顔のクリニック金沢

COLUMN

コラム

魅力的な口元とは?

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証明写真をとるときには真顔で歯を見せないことが多いのではないでしょうか。笑ったときに手で口もとを隠すくせのある若い女性タレントもときどき見かけます。人前で歯を見せて笑う文化のなかった日本では「歯の見え方」に対して気をつかうことは少なかったようです。反対に笑うときは歯を見せるよう教えられ、パスポート写真を撮るときですら「smile!」と呼びかける欧米では「歯の見せ方」にこだわって歯科矯正などの治療がおこなわれてきた長い歴史があります。「どうやって魅力的でヘルシーな口元を演出するか」という考え方がかみ合わせや口元の治療を大きく発展させてきました。

 

日本では「歯の見え方」を意識することが少なかったこともあり、歯の見え方や顔全体の印象を良くするための治療はほとんどおこなわれてきませんでした。このような背景から《ルフォー》、《SSRO》とよばれるような外科矯正治療も見た目への配慮はなされることなく「かみ合わせをあわせること」だけを目的として行われてきました。

 

歯を見せて笑う欧米の文化が広がり、口元の健康と見た目への意識が変わったことやインターネットを介した情報収集が可能になったこともあいまって、これからの外科矯正には「かみ合わせだけ」でなく「かみ合わせを含む顔の表情」まで治療することが求められています。顔を見ることなくレントゲン解析だけでおこなったプランニングにはおのずと限界があります。レントゲンには写らない顔全体のバランスをみる必要があるからです。

 

「かみ合わせが合っているから」「単なる見た目の問題だから」という理由で矯正歯科でも手術という選択肢を提案されないことすらあります。実は、健康保険による顎変形症手術には「かみ合わせがあっている場合には手術をしない」というルールがあるからです。本来、かみ合わせだけでなく口元やあごの突出感、あご先の後退感、笑ったときに前歯の歯肉が見えすぎる「gummy smile(ガミースマイル)」など口元や輪郭の見た目で悩まれるのであれば手術による顎骨の治療は選択肢であるべきです。

骨切り術 口もとの変化

骨切り術 横顔の変化

口元の基準 incised show

 

 

監修:顔のクリニック金沢、金沢医科大学形成外科 医師 山下 昌信