顔のクリニック金沢

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目の下のくまやふくらみの原因と治療

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目の下のくま、ふくらみ、たるみは別名《バギーアイ(baggy eyelid)》や《目袋》とよばれ、やつれた感じ、疲れて見えるなどの理由で相談に来られることの多い目元の悩みです。

バギーアイの原因と治療、自分に合った治療の選び方について解説します。

 

 

目次

・バギーアイの原因

・バギーアイの治療

・切らない治療

・手術による治療

・自分にあった治療法の選び方

 

 

 

 

 

・バギーアイの原因

原因の1つ目は、うまれつきふくらみが目立ちやすい顔立ちであること。アジア人はもともと骨格が前方に張り出していないため、目の下のふくらみがでやすいといわれています。それに加えて眼球のまわりにあってクッションになっている《眼窩脂肪》がうまれつき多いとふくらみが目立ちやすくなります。《眼窩脂肪》は太ったりやせたりしても大きく変化しにくく、若いうちからふくらみが目立つ場合はこの脂肪が原因と考えられます。

 

2つ目は年齢による変化です。年齢とともに《眼窩脂肪》をささえている靱帯などがゆるんでくることことや、頬の脂肪がたるんで下がることによりふくらみが目立つタイプです。お肌のたるみが加わるとふくらみをさらに目立たせてしまう原因に。

原因によって対処法はちがってくるので、まずは自分がどのタイプかを見きわめることが自分に合った治療につながります。

 

 

ふくらみの下には涙のながれる溝という意味の《tear trough(ティアトラフ) 》といわれるくぼみがあります。ふくらみをこのくぼみが縁取ることでさらにくまが目立つ原因となっています。

あまり多くはありませんが、ふくらみがほとんどなく、《tear trough(ティアトラフ)》だけが目立つことがあります。《tear trough deformity(ティアトラフ変形)》とよばれるタイプのくまです。ではこの溝部分には何があるのでしょうか。

 

 

この溝部分には《ティアトラフ靱帯》という硬いスジ状の組織があります。この靱帯が皮膚を骨に固定しているため、生まれつきふくらみが大きかったり、年齢によりふくらみが大きくなったり、もともと食い込むような形になっていると目の下のくまが目立つということになります。

【関連コラム】目の下のくまセルフチェック

 

 

・バギーアイの治療

バギーアイを改善させるクマ取り治療には大きく分けて2つの選択肢があります。

 

●切らない施術

①ヒアルロン酸注入

②レーザー

③ピーリング

④HIFU

 

●手術による治療

①ふくらみ部分の脂肪をとりのぞく《脱脂》

②脂肪を移動させてフラットにならす《ハムラ法》

③皮膚を切らずに脂肪を移動させる《裏ハムラ》

④【オプション】たりないボリュームをおぎなう《脂肪注入》

 

顔のクリニック金沢は目の下のくま・ふくらみを専門医が診断し、切らない施術から手術まですべての治療が受けられる日本でも数少ない顔専門の美容外科クリニックです。

 

 

 

 

・切らないクマ取り施術

①ヒアルロン酸注入

くぼみの周囲にジェル状のヒアルロン酸を注入してくまを目立たなくします。多少ふくらみやくまがのこる程度にとどめ、やりすぎないのが自然にみえるための最大のポイントです。

 

 

ヒアルロン酸は通常1本あたり1mlの製剤が多いため、目の下だけでは余りがでてしまうことも。ご希望に応じて残ったヒアルロン酸を使える唇や目の上などの治療もご提案しています。

【関連コラム】目の下のくま、ふくらみー切らない治療

 

 

②レーザー

リフトアップレーザーやフラクショナルレーザーなど、お肌のハリをとりもどす施術です。1回では効果が出にくいためくり返し受ける必要があります。また、くり返しうけたとしても効果はヒアルロン酸や手術にはおよびません。注射や手術はしたくないという場合の選択肢になります。他の治療をくみあわせて気長に受けることで少しずつ改善が期待できます。

 

③ピーリング

お肌に刺激をあたえてハリをとりもどす施術です。レーザーと同じように1回では効果が出にくく、またくり返したとしてもヒアルロン酸や手術にはおよびませんが、お肌のハリを回復する《PRX-T33》は美白効果のある《コウジ酸》も配合されお顔全体のハリ・小じわケアに効果的です。

 

④HIFU

超音波をつかった施術です。お肌の深部に熱を加えることでハリをとりもどします。お肌の表面に効果的なレーザー・ピーリングと組み合わせることで相乗効果が期待できます。

 

 

・手術によるクマ取り治療

手術治療には大きく分けると3つの方法と1つのオプションがあります。

①ふくらみ部分の脂肪をとりのぞく《脱脂》

②脂肪を移動させてフラットにならす《ハムラ法》

③皮膚を切らずに脂肪を移動させる《裏ハムラ》

④【オプション】たりないボリュームをおぎなう《脂肪注入》

 

【関連コラム】目の下のくま、ふくらみー手術

 

 

①《脱脂(眼窩脂肪切除術)》

目のまわりのクッションになっている《眼窩脂肪》を適量とることでふくらみを減らします。ほどよく減量することが非常に難しく、ハの字の影《ティアトラフ》は残るため、《ティアトラフ》がなくふくらみだけの場合におすすめしています。

10〜20代で、肌にハリがあって、ハの字の影がなく目の下のふくらみのみの場合におすすめする方法です。

《ティアトラフ》が目立つタイプではヒアルロン酸注入単独もしくは脱脂との併用も可能です。ただし脂肪を取り過ぎると目の下がへこんでやつれて見えるようになってしまうリスクがあるため、ひかえめな切除をおすすめしています。

手術中に体をおこしてふくらみの形を確認しつつ切除量を決めていくことで切除不足、取り過ぎを予防できます。

 

 

 

②《ハムラ法(下眼瞼形成術、経皮法)》

目のまわりにある《眼窩脂肪》をくぼみの部分に移動させて目の下を平らに整える方法で《切開ハムラ》ともよばれます。

 

ハの字の影《tear trough(ティアトラフ)》のところにある靱帯《ティアトラフリガメント》をはずすことで影が出なくなり、目の下をフラットにととのえることが可能となります。

 

 

 

皮膚があまってたるんでいるようであれば、皮膚を切開する《下眼瞼形成術(経皮法)》をおすすめします。手術のあとしばらくは目の下の傷あとが赤くみえますが半年もすると目立たなくなります。

 

 

 

③《裏ハムラ(下眼瞼形成術、経結膜法)》

お肌にハリがあって、皮膚そのもののたるみがあまりないようなら、皮膚を切らずにまぶたの裏側からおこなう《裏ハムラ》をおすすめします。

 

まぶたの裏側の《結膜》を切開して脂肪を移動させる手術です。皮膚に傷ができないためダウンタイムが短く回復が早いのがメリットです。

移動させた脂肪をとめる糸は頬の皮膚表面に固定されることが多いのですが《顔のクリニック金沢》では《特注の縫合糸》や《マイクロサージャリー用の特殊な機器》を使用して術後に糸が肌の表面には出ないよう内部で縫合することで極力ダウンタイムを短縮しています。

 

【関連コラム】【症例】目の下のくま取り(裏ハムラ)とダウンタイムについて

 

 

 

 

④【オプション】《脂肪注入(脂肪移植術)》

目のまわりにボリュームを足すことでくまの影を目立たなくする方法です。ポイントはハの字の影部分だけでなく頬のふくらみにも十分に注入することです。ハの字の部分だけに注入すると笑ったときなどにポコッと浮き出て見える原因になり、修正が非常に難しくなるためです。

脂肪注入はもともと頬のまるみがほとんどないタイプや、頬の《ゴルゴ線》が目立つタイプのくまには併用をおすすめしています。目の下から頬の形をさらに美しく整えるための《脱脂》《ハムラ法》《裏ハムラ》のオプションです。

※目の下のくまと同時にひたい、こめかみ、頬のこけ、ほうれい線、マリオネットラインなどへの脂肪注入も可能です。

 

 

 

自分に合った治療法の選び方

自分にあった治療法を選ぶときにポイントになることは2つです。

・信頼できる担当医を選ぶこと(形成外科専門医、JSAPS美容外科専門医など)

・自分のなかでゆずれない条件を決めておくこと(方法、費用、切りたくないなど)

まずは担当医としっかり相談して納得して治療をお受けください。迷っている場合は一旦持ち帰ってよく検討したうえで治療を選ばれることをおすすめします。

 

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お問い合わせ・ご予約

TEL 076-239-0039 (クリニック予約)
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m. 木曜日、日曜日を除く

 

 

執筆

山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko

顔のクリニック金沢 院長

経歴:

岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師

形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師