顔のクリニック金沢

COLUMN

コラム

目の下のくま手術と涙袋の変化

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Q:目の下のクマ取り手術を受けると、涙袋がなくなってしまうことはありませんか?

 

 

A:涙袋のかたちは多少変化しますが完全になくなることはありません。

むしろ目袋(バギーアイ)といわれる目の下のふくらみに埋もれてかくれていた涙袋の輪郭がくっきりとするようになることもあります。実際の症例写真をみてみましょう。

 

 

【症例1】30代女性、下眼瞼形成術(経結膜法、通称:裏ハムラ)

上:手術前

もともとわずかに涙袋が確認できますが、半分以上目袋(バギーアイ)の脂肪に埋もれてあまり目立たない状態でした。

下:手術後6か月

くっきりとした涙袋によって目もとが若々しくなりました。

 

 

 

 

 

 

【症例2】40代女性、下眼瞼形成術(経結膜法、通称:裏ハムラ)

上:手術前

すこし幅のひろい涙袋が確認できますが、症例1と同じようにほとんど目袋の脂肪にうもれて目立たない状態でした。

下:手術後6か月

すこし幅の広いゆるやかな形の涙袋になりました。

 

 

 

 

【症例3】50代女性、下眼瞼形成術(経結膜法、通称:裏ハムラ)+脂肪注入

大きな目袋(バギーアイ)があり、頬のふくらみのボリュームも失われた状態だったため、頬のボリュームをおぎなうために脂肪注入を併用しました。

上:手術前

涙袋はごくわずかなふくらみとして認めます。

下:手術後6か月

手術後もおなじように涙袋はわずかなふくらみとして残っています。

 

 

 

 

 

 

【症例4】60代女性、下眼瞼形成術(経皮法、通称:切開ハムラ)

上:手術前

下:手術後6か月

手術前は目袋のふくらみが大きいためもあり、ほとんど涙袋はないように見えます。

手術後は小さな涙袋ができています。皮膚を切開する《経皮法=切開ハムラ》でも涙袋の形が変化することがあります。

 

 

 

【まとめ】

《経結膜法=裏ハムラ》では埋もれていた涙袋が手術後にはくっきりと目立つようになります。もともと涙袋があるようならさらにくっきりと、小さな涙袋であれば少し輪郭が見える程度になりますが、手術前から涙袋がほとんどない場合にはあまり大きな変化はありません。

《経皮法=切開ハムラ》では眼輪筋を重ね合わせることでもともとより少し涙袋を強調することができる場合もあります

いずれにしても涙袋がなくなってしまうことはかなりまれです。

 

 

【Q&A】

Q:コンタクトレンズはいつからつけられますか?

A:基本的には術後1か月あけて使っていただいています。どうしても早くコンタクトを使いたい場合にはご相談ください。結膜側の抜糸をすることで少しはやくコンタクトを使っていただくことができます。

 

Q:テーピングはいつまでですか?

A:帰宅前に目の下に肌色の目立たないテープをはります。期間は2,3日を目安に自然に浮いてはがれてきたら終了です。一旦はがれたあとはご自身で貼る必要はありません。

 

Q:脂肪注入はあとからでもできますか?

A:脂肪注入を同時にうけるか迷っているのであればまずは裏ハムラだけ受けられて変化をみていただき、必要ならあとから脂肪注入をすることが可能です。2回に分けることのデメリットは、手術が2回になるためそれぞれにダウンタイムの期間があることと、麻酔や検査の費用が2回分必要になることです。

 

Q:脂肪注入は定着しなかったりしこりになるリスクがあると聞きましたが大丈夫ですか?

A:脂肪の採取、加工、注入の方法によっては定着率が低くなったりしこりになることもありえます。また、ハの字のミゾ部分のみに脂肪を注入するとその部分が笑ったときにポコッとふくれて見えてしまうことがあり、そうなると修正が難しいため注入する範囲にも配慮が必要です。いずれにしても経験豊富な執刀医を選ばれることをおすすめします。

《形成外科専門医資格》は基本的な手術手技をマスターしているというひとつの目安になります。

《JSAPS美容外科専門医》は美容外科手術を一定の症例数行った経験の目安になります。ご参考になれば幸いです。

 

Q:裏ハムラのときでも脂肪はとりますか?

A:脂肪はできるだけ温存します。ただし、ぽっこり感が残るようなときは必要最小限に切除します。前後の長さが短いアジア人の骨格では多少は切除しないと目の下のふくらみが残りやすいといわれています。

 

Q:裏ハムラまでしなくても脱脂だけで十分ではないのでしょうか?

A:脱脂だけでもふくらみは改善しますが、ハの字のシワ(tear trough)が残ります。日によってふくれて見えたり、ハの字のくまが出たり、ということもありえます。また、肌の弾力が低下している中年期以降は脱脂しすぎると目の下がくぼんでやつれて見えてしまうこともあるため取り過ぎには注意が必要です。治療のゴールをどこにもっていくかによって方針は変わってきますので、主治医とよくご相談ください。

 

Q:裏ハムラで移動させた脂肪はどこに縫い付けますか?

A:内側は《上唇鼻翼挙筋》という筋肉の端に縫い付けます。内側のミゾが残るととくに目立つため、しっかりと脂肪を移動させて確実に固定する必要があります。それ以外の部分は目の下の骨膜や脂肪組織に縫い付けます。当院では基本的に皮膚側に糸を出さずに内部での縫合のみを行っているため、手術直後に頬から糸が出ている状態になることはありません。

 

Q:裏ハムラのあと目の下をさわるとしこりのようなものがあり心配です。

A:脂肪を縫い付けたところがしこりのようにふれることがあります。見た目がデコボコしていなければ様子をみてください。ふつうは数ヶ月から半年でしこりを触れなくなります。見た目にもデコボコしてみえるようであれば主治医にご相談ください。

 

Q:裏ハムラの適応年齢は決まっていますか?

A:年齢によって適応を決めることはありません。肌の状態や骨格、希望される治療のゴールによって適応が決まります。

 

Q:リガメントを処理する本格的な裏ハムラとそうでない裏ハムラの違いは何ですか?

A:たとえば(裏側からの脱脂)+(脱脂した脂肪の移植)などの術式を便宜上《裏ハムラ》と称している場合もあります。本格的なハムラ法ともっともちがう点は手術に要する時間です。リガメントをリリースして脂肪を移動させるためには、なれている術者でも1時間以上はかかります。また、局所麻酔であれば目頭側のリガメントを切り離すときに痛み止めが効きづらいところがあるため少なからず痛みを感じます(図の赤い部分、眼輪筋という筋肉があるため痛みを感じやすい)。痛みなく手術を受けていただけるよう、当院では全身麻酔で治療をおこなっています。

 

 

 

関連コラム:もっとも良い「目の下のくまをとる方法」

 

 

 

 

■手術についての詳しい説明

この治療は、下眼瞼(下まぶた)の形態を整えるための手術です。

方法
1.局所麻酔、もしくは全身麻酔で治療を行います。
2.下眼瞼(まぶた)のまつげの生え際または結膜を切開します。
3.眼窩隔膜を切開して、脂肪のふくらみが大きい場合は適量の脂肪を切除します。目の下のくぼみの部分にある靱帯(薄い膜状の組織)を切り離し、その部分に眼窩脂肪を移動させ吸収糸(溶ける糸)で固定します。
4.皮膚のたるみがあれば適量切除します。
5.下まぶたの形態を確認して、切開した部分を細い糸で縫合します。

一般的な経過
・術後5〜7日目に抜糸します。経皮法では下まぶたのまつげの生え際に傷あとが残ります。術後しばらくは傷あとの赤みが目立つことがありますが、6ヶ月ほどで目立たなくなります。経結膜法では皮膚に残る傷あとはありません。
・腫れの程度は個人差がありますが、通常腫れのピークは術後2、3日目です。腫れが完全に落ち着くのは 2〜3ヶ月かかることがあります。ぶつけたときのようなあざ(内出血)が出た場合、通常は2週間程度で目立たなくなります。
・当日から洗顔や短時間のシャワー等は可能です。ただし、洗顔などの際に強くこすったり、押さえたりしないようにして下さい。
・当日は飲酒や、運動、長時間の入浴は避けて下さい。
・お化粧は抜糸の翌日まで避けて下さい。どうしても必要な場合は、手術部位を避けて下さい。また、コンタクトレンズの使用は4週間避けて下さい。
・目の下の色調(青、赤紫など)についてはこの手術ではほとんど変化がありません。

 

■合併症、副作用について
・薬剤のアレルギー
術中術後使用薬などによる各種アレルギー反応(稀にアナフィラキシー反応などの重篤なアレルギー反応)。
・出血
出血は通常当日から翌日にかけて、にじむ程度の出血があります。
・感染
手術部位に感染を生じる場合があります。感染予防のために抗生剤を処方します。術後はまぶたを清潔に保ち、汚れた手で触れないよう注意してください。
・結膜浮腫、結膜下出血、結膜充血、角結膜炎
まぶたの形の変化や縫合糸の刺激により術後にこれらの症状が生じることがあります。いずれもほとんどの場合1~2週間ほどで自然に改善しますが、もともと下まぶたのゆるみがあると2~3カ月かかることがあります。症状が持続する場合、眼科への受診を指示することがあります。
・眼瞼変形
眼瞼外反や眼瞼内反をきたすことがあります。多くは一時的な変化ですがまれに軽度の変形が残存することがあります。下眼瞼や頬に一時的な凹凸を生じる可能性があります。通常は時間の経過とともに改善します。
・その他
(経皮法のみ)目のまわりの筋肉の動きが一時的に弱まることで目が閉じにくい、目が乾く、顔を洗うときに目に洗顔料が入ってしみる、などの症状を自覚する場合があります。通常6ヶ月程度で改善しますが、目の乾きや目の炎症などの症状が強い場合には点眼や軟膏治療が必要な場合があります。

 

■費用について(自由診療、税込)

◎下眼瞼形成術(経皮法・経結膜法) 605,000円 (モニター割引:514,250円)

※モニター割引を適用した場合は術後1週間、1か月、3か月、6か月の受診と写真撮影が必須です。モニター画像は眉上から鼻先までの範囲を使用する部分モニターです。

※上記は2025年2月時点での料金です。料金改定により料金が変更となる場合があります。最新の料金については料金表をご参照ください。 料金表を見る

 

■麻酔について
本手術は、全身麻酔・局所麻酔のいずれでも対応可能です。
選択する麻酔方法によって、費用が異なります。

◎ 全身麻酔の場合
・上記手術費用に加えて記載の全身麻酔費用がかかります

全身麻酔(全静脈麻酔・TIVA、2時間未満の手術に適用)143,000円

・全身麻酔のための術前検査費用が別途必要です

全身麻酔術前検査(採血、日帰り入院管理料含む) 33,000円

◎局所麻酔の場合
・局所麻酔のための術前検査費用(血液検査)がかかります

局所麻酔の術前検査費用 11,000円

※どの麻酔方法が適しているかは、手術内容やご希望をふまえて医師がご説明しますので診察の際にご相談ください

 

 

 

執筆・上記症例執刀医

山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko

顔のクリニック金沢 院長

経歴:岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師

専門医資格等:

日本形成外科学会 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師

 

2025.10.17追記

目の下の色味(眼輪筋が透けて見える青〜赤紫の色調)について「ナノファット注入」による治療が可能になりました。以前裏ハムラを受けられた方にも追加治療としてご案内が可能です。詳しくはお電話でご予約のうえご相談ください。