼形成術》
ハムラ法を結膜側からおこないます(HK Kawamoto, 2003年)。通称裏ハムラとよばれる方法です。
〈向いているタイプ〉
皮膚のたるみがない方、ダウンタイムを短くしたい方。
〈この治療について〉
ダウンタイムが短く、ハムラ法でごくまれにおこる下まぶたの外反(下まぶたが外向きになりまぶたが閉じにくくなる)が起こりにくいといわれています。日本人の場合、術後にtear trough変形と呼ばれる下まぶた内側にある溝状のくぼみが残りやすいとされています。
最近の研究で、tear trough変形の原因のひとつが皮膚と骨の間にある「靱帯(tear trough ligament)」であることがわかってきました。tear trougn変形が目立つ場合には、この靱帯を切り離したり、靱帯の部分に脂肪を移植する方法が開発され、アジア人でも良い結果が報告されています(Wong, 2017年)。
〈麻酔について〉
局所麻酔ではtear troughの処理が不十分になることがあるため全身麻酔で眠っている間に受けていただくことをおすすめします。
④脂肪注入
ご自身の脂肪をつかった《脂肪注入》はヒアルロン酸と同じような効果があります。
〈向いているタイプ〉
目の下にある頬の脂肪は年齢を重ねると重力によって下がっていくため、この部分に硬い骨が触れる方では注入治療が効果的です。
眼窩脂肪を移動させる《下眼瞼形成術》など他の治療に脂肪注入を組み合わせることもできます。目の下のくまやふくらみだけでなく、頬の中央にあるハの字形のくぼみ(mid cheek groove、いわゆるゴルゴ線)をカモフラージュしたり、頬のボリューム不足をおぎなって頬のふくらみを美しくととのえ若々しい輪郭を取り戻したい方にも向いています。
〈この治療について〉
下腹部などから細い専用のカニューレを使って脂肪を採取し、これを精製してふくらませたい部分に注入します。欠点は①数ヶ月から半年かけて脂肪の一部が吸収されて減ること、②一度に注入できる量に限界があることです。利点は効果を持続させるために繰り返し注射を受ける必要のあるヒアルロン酸と比べると、①脂肪がいったん生着すればその後はあまり変化しないないこと、②ヒアルロン酸のように色が透けて見えることがないこと、③より自然な形に仕上がることです。
〈麻酔について〉
局所麻酔薬の量が少なくてすむこと、注入後の形を術中正確に評価できること、眠っている間に手術が終わるため痛みや不安がないことなど、多くの利点がある全身麻酔での手術をおすすめしています。
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