顔のクリニック金沢

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コラム

保険適用と自由診療の《眼瞼下垂手術》で注目すべき5つのポイント

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まぶたの手術は保険適用だと美しくならないのでしょうか?

 

必ずしもそうとは言えません。「Form follows function(形態は機能に従う)」という言葉があるように「機能を追及すればおのずと形も美しくなる」ため、保険診療でも自然な美しいまぶたになることもあります。

 

ただし、手術前の状態によっては保険適用での手術だけで解消できない問題があるのも事実です。保険適用と自由診療の「眼瞼下垂症手術」の違いや手術を選ぶときに注目すべきポイントについて詳しくみていきましょう。

 

 

 

 

保険適用と自由診療の「眼瞼下垂症手術」

①目的

一般に保険が適用されるかどうかは医学的な必要性にもとづいて決められます。つまり手術の目的は見えにくさを改善させることになります。美容を目的とした手術はできないなど内容に制限があるかわりに費用が健康保険でカバーされるため安価に治療を受けることができます。

一方、自由診療では治療の方法やオプションなどについて自分で選ぶことができるため患者さん自身の希望に応じたオプションの自由度が高いことが保険適用と大きく異なる点です。当然美容を目的とした手術も可能です。

 

②手術の内容

保険適用では担当医の診断により内容が決定され、美容目的での手術ができないという制限があります。自由診療では患者さんの希望に応じて手術内容をアレンジすることが可能で、内容についての制限はないため美容面を重視した治療や開き具合の希望に応じた調整などが可能です。

 

③担当医

保険適用では一般に担当医を指定することはできません。自由診療では担当医を自由に選ぶことが可能です。

 

④費用

費用は保険適用であれば全国一律同じ料金です。負担割合は1割〜3割と年齢や収入によって幅がありますが、日本以外の国と比べると手術の料金が非常に安価に設定されていることもあり、自己負担はそれほど高額にはなりません。

自由診療は施設によって異なる料金になります。

 

 

 

 

 

《眼瞼下垂手術》で注目すべき5つのポイント

1.まぶたがどれくらい下がっているか?

2.ふたえの幅、形について

3.まぶたのたるみ

4.黒目の見え方

5.イメージ通りの形にならなかった場合

 

 

 

 

1.まぶたがどれくらい下がっているか?

保険適用となる条件は「みえにくさにより日常生活に支障があること」「まぶたが下がって視野が狭くなっていること」です。

このため中等度・重度の眼瞼下垂が保険適用の対象となります。視野に影響のない軽度の眼瞼下垂は保険適用となりません。

軽度の眼瞼下垂であっても重い感じを解消したい、目つきを改善したいなどの理由で自由診療での治療を受けることも可能です。

セルフチェックは鏡をみたときや写真などで黒目の中央にある瞳孔がかくれていないかを確認することで可能です。瞳孔が隠れていれば保険適用での治療が受けられる可能性があります。

 

 

 

2.ふたえの幅、形について

保険適用では患者さんの希望に応じてふたえの幅や形を調整することはないため、多くの外科医は見た目が大きく変わりすぎないようにすることが多いのではないかと思います。ただし、もともと一重まぶたの場合は手術をすることで二重の線が入ることを避けられません。通常は幅の狭い奥二重にすることで見た目が変わりすぎないように配慮されます。

一重まぶたを希望の幅や形の二重まぶたにしたい、二重の幅が前より狭くなったので戻したい、三重になっているのをきれいにしたい、などの理由で二重の形や幅を整る場合は自由診療となります。自由診療では「希望に応じた」二重の幅、形のデザインを選ぶことが可能です。ご自身のまぶたや画像によるシミュレーションで希望されるイメージを確認したうえで、手術をプランニングします。

 

 

 

 

 

3.まぶたのたるみ

保険適用の手術は目の開きを改善して視野を広げる手術であるため、視野に入るほどの重度のたるみでなければたるみとりは治療の対象になりません。また、重度のたるみであっても美容的な改善を目的としているわけではないため、ご希望に沿って形をととのえるものではありません。眼瞼下垂の手術と同時にまぶたのたるみとりをしたい場合は自由診療になります。

保険適用でもカウンセリングや整容性を重視している施設では美容的な効果も得られることをほのめかす体験談や記事などを見かけることがありますが、本来の健康保険による治療の目的に沿わないばかりでなく、実際には安易で不適切なデザインのたるみ取りにより、不自然な見た目、左右差、つっぱり感などで悩まれる方からの相談が増えています。

【症例】上眼瞼形成術(見開きの改善+ふたえ形成)〈case.041〉

【症例】上眼瞼形成術(二重全切開の他院修正)・目頭切開〈case.028〉

【症例】上眼瞼形成術(たるみとり+ふたえ形成+眼瞼下垂)〈case.014〉

 

 

4.黒目の見え方

保険適用では視野が十分確保できることをゴールにします。どれくらい黒目が見えるようになるかはもともとのまぶたの筋力や術式によるため、基本的には担当医にお任せすることになります。

「眼瞼下垂症手術」といっても実はさまざまな術式があります。「タッキング法」は短時間で終了しますがあとからゆるみやすいというデメリットがあります。「挙筋前転法」はまぶたを開く力は強いものの筋肉の一部を切除するため再手術が難しいなどの欠点もあります。「挙筋腱膜前転法」は目を開く筋肉の力が伝わりやすくする術式で、既存の構造を温存しつつゆるみにくいというメリットがあります。将来的に下がってきたときも再手術がしやすいことから最近では広く行われるようになっています。

自由診療では黒目がどれくらい見えるようにしたいかを希望に応じて調整することが可能です。手術中に体を起こした状態で写真撮影をおこない、自分で鏡を見ていただくこともできますので、希望の黒目の見え方になるまで時間をかけて丁寧に調整することも可能です。

 

 

 

 

5.イメージ通りの形にならなかった場合

保険適用では「手術を受けても目が開かなかった」という場合のみ保険適用での修正手術が受けられます。左右差や二重の形、たるみが気になるなどを理由に保険適用での修正を受けることはできません。美容的な理由での修正を希望される場合は自由診療となります。

自由診療では二重の幅、形、たるみの残存、黒目の見え方、左右差などあらゆる修正が可能です。保険適用での手術後に気になる点を修正したいと希望される方もおられます。

 

 

 

まとめ

・保険適用と自由診療の《眼瞼下垂手術》で注目すべき5つのポイントについて説明しました。

・中等度以上の眼瞼下垂があってまぶたの形や二重の幅、黒目の見え方などについての希望がなければ保険適用での手術が適しています。

・二重の幅やたるみ、黒目の見え方など見た目について気になる点がひとつでもあるようなら自由診療での治療を検討されるようおすすめします。

 

 

 

 

 

顔のクリニック金沢の《眼瞼下垂手術》

顔のクリニック金沢では経験豊富な《形成外科専門医》《美容外科専門医(JSAPS)》顕微鏡をつかって精密な手術をおこなう《マイクロサージャリー》の技術を駆使して手術をおこなっています

手術には高周波メスを使うことで出血は最小限にすることができます。これにより腫れや内出血がでにくく、ダウンタイムも最小限となります

当院は保険適用での治療にも対応しています。希望される場合は予約の際にお申し出ください。また、保険適用の手術で思った結果が得られなかった患者様もぜひご相談ください。

 

【症例】上眼瞼形成術(見開きの改善+ふたえ形成)〈case.041〉

 

【症例】上眼瞼形成術(二重全切開の他院修正)・目頭切開〈case.028〉

 

【症例】上眼瞼形成術(たるみとり+ふたえ形成+眼瞼下垂)〈case.014〉

 

 

費用について

保険適用では全国一律で眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法、15万円程度)の費用が算定されるため、日帰り手術であれば5万円程度(3割負担)の自己負担となります。

 

自由診療では施設によって費用が異なります。当院でたるみとりやふたえ形成を併用した挙筋腱膜前転法による眼瞼下垂症手術として「上眼瞼形成術」をおこなっています。手術費用については料金表をご参照ください。

 

※合併症やリスク:薬剤のアレルギー、出血、感染・異物反応など

※費用について(自由診療)

●上眼瞼形成術 料金表を見る

注意:手術費用の他に局所麻酔検査費用(11000円)がかかります。局所麻酔、極細麻酔針(34G)、特殊糸(透明)を含む縫合糸、内服(腫れ予防2種類、痛み止め、化膿止め)、術後ケアセット(ガーゼ、目元用濡れコットン、冷却ジェル)、抜糸、術後半年までの再診料はすべて手術費用に含まれています。

 

お問い合わせ・ご予約

TEL 076-239-0039

10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.

 

※厚生労働省のガイドラインに準拠して治療の詳しい内容、費用、合併症等を記載したうえで、術前・術後の写真やイラストを掲載しています。

 

 

 

 

執筆

山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko, MD

顔のクリニック金沢 院長

経歴:岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師

形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師