目の下のくまやふくらみ
目の下のくま、ふくらみ、たるみは、《バギーアイ(baggy eyelid)》ともいわれる現象です。目元の若々しさの象徴である《涙袋》に対して、やつれた感じ、つかれた印象を与えることがあり、女性だけでなく男性にも多い目元の悩みです。
気になる目の下のくま、たるみの原因と治療について説明します。
・バギーアイの原因
・バギーアイの治療
・切らない治療
・手術治療
・自分にあった治療法の選び方
バギーアイの原因
《バギーアイ》の原因は、目のまわりにある《眼窩脂肪(がんかしぼう)》がぷっくりとせり出してくることです。
目のまわりの脂肪をささえているさまざまな構造がゆるんでくるため脂肪が出てくると考えられています。
ふくらみの下にはハの字の《tear trough=涙のミゾ 》といわれるくぼみがあります。ふくらみとミゾのセットでさらにくまが目立つ原因となっています。
バギーアイの治療
バギーアイの治療には大きく分けて2つの選択肢があります。
①切らない治療
②手術治療
それぞれについて詳しく説明します。
切らない治療
もっとも手軽に受けられる切らない治療は《ヒアルロン酸》注入です。
くぼみの周囲にジェル状のヒアルロン酸を注入してくまを目立たなくします。多少ふくらみやくまがわかる程度にとどめておくのが自然にみえるポイントです。
ヒアルロン酸は通常1本あたり1mlの製剤が多いため、目の下だけでは余りがでてしまうことも。ご希望に応じて残ったヒアルロン酸を使える唇や目の上などの治療もご提案しています。
手術治療
手術治療には大きく分けると3つの方法と1つのオプションがあります。
①ふくらみ部分の脂肪をとりのぞく《脱脂》
②脂肪を移動させてフラットにならす《ハムラ法》
③皮膚を切らずに脂肪を移動させる《裏ハムラ》
④【オプション】たりないボリュームをおぎなう《脂肪注入》
①《脱脂》=《眼窩脂肪切除術》
目のまわりの脂肪を取り除くことでふくらみを減量します。ほどよく減量することが非常に難しく、ハの字の影は残るため、脂肪注入やヒアルロン酸注入の併用をすすめられることも多いかと思います。通常は骨格と目のまわりの脂肪量のバランスや肌の状態、年齢などから適応を判断します。10〜20代で、肌にハリがあって、ハの字の影がなく目の下のふくらみのみの方が良い適応です。
②《ハムラ法》=《下眼瞼形成術(経皮法)》=《眼窩脂肪移術》
目のまわりにある《眼窩脂肪》をくぼみの部分に移動させて目の下を平らに整えます。
ハの字の影《tear trough》のところにある靱帯《リガメント》を外すことで影が出なくなり、目の下をフラットにととのえることが可能となります。
皮膚がつまみ上げれるくらいあまっているようであれば、皮膚を切開する《ハムラ法》をチョイスします。手術のあとしばらくは目の下の傷あとが赤くみえますが半年もすると目立たなくなります。
③《裏ハムラ》=《下眼瞼形成術(経結膜法)》=《眼窩脂肪移術》
お肌にハリがあって、皮膚そのもののたるみがあまりないようなら、皮膚を切らずにまぶたの裏側からおこなう《裏ハムラ》が良い適応です。
④《脂肪注入》=《脂肪移植術》
目のまわりにボリュームを足すことでくまの影を目立たなくする方法です。ポイントはハの字の影部分だけに注入しないことです。ハの字の部分だけに注入すると笑ったときにポコッと浮き出て見える原因になり、修正は非常に難しくなります。もともと頬の丸みがなく、くまの下がやせている方が良い適応です。このような方では頬の丸みから目の下にかけてのボリュームを補正することでくまを目立たなくすることができる場合もありますが、脂肪注入だけをおこなうというよりも形を美しく整えるために①〜③の手術のオプションとして選択される術式です。
自分に合った治療法の選び方
自分にあった治療法を選ぶときにポイントになることは2つです。
・信頼できる担当医を選ぶこと(形成外科専門医、JSAPS専門医など)
・自分のなかでゆずれない条件を決めておくこと(方法、費用など)
まずは担当医としっかり相談して納得して治療をお受けください。迷っている場合は一旦持ち帰ってよく検討したうえで治療を選ばれることをおすすめします。
参考:
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・【症例】目の下のくま取り(裏ハムラ)とダウンタイムについて
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