顔のクリニック金沢

COLUMN

コラム

二重全切開のダウンタイムと準備しておくとよいもの

/

ダウンタイムの実際の様子やダウンタイム中に気をつけたいポイントと、腫れを最小限にして回復を早めるための準備について説明します。

 

 

【症例】

20代女性

・過去に2回埋没法を受けていて、最近ふたえの幅が狭くなってきた。

・幅中くらいの平行型希望。

・まつ毛の付け根がみえるように。

 

《手術前後の比較(上:術前、下:術後6か月)》

 

 

【ダウンタイムの様子】

《手術直後》

麻酔薬(キシロカイン+ポプスカイン)と手術の影響でまぶたが腫れています。腫れのために目が重く開けづらいと感じることも。写真の症例では透明の糸で縫合しているため糸は目立ちませんが、にじむような出血があります。にじむような出血は1−2日続きます。

 

 

《術後1週間》

抜糸の時期です。直後より腫れは落ち着いてきましたがまだ全体に腫れぼったくみえます。二重の幅も希望の幅よりは広く見えます。傷あとは赤くデコボコしています。

抜糸の後の注意事項をみる

 

 

《術後1か月》

かなり腫れがおさまってきましたが、まだ朝起きると腫れぼったくみえる時期です。目尻側から腫れがひいてくることが多いため、目頭側だけ腫れて見えたり、二重の幅が広くハム目のように見えてしまうこともありますが、ほとんどの場合腫れがひけば落ち着いてきます。傷あとは薄いピンク色でさわると硬くしこりのような感じです。

 

 

《術後3か月》

朝起きたときのむくみが気にならなくなってくる時期です。傷あとも写真のように回復が早い体質なら赤みがひいてきますが、時間がかかる体質ならまだ赤みや硬さが残っていてもおかしくありません。まつげのきわの皮膚は感覚がにぶくメイクの時などはまだ違和感があります。

 

 

《術後6か月》

手術の影響がほぼなくなり、手術の効果判定ができる時期です。傷あとは赤みや硬さがとれて伏し目になっても目立ちません。まつげのきわの感覚も、もとに戻ってきます。

《伏し目の状態(上:術前、下:術後6か月)》

 

 

 

 

手術当日までに準備しておくとよいもの(こと)

 

 

①凍らせてもかたくならない保冷剤

※写真はまぶた専用の保冷剤【メオアイス】(院内でご購入いただけます。)

まぶたを冷やすための保冷剤です。ケーキなどについてくる保冷剤にハンカチやタオルを巻いて使用してもかまいませんが、凍らせてもやわらかいタイプの保冷剤があれば傷にも優しくしっかりと冷やせます。当院の自由診療手術後の患者様には冷凍してもやわらかいタイプの保冷剤を1個無料でお渡ししています。

まぶた専用のベルト付きでかたくならない保冷剤なら、交換できる予備の保冷剤もついているためよりスムーズにまぶたを冷やすことができます。前日までに冷凍庫に入れて準備しておきましょう。

もし保冷剤を用意していなかったという場合は、小さめの清潔なタオルを濡らして冷蔵庫で冷やしたものをいくつか用意しておき、ぬるくなったらその都度交換しても◎。冷凍庫で冷やした濡れタオルはすこし冷たすぎるため、まぶたに直接当てるのには不向きです。

冷やす期間は2−3日。当日は寝る直前まで、食事などの時間以外は冷やしておくと腫れが最小限ですみます。翌日以降はまぶたが熱っぽく感じるとき、冷やすと気持ちいいときなどで十分です。

冷えピタのように貼るタイプの冷却剤もよいのですが、保冷剤が薄いためにすぐぬるくなってしまうことや、貼り付けるタイプでは剥がすときに縫い傷に刺激をあたえることからあまりおすすめはしていません。

 

 

②目もとをきれいにするコットン(清浄綿)

手術のあとの目もとをすっきりさせたい、というときにおすすめなのが、目まわり専用のふきとり用コットンです。特に手術当日や翌日、にじむような出血があるときにはそっとふきとることで目もとがすっきりします。目もと専用のコットンなら1回分ずつパック包装されていて滅菌されているため手術直後の目もとでも安心して使えます。市販もされていますのでドラッグストアなどでの購入も可能です。こちらも当院の自由診療手術後の患者様には無料でお渡ししています。

 

 

③高めの枕

当日〜1週間程度は頭を高くしてねむると腫れにくく、回復も早くなります。高めの枕がなければいつもの枕の下にバスタオルなどを挟むだけでも◎

 

 

④当日から翌朝までの食事

食事の準備のために動き回ることでまぶたが腫れる原因に。また、できれば腫れたまぶたで買い物などに行かなくてすめば気持ちも楽です。当日から翌朝までの食事を家族などに頼んでおくか、すぐに食べられるものを用意しておくとよいでしょう。

 

 

⑤お休み

学校や仕事のお休みは当日をふくめて3日間あると安心です。切開法ではこの3日間が一番腫れが目立つ期間です。特に翌日は手術直後よりも腫れが目立つことが多く、また、一番腫れる時期に体を動かすことでより腫れが増すこともあるため、この期間にしっかりと休んでおくことで回復も早めることができます。

 

 

 

【まとめ】

切開法はダウンタイムが埋没法よりも長くなりますが、自然で安定したとれにくい二重を形成することができる手術法です。事前にダウンタイムの様子や準備すべきものを知っておくことで、手術後も不安にならず、適切なケアをしながら回復するのををまつことができると思います。

手術の詳しい方法については下記のコラムをご参照ください。

関連コラム:埋没法と切開法、どちらがいいの?二重整形の選び方

 

 

 

【担当医について】

《外科医》 山下明子

日本形成外科学会専門医

日本美容外科学会(JSAPS)専門医

経歴

岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師

形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師

 

 

【合併症と費用について】

※合併症やリスク:薬剤のアレルギー、出血、感染、眼瞼下垂の顕在化

※費用(自由診療)

●料金表をみる

 

 

 

お問い合わせ・ご予約

顔のクリニック金沢

金沢市鞍月5-150(明文堂ビーンズ横)

TEL 076-239-0039

10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.

 

 

※費用はすべて消費税込みで表示しています。

※厚生労働省のガイドラインに準拠して治療の詳しい内容、費用、合併症等を記載したうえで、術前・術後の写真を掲載しています。

 

 

執筆

山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko

顔のクリニック金沢 院長

 

【症例】オトガイ形成術で自然なEラインに

/

オトガイ形成術は、下顔面のボリュームや横顔のバランス(Eライン)をととのえるのにとても効果的な手術です。

 

 

 

 

【症例】中抜きを併用したおとがい形成術

あご先を横方向に骨切りして5mm中抜きしほんの少しだけ前進しました。左右差を修正するために横方向への移動も追加しています。《Sliding genioplasty》 といいます。

 

 

Made in Germany の精密チタン製プレートとスクリューで丁寧に固定します。

 

 

術前と術後3カ月です。下顔面が小さくなることでかわいらしくとても自然なバランスに仕上がっています。

 

 

【費用について】

●料金表をみる

※手術方法はお一人おひとりの状態やご希望により異なります。手術を希望される場合や、費用の見積を希望される場合、まずは当院で担当医の診察をお受けいただくようお願いいたします。

※手術費用の他に全身麻酔費、術前検査費等がかかります。

 

【起こりうる合併症、リスク、副作用】

起こりうる合併症、リスク、副作用:術中術後出血、神経麻痺、ご自身の術後イメージと手術の結果が一致しないことがある、他

 

【関連コラム】オトガイ形成術とダウンタイムについて

 

 

【担当医について】

この症例を担当した外科医、麻酔科医は十分な経験と知識を有するエキスパートに与えられる日本専門医機構および各学会の専門医です。

《外科医》 山下 昌信

日本形成外科学会専門医

日本美容外科学会(JSAPS)専門医

《麻酔科医》 日高 康治

日本麻酔科学会専門医

 

 

 

お問い合わせ・ご予約

TEL 076-239-0039

10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.

※厚生労働省のガイドラインに準拠して治療の詳しい内容、費用、合併症等を記載したうえで、 術前・術後の写真を掲載しています。

 

 

監修:顔のクリニック金沢、金沢医科大学形成外科 医師 山下 昌信

【学術活動】顔の輪郭手術
カスタムメイド型の正確なガイドを
用いた下顔面の輪郭形成術

/

●第15回日韓形成外科学会/The 15th Japan-Korea Congress of Plastic and Reconstructive Surgery

パネルセッション6/Panel Session 6
顔の輪郭手術/Facial Contouring Surgery

パネリスト・座長(写真左より)

金沢医科大学形成外科准教授・顔のクリニック金沢 山下 昌信

東海大学形成外科教授 赤松 正 先生

Hallym University Soyeon Jung 先生

ソウル大学 形成外科教授 Rong-Min Beak 先生(座長)

藤田医科大学教授 奥本 隆行 先生(座長)

Seoul Cheoil Plastic Surgery  Sang Beak Han 先生

 

 

【カスタムメイド型の正確なガイドを用いた下顔面の輪郭形成術/The Contouring Surgery of the Lower Third of Face with Custom-Made Accurate Surgical Guide】

輪郭形成術として一般にひろくおこなわれている《頬骨形成術》と《下顎形成術》のうち、《下顎角形成術》の新たな術式について報告した。

《下顎骨形成術》でおこなわれる下顎角の骨切り術では下記のような問題がある。

・盲目的(見えない状態で手術すること)な骨切りによる《二次角》の形成

・盲目的な骨切りによる予期しない骨折

・不適切なデザインによりフェイスラインのサポートを失い“たるみ”を生じること

 

これに対して演者が考案した下記の方法で患者の希望する形態のとおりに安全で正確にデザイン通りの骨切り術を行うことを可能とした。

 

①臨床画像をもちいたシミュレーション(患者の希望にあわせる、左:術前、右:シミュレーションイメージ)

 

②CT画像とシミュレーション画像の重ね合わせによる骨切りデザインの確認

骨切り線はストレートかわずかに下にふくらみをもたせると、フェイスラインのたるみを予防することができる。

 

③シミュレーションをもとに熱可塑性樹脂を用いた骨切りガイドの作成

 

④レシプロケーティングソーを用いた口腔内からの骨切り(皮膚は切開しない)

 

 

【症例】(一部抜粋)

術前、術後の比較(左:術前 右:術後半年)

 

 

シミュレーション画像との比較(左:シミュレーション画像 右:術後半年)

シミュレーション(左)と術後(右)でほぼ同じ形態が得られている。

 

【まとめ】

シンプルな方法でシミュレーション通りの骨切りを正確に行い、良好な結果が得られる手術法として有用であるため報告した。

 

 

監修:顔のクリニック金沢、金沢医科大学形成外科 医師 山下 昌信