顔のクリニック金沢

COLUMN

コラム

比べて納得、切開ハムラと裏ハムラ

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□自分にあったくま取り施術がわからない

□方法がいろいろあって違いがよくわからない

□クリニックに行く前にある程度自分で知っておきたい

 

今回はくまとり手術のなかでも切開ハムラ(経皮法)と裏ハムラ(経結膜法)の違いに着目し、症例写真を比べながら解説します。

 

 

【比べて納得その①】ダウンタイムの違い

皮膚を切開する切開ハムラ(下眼瞼形成術、経皮法)と皮膚を切らない裏ハムラ(下眼瞼形成術、経結膜法)ではダウンタイムの経過が違ってきます。

皮膚を切開するほうがあとが目立つ期間が長くなります。

 

 

 

症例①50代女性、切開ハムラ(下眼瞼形成術、経皮法)

ダウンタイムの様子(上:術前、中:術後1週間、下:術後1か月)

※1か月目の頬の赤みはしみの治療(トレチノインハイドロキノン療法)によるものです。

●切開ハムラのダウンタイムについて

・腫れや内出血が目立つ期間は1〜2週間程度です。

・腫れを予防するため希望される方には2〜3日目の下にテーピングをおこないます。

・マツゲのきわの皮膚を切開するため傷あとの赤みが数か月から半年みられます。

・傷あとは半年程度でほとんどわからない程度におちつきます。

症例①手術前後の比較(上:術前、下:術後6か月)

 

 

 

 

症例②30代女性、裏ハムラ(下眼瞼形成術、経結膜法)

ダウンタイムの様子(上:術前、中:術後1週間、下:術後1か月)

●裏ハムラのダウンタイム

・腫れや内出血が目立つ期間は3〜10日程度です。

・腫れを予防するため希望される方には2〜3日目の下にテーピングをおこないます。

・すべて裏側の結膜切開からおこなう《内固定法》のため、皮膚に傷はありません。

・脂肪の固定は内固定(裏側の切開からおこなう)ため、直後に皮膚から糸が出ていたりすることもありません。

症例②手術前後の比較(上:術前、下:術後6か月)

 

 

 

《豆知識》裏ハムラと全身麻酔

裏ハムラの最大のポイントは皮膚のひっかかりになっているリガメントを確実にはずす《ティアトラフリリース》をおこなうことです。《ティアトラフリリース》が不十分になってしまうと、くまの影がのこってしまいます。

顔のクリニック金沢ではまぶたの裏の小さな切開から確実に靱帯をリリースするために《高周波メス》をつかったリリース法を採用しています。高周波メスによるリリースは局部麻酔だけではどうしても痛みを感じてしまうことが多いため、全身麻酔での施術をおすすめしています。全身麻酔には痛みによる血圧上昇をおさえて腫れや内出血を少なくするというメリットもあります。

全身麻酔については麻酔科専門医による日帰りで体への負担が少ない《全静脈麻酔(TIVA)》という麻酔法を採用しています。《静脈麻酔》のデメリットであった眠りの深さの個人差をなくすため、脳波を測定しながら麻酔薬を最小限にコントロールしています。これによりいやな夢をみる、途中で目がさめる、呼吸が止まってしまうなどのリスクなく安全・安心に手術をうけることができます。

 

 

 

 

【比べて納得その②】ふくらみの大きさ

ふくらみが大きい「バギーアイタイプ」には切開ハムラをおすすめしています。大きくふくらむことで皮膚が伸ばされてしまい、ふくらみを移動させたあとのたるみ感が目立ってしまうためです。

 

 

症例③50代女性、切開ハムラ(下眼瞼形成術、経皮法)

上:術前、下:術後6か月

ふくらみのやや大きい目袋(バギーアイ)でした。皮膚を切開してのびた皮膚を取り除くことでハリのある目の下になっています。

 

 

症例④30代女性、裏ハムラ(下眼瞼形成術、経結膜法)

上:術前、下:術後6か月

30〜40代でふくらみがそれほど大きくないタイプであれば皮膚を切らない裏ハムラをおすすめします。

 

 

 

 

 

【比べて納得その③】肌のハリと質感

ふくらみが中くらいのタイプで、ダウンタイムを軽くすませるために裏ハムラをトライしてみることは可能です。ただし、手術前より目の下のハリが低下し、小じわが気になる可能性があります。

 

 

症例⑤40代後半女性、裏ハムラ(下眼瞼形成術、経結膜法)

上:術前、下:術後6か月

手術前に比べると目の下の皮膚のハリが低下し、小じわが目立っています。気になる場合はピーリングやレーザーなど肌のハリを改善する追加の治療を受けることが可能です。「小じわは気になるけどあとから追加の治療をできればしたくない」という場合ははじめから切開ハムラのほうがよいかもしれません。担当医とよく相談して決めることをおすすめします。

 

 

症例⑤40代後半女性、裏ハムラ(下眼瞼形成術、経結膜法)

上:術前、下:術後6か月

同じ年代でふくらみが中くらいのタイプであっても、肌の質感がそれほど変化しないことがあります。小じわが術後に目立つかどうかを手術前に正確に予想することは難しいため、どうしても裏ハムラで、という場合には小じわが目立ったときにどうするかも考えて受ける必要があります。

 

 

 

 

 

 

執筆・上記症例の執刀医

山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko

顔のクリニック金沢 院長

経歴:

岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師

専門医資格等:

日本形成外科学会 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師

 

 

※合併症やリスク:薬剤のアレルギー、出血、感染・異物反応、眼瞼変形、結膜炎など

※費用について(自由診療)

下眼瞼形成術 ●料金表をみる

経結膜法(裏ハムラ)の場合は安全で確実な治療をうけていただくために全身麻酔での治療をおすすめしています。全身麻酔の場合は体への負担がすくない麻酔法である《全静脈麻酔(TIVA)》の費用と全身麻酔術前検査(日帰り入院管理料を含む)がかかります。

費用の見積を希望される場合は診察のご予約をおとりください。現在の状態、ご希望を確認したうえで手術方法を決定し、見積をおわたしいたします。

 

 

 

お問い合わせ・ご予約

TEL 076-239-0039

10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.

 

※費用はすべて消費税込みで表示しています。

※厚生労働省のガイドラインに準拠して治療の詳しい内容、費用、合併症等を記載したうえで、術前・術後の写真やイラストを掲載しています。