ナノファット治療とは?
最新研究からわかったこと
ナノファット治療とは?最新研究からわかったこと

「ナノファット治療」は自分の脂肪を非常に細かく加工し、肌の再生を目的として注入する治療法です。2013年に目の下のくまへの治療効果が報告されてから多くの研究がおこなわれ、効果が注目されていました。今回は形成外科の国際医学雑誌である「Prastic and Reconstructive Surgery」の最新研究報告からこれまでにどんなことがわかっているかをまとめてみました。
この研究で調べたられたことは?

世界中の医学論文を集めて、
「ナノファットを使った治療が本当に効果的で安全なのか」
を総合的に検証した研究です。
「ナノファット」についてこれまでの研究でわかっていること
①肌の若返り効果が期待できる
・小じわ、ちりめんじわ
・くすみ(色素沈着)
・色むら
・肌のハリや質感
②傷あとがきれいになる
手術後の傷あとや瘢痕(はんこん)が
・やわらかくなる
・色や凹凸が改善する
③ 肌の構造が変化する
顕微鏡での検査では、
・肌が厚くなる
・コラーゲンが増える
※コメント: 見た目だけでなく、肌そのものが若返る変化が確認されています。
④安全性について
・重い副作用や重大な合併症は報告されていません
・自分の脂肪を使うため、アレルギーの心配も少ない治療です
「ナノファット」はどうやって作られるか?

ナノファットは、腹部などから採取した脂肪を専用の器具で細かくしたあと、脂肪以外の線維成分などをフィルターなどでろ過することで作られます。
研究によって作り方に多少の違いはありますが、多くはこの方法をはじめて報告したベルギーの形成外科医Patrick Tonnard先生の名前にちなんでTonnard法とよばれている標準的な方法が採用されています。
その他にもいくつかの作成方法がありますが、どの方法でも良い結果が得られているようです。
※コメント:どの方法がより優れているか?という点に関してはまだ研究が進んでおらず、今後の研究結果報告が待たれます。
治療回数について
1回で十分な改善が得られる人もいるが、効果が乏しい場合、2〜3回の治療で改善したケースもありました。
安全性・副作用について
よくある反応は
・注入部の赤み(発赤、一時的、治療なしで自然に消失)
重い副作用は?
・感染、しこり(オイルシスト)、異物反応 などは認められておらず、重篤な合併症は報告されていません。
※コメント:これらの結果から、ナノファット治療は比較的安全性の高い治療と考えられます。
「下まぶたのくすみ治療」の研究結果について

この論文に引用されていた
ナノファットによる「下まぶたのくすみ治療」
の研究結果についてもう少しくわしくみてみましょう。
どんな人を対象にした研究か?
・20〜40歳の女性22名
・下まぶたの**色素沈着(くすみ・黒ずみ)**を主な悩みとして受診
・過去に治療歴はなし
治療方法について
・自分の脂肪から作ったナノファットを下まぶたの皮膚の浅い層(皮内)に注入
・片側約1cc注入
・非常に細い針(27G)で、扇状に細かく注入
治療直後の反応
・一時的な赤みや黄色っぽい色調の変化
→時間とともに自然に改善し、約5週間で徐々に肌の色が明るくなった。
治療効果(約6か月後)
医師による評価
良好:50%
やや改善:36.4%
改善が乏しい:13.6%
患者さんの満足度
満足:59.1%
ある程度満足:31.8%
不満足:9.1%
➡ 約9割の患者さんで「改善を実感」したという結果でした。
安全性・副作用
重い合併症はなし
2名(9.1%)で内出血が長引いたのみ
そのほかの患者さんは問題なく経過
まとめ
✔ 下まぶたのくすみ・色素沈着が気になる
✔ 切らずに自然に改善したい
✔ 若々しい目元を目指したい
ナノファット注入は、下まぶたのくすみ改善と肌の若返りに効果があり、比較的安全な治療と考えられます。
顔のクリニック金沢で受ける「ナノファット治療」

当院でも目の下のくまへの「ナノファット治療」を開始しました。
新しい治療の導入にあたっては医学論文で安全性や効果についての研究結果がわかっており、10年程度の経過で問題がないと判断した治療のみを採用しています。
あらたに導入した「ナノファット治療」によって以前は治療が難しかった目の下の「青くま」や「黒ずみ」に対して、皮膚の厚みや質感を改善することで色味を目立たなくすることが可能になりました。
これまでに「眼窩脂肪切除」「脱脂」「下眼瞼形成術」「ハムラ法」など各種くま取り治療で改善することが難しかった「目の下の青み」や「目の下の黒ずみ」を改善できる新たな治療の選択肢です。
お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.

【執筆および担当医について】
本コラムを執筆した形成外科医は十分な経験と知識を有するエキスパートにのみ与えられる日本専門医機構および各学会の専門医です。
《外科医》 山下明子
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
米国形成外科学会 国際会員
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師