健康的な口元について

 

日本ではポートレイト写真に写る際には難しい表情で口を一文字に閉じるのが一般的でした。手で口もとを隠すようにして笑うくせのある方もときどき見かけます。このように人前で歯を見せて笑う文化のなかった日本では、欧米のように「歯の見え方」にこだわり「いかに健康的な口元を演出するか」といった考え方はあまりされてきませんでした。同じ考え方から外科矯正治療でも、「かみ合わせをあわせること」だけを目的として手術が行われてきました。

 

口元の健康と整容性に対する意識の向上もあいまって、現代の外科矯正には「かみ合わせだけ」の治療から「かみ合わせを含む顔の表情」の治療であることが求められています。これまでのレントゲン解析だけに依存したプランニングでは自ずと限界があります。レントゲンには写らない顔全体のバランスをみる必要があるからです。

 

矯正治療では「かみ合わせが合っているから」「単なる見た目の問題だから」という理由で手術による治療を提案されないことがあります。健康保険による顎変形症手術では、「かみ合わせがあっている場合には手術をしない」というルールがあるからです。かみ合わせだけを整えるのであればそれでもいいのかもしれませんが、かみ合わせだけでなく口元やあごの突出感、あご先の後退感、笑ったときに前歯の歯肉が見えすぎる「gummy smile」などで悩んでいる方にとっても手術による顎骨の治療は選択肢であるべきです。