顔のクリニック金沢

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目の下のくま、ふくらみ – 手術

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目のまわりにある《眼窩脂肪》がせり出すことで目立ってくる目の下の《くま》《ふくらみ》《たるみ》を解消するために3つの方法1つのオプションがあります。

今回は手術による目の下のくま取り、たるみの治療についてくわしく説明します。

 

 

 

 


◆目の下のくま取り、たるみの手術

①目のまわりの脂肪を切除する《眼窩脂肪切除/脱脂

②まぶたの表側から目のまわりの脂肪を移動させる《ハムラ法(切開ハムラ)》

③皮膚を切らずにまぶたの裏側から脂肪を移動させる《経結膜法(裏ハムラ)》

脂肪注入【オプション】

※オプションの脂肪注入はどの手術にも組み合わせることが可能です。

 


①目のまわりの脂肪をとりのぞく《眼窩脂肪切除/脱脂

ふくらみの原因となっている目のまわりにある《眼窩脂肪》をシンプルに切除するだけの方法。

〈この治療について〉

皮膚を切らずに下まぶたの結膜側から脂肪をとりのぞく《経結膜法》であるため肌に傷がつかず腫れもめだちにくいです。ダウンタイムも短く回復の早さがメリットです。皮膚のハリが不十分だと目の下がくぼんで不自然になってしまうため30代以上の方では脂肪のとりすぎに注意が必要です。

くまの下のミゾ状のくぼみである《tear trough》が残っているため、顔のむくみ具合などによってふくらんで見えたりへこんで見えたりと、くまが少し残っているように感じることがあります。ちょうどよく切除することが難しいのが欠点で、くぼんでしまうのが心配な場合はひかえめにすることをおすすめしています。

〈向いているタイプ〉

10〜20代のころから目の下がふくれていた方、目の下の皮膚にハリがある方。20代〜30代前半が目安。

〈麻酔について〉

局所麻酔、全身麻酔どちらでも可能ですが、通常は局所麻酔で問題なく受けていただくことが可能です。

〈合併症やリスク〉

薬剤のアレルギー:術中術後使用薬などによる各種アレルギー反応(稀にアナフィラキシー反応などの重篤なアレルギー反応)。

出血:通常手術当日から翌日にかけてにじむ程度の出血がみられます。皮下出血(あざ)が出る場合があります。

感染・異物反応:手術部位に感染を生じる場合があります。術後は創部を清潔に保ち手で触れないように注意して下さい。

〈費用〉

●料金表をみる

※手術費用には手術で使用する麻酔などの薬剤、糸などの材料、術後の内服薬(鎮痛剤・抗生剤)、術後ケア用のガーゼ等、術後1週間・1か月・3ヵ月・6か月目の再診料や処置料が含まれます。

 

 

 

 


②目のまわりの脂肪を移動させる《ハムラ法(切開ハムラ)》

 

皮膚にハリがない、頬のボリュームが少ないなどの場合、目の下のふくらみが目立たなくなるまで脂肪を取ると目の下がくぼんでしまいます。有名な米国の形成外科医であるDr.Hamraは、脂肪を切除するだけでは不自然な目の下になってしまう患者が少なくないことに注目し、脂肪を移動させる術式を考案しました(Hamra 1995年)。現在でも《ハムラ法》としてよく知られている方法です。《眼窩脂肪移動術》《脂肪再配置》と呼ばれていることも。ハムラ先生が発表された原法は皮膚を切開しておこなうため、このページでは皮膚を切る方法を《ハムラ法》として解説します。

〈この治療について〉

目の下のまつげの数㎜下を切開してふくらみ部分の脂肪を下のほうに移動させます。目のまわりの眼輪筋を引き上げて目の下のハリを改善させ、あまった皮膚をとりのぞきます。傷あとは数か月〜半年ほどすると目立たなくなります。単なる皮膚や脂肪の切除だけでは得られない自然でなめらかな形へ整えることができます。

〈向いているタイプ〉

目の下のふくらみが目立つ、肌のハリがないかたるみが目立つ。

〈麻酔について〉

局所麻酔、全身麻酔どちらでも可能ですが、不安な方は全身麻酔で眠っている間に受けていただくことをおすすめします。

〈合併症やリスク〉

薬剤のアレルギー:術中術後使用薬などによる各種アレルギー反応(稀にアナフィラキシー反応などの重篤なアレルギー反応)。

出血:通常手術当日から翌日にかけてにじむ程度の出血がみられます。皮下出血(あざ)が出る場合があります。

感染・異物反応:手術部位に感染を生じる場合があります。術後は瞼を清潔に保ち手で触れないように注意して下さい。

眼瞼変形:眼瞼外反を生じることがあります。多くは一時的な変化ですがまれに軽度の変形が残存することがあります。

〈費用〉

●料金表をみる

※手術費用には手術で使用する薬剤、糸などの材料、術後の内服薬(鎮痛剤・抗生剤)、術後ケア用のガーゼ等、術後1週間・1か月・3ヵ月・6か月目の再診料や処置料が含まれます。

 

 

 

 

 


③皮膚を切らずにまぶたの裏側から脂肪を移動させる《裏ハムラ》

ハムラ法を結膜側からおこないます。HK Kawamotoら(2003年)にはじめて形成外科のトップジャーナルであるPRSに発表した方法で、最近では《裏ハムラ》とよばれることのほうが多いよう。皮膚を切らないため回復が早いこと、まぶたの外反などの合併症が少ないことなどから今では多くの形成外科医が採用している術式です。当院の山下医師がUCLAの形成外科教授であるDr.Kawamotoから直接技術を習得しているため、当院でもUCLAと同じ方法を採用しています。

〈この治療について〉

結膜を切開し、ハムラ法と同じように脂肪を移動させて固定します。ダウンタイムが短く、ハムラ法でまれにおこる下まぶたの外反(下まぶたが外向きになりまぶたが閉じにくくなる)が起こりにくいことがメリットです。アジア人では、術後にふくらみの下にある溝である《tear trough》が残りやすいといわれていました。最近の研究でこの部分がくぼんでいるのは《リガメント(tear trough ligament)》であることがわかり、このリガメントを処理する方法が考案されました。アジア人でもたいへん良い結果が報告されています(Wong, 2017年)。ふくらみの下の溝が残りにくいよう、すべての症例でリガメントの処理をおこなっています。

  

〈向いているタイプ〉

目の下のふくらみがあるが皮膚のたるみはない、ダウンタイムを短くしたい。

 

〈麻酔について〉

局所麻酔では痛みを充分に取り除くことが難しく《tear trough》部分のリガメント処理が不十分になるため、全身麻酔でおこないます。

〈合併症やリスク〉

薬剤のアレルギー:術中術後使用薬などによる各種アレルギー反応(稀にアナフィラキシー反応などの重篤なアレルギー反応)。

出血:通常手術当日から翌日にかけてにじむ程度の出血がみられます。皮下出血(あざ)が出る場合があります。

感染・異物反応:手術部位に感染を生じる場合があります。術後は瞼を清潔に保ち手で触れないように注意して下さい。

眼瞼変形:眼瞼内反を生じることがあります。

〈費用〉

●料金表をみる

※手術費用には手術で使用する薬剤、糸などの材料、術後の内服薬(鎮痛剤・抗生剤)、術後ケア用のガーゼ等、術後1週間・1か月・3ヵ月・6か月目の再診料や処置料が含まれます。

 

 

 

 

④【オプション】脂肪注入

ご自身の脂肪をつかった《脂肪注入》はヒアルロン酸と同じような効果があります。眼窩脂肪を移動させ平らにととのえる《下眼瞼形成術》と脂肪注入を組み合わせるのも良い方法です。

〈この治療について〉

下腹部などから細い専用のカニューレを使って脂肪を採取し、これを精製してふくらませたい部分に注入します。効果を持続させるためには繰り返し注射を受ける必要のあるヒアルロン酸と比べると、いくつかのメリット、デメリットがあります。

 

〈脂肪注入のメリット〉

①脂肪がいったん生着すればその後はあまり変化しない

②ヒアルロン酸のように色が透けて見えることがない

③より自然な形になる

 

〈脂肪注入のデメリット〉

①数ヶ月から半年かけて脂肪の一部が吸収される

②一度に注入できる量に限界がある

 

他に気になる部分があれば、こめかみや頬骨の下のくぼみなど他の部分にも同時に脂肪注入をすることができます。

〈向いているタイプ〉

頬のまるみやボリュームがもともと少ない場合に脂肪移植が効果的です。

頬の中央にあるハの字形のくぼみ《mid cheek groove/ゴルゴ線》をカモフラージュしたり、頬のボリューム不足をおぎなって頬のふくらみを美しくととのえさらに自然で若々しい輪郭を取り戻したい方に向いています。

〈麻酔について〉

局所麻酔薬の量が少なくてすむこと、注入後の形を術中正確に評価できること、眠っている間に手術が終わるため痛みや不安がないことなど、多くの利点がある全身麻酔での手術をおすすめしています。

〈合併症やリスク〉

薬剤のアレルギー:術中術後使用薬などによる各種アレルギー反応(稀にアナフィラキシー反応などの重篤なアレルギー反応)。

出血:通常手術当日から翌日にかけてにじむ程度の出血がみられます。皮下出血(あざ)が出る場合があります。

感染・異物反応:手術部位に感染を生じる場合があります。

その他:しこりや嚢腫形成の報告があります。

〈費用〉

●料金表をみる

※手術費用には手術で使用する麻酔などの薬剤、糸などの材料、術後の内服薬(鎮痛剤・抗生剤)、術後ケア用のガーゼ等、術後1週間・1か月・3ヵ月・6か月目の再診料や処置料が含まれます。

※脂肪移植を併用する場合は全身麻酔となります。別途全身麻酔費用(165,000円、税込)がかかります。

 

※厚生労働省のガイドラインに準拠して費用、合併症等を記載したうえで、術前・術後の写真を掲載しています。

 

お問い合わせ・ご予約

TEL 076-239-0039 (クリニック予約)
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執筆

山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko

顔のクリニック金沢 院長

経歴:

岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師

形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師