もっとも良い
「目の下のくまをとる方法」

【3つの目の下のくま】
「目の下のくま」には3つのタイプがあります。
1.茶くま
2.青くま
3.影くま(黒くま)
このうち、手術でとることのできるくまは 「影くま(黒くま)」のみです。目の下の影くま取りは 「下眼瞼形成術(LOWER LID BLEPHAROPLASTY)」 と呼ばれ、20世紀後半からさまざまな方法で行われてきました。また最近ではあたらしい技術による切らない影くま治療も選べるようになっています。
影くまのタイプ、影くま治療の歴史と、もっともよい 「くまを取る方法の選び方」 について説明します。
【影くまのタイプチェック】
影くま(黒くま)にもいくつかのタイプがあります。A,B,Cのうちチェックが最も多かったものがあなたのタイプと考えられます。
A:ふくらみくまタイプ
□もともとはあまり気になっていなかったが最近目の下がふくれてきた
□ふくらみはそれほど大きくない
□上をむくとくまが目立たなくなる
□夕方になるとくまが気にならなくなる
B:バギーアイタイプ
□前からすこしくまがあったが徐々にふくらみが大きくなってきた
□ふくらみの下がくぼんでいる
□上を向いてもクマがある
□小じわが気になる
C:ティアトラフタイプ
□10代、20代からくまが目立っていた
□目の下にハの字の影がくっきりと目立つ
□青紫~赤紫がかった色が目立つ
□自分と同じタイプのクマの症例が少ないと感じる
【影くま治療の歴史といろいろな術式】
眼窩脂肪の切除
1970年代に最初のくま取り手術がおこなわれました。その方法はシンプルに 「目の下を切開して皮膚や脂肪をとりのぞくだけ」 というものでした。
効果の持続は5年程度といわれており、時間とともにふくらみが目立ってくることがあります。
また脂肪をとりすぎると 「目の下がくぼんでやつれたようになってしまう」 例があることや、皮膚をとりすぎると目の形が変わってしまったり、下まぶたの外反(あかんべえの状態で戻らない)などがおこるといった問題も出てきました。
このため現在では皮膚を切開して脂肪や皮膚を取り除く方法はあまり行われていません。
Loebの術式(ハムラ法)
1980年代になると皮膚や脂肪だけをとる方法の欠点をおぎなうため、目の下のハの字のシワや半円形のくぼみ 《tear trough(=なみだの溝)》 のところに脂肪を移動させてフラットにするという新しいアプローチが試みられました。

この方法は、Dr. Loebがはじめに発表したものですが、有名な美容外科医であるDr. Hamra(ハムラ)にちなんで日本では 「ハムラ法」と呼ばれています。また、同じ手術を最近は 「眼窩脂肪移動術」「脂肪再配置」ということもあります 。
具体的な手技についてもDr. Loebはたいへん詳しく、わかりやすいstep-by-stepのイラストとともに今でも色あせないコンセプトを提案しています。
「B:バギーアイタイプ」のうち50代以降でふくらみが大きく皮膚のたるみがある例では現在でもとても効果的な方法です。
1981, Loeb R. Clin Plast Surg. 8 より引用
“皮膚を”切らない術式
2000年前後には多くの形成外科医が皮膚を切らずにくまをとる術式を発表しました。それまでは下まつげのキワを切開していたところを、まぶた裏の 「結膜」 を切開しても同じようなくま取り手術ができることがわかってきたためです。
傷が目立たないだけでなく、ダウンタイムが短い、外反(あかんべえの状態)などの合併症を少なくできる、など多くのメリットがあります。今では多くの形成外科医がこのアプローチを採用しています。皮膚を切らない術式には大きく分けると脂肪をとるだけの「脱脂」と、リガメントを外して脂肪を移動させる「裏ハムラ(下図)」 があります。
脂肪をとるだけの「脱脂」は「A:ふくらみくまタイプ」に効果的な方法です。
リガメントを外して脂肪を移動させる「裏ハムラ」は「B:バギーアイタイプ、C:ティアトラフタイプ」のうち皮膚のたるみが少ない40代までに効果的な方法です。
また、それぞれ治療のオプションとして 「脂肪注入」 があります。
これまでの多くの研究結果から、目の下のハの字のシワ部分にあるスジ状の組織「リガメント」 を外すことが目の下をフラットにするための最大のポイントと考えられています。いまではこのリガメントの位置や形についても詳しくわかってきています。

2017, Wong CH. Plast Reconstr Surg. 140 より引用
【症例】「顔のクリニック金沢」の裏ハムラ

「顔のクリニック金沢」では米国UCLAでDr.Kawamotoからリガメントを外して脂肪を移動させる 「経結膜下眼瞼形成術(=裏ハムラ)」 をまなび、これを応用して治療をおこなっています。Dr.Kawamotoは決して広くはない結膜切開から素早く確実に脂肪を固定するため頬の皮膚に糸を引っかける方法をとっていましたが、ときに一時的ではありますが、えくぼのようなくぼみが目立ってしまうことがありました。

2003, Kawamoto HK. Plast Reconstr Surg. 112 より引用
現在では手術用ヘッドライトやルーペを使うことで結膜切開のせまい術野でも縫合するところをしっかりと見ることができます。また、マイクロサージャリー用の繊細な器具をつかうことで皮膚に糸をかけなくても正確に内部で脂肪を固定することができるようになり、ダウンタイムのさらなる軽減につながっています。
【症例】下眼瞼形成術(経結膜法)
上:術前、中:1週間後、下:術後1か月

上:術前、中:1週間後、下:術後1か月

上:術前、中:1週間後、下:術後1か月

※合併症やリスク:薬剤のアレルギー、出血、感染・異物反応、結膜充血、結膜浮腫、眼瞼内反、眼瞼外反、複視
※費用(自由診療)
※厚生労働省のガイドラインに準拠し費用、合併症等を記載したうえで、術前・術後の写真を掲載しています。
【本当に切らないくま治療】
結膜を切開する手術のことを皮膚を切らないという意味で 「切らない治療」 と称していることもあるのですが、結膜すら切らない本当の切らない影くま治療というのもいまでは可能になっています。どのタイプでも症状が軽いうちは切らない治療での改善が期待できます。
いちばん手軽なのは注射治療です。《ヒアルロン酸》 を注入して軽いくまを目立たなくすることができます。腫れなどのダウンタイムが短いかほとんどないこと、変化がマイルドなため治療を受けたことが他の人にわかりにくいのが最大のメリットです。ヒアルロン酸だけで完全にくまを消すことは難しく、無理をすると逆に不自然になってしまうこともありますので担当医とよく相談して治療を受けられることをおすすめします。ヒアルロン酸の持続は半年〜数年です。
機械を使った影くま治療は、肌のハリを改善することでくまを目立たなくする効果が期待されます。当然効果は手術やヒアルロン酸治療におよびませんので、どうしても手術や注射はしたくないという場合に限られた選択肢となります。皮膚をターゲットにしたラジオ波治療 「RF」 と、超音波治療 「HIFU(ハイフ)」 があります。米国 FDA が認めた機種はRFの「サーマクール》 HIFUの 「ウルセラ(下画像)」 のみです。いずれもダウンタイムがほとんどなくすぐにメイクできることが最大のメリットです。
このほかに、トリクロロ酢酸などをつかったピーリング、レーザー治療、トレチノイン治療などの肌の弾力を回復する治療にもくまを目立たなくする効果が期待できます。このようなお肌のハリ改善治療については1回の施術ではっきりとした効果を得ることはむずかしく、また完全にくまを消すこともできませんが、続けていくことで多少の改善効果は期待できます。

【もっとも良い目の下のくまをとる方法】
それぞれの方法に長所短所があり、人によって求める効果や受け入れられるダウンタイムはちがうため「もっとも良い方法」を一つに決めることはできません。それぞれの特徴をよく理解したうえで、たくさんの方法からぜひご自身に合う方法を選んでください。
クリニックで相談するときのポイントは、したいこと、したくないことをはっきりと担当医に伝えることです。治療法についての提案を受けたら、それぞれの治療法についてダウンタイム、効果、持続期間、費用などをよく確認してください。自然で元気に若々しく見える目もとを取り戻し喜んでいただくために、あなたにとって「もっとも良い方法」をお選びください。

お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039 (クリニック予約)
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m. 木曜日、日曜日を除く
■手術についての説明(下眼瞼形成術・経結膜法)
この治療は、下眼瞼(下まぶた)の形態を整えるための手術です。
方法
1.局所麻酔、もしくは全身麻酔で治療を行います。
2.下眼瞼結膜(まぶたの裏の粘膜)を切開します。
3.眼窩隔膜を切開して、脂肪のふくらみが大きい場合は適量の脂肪を切除します。目の下のくぼみの部分にある靱帯(薄い膜状の組織)を切り離し、その部分に眼窩脂肪を移動させ吸収糸(溶ける糸)で固定します。
4.下まぶたの形態を確認して、切開した結膜を細い糸で縫合します。
一般的な経過
・結膜を切開するため皮膚に残る傷あとはありません。結膜は吸収糸で縫合するので抜糸の必要はありません。点眼薬を2種類(結膜浮腫予防、抗菌薬)処方しますので、それぞれ決められた期間点眼してください。
・腫れの程度は個人差がありますが、通常腫れのピークは術後2、3日目です。腫れが完全に落ち着くのは 2〜3ヶ月かかることがあります。ぶつけたときのようなあざ(内出血)が出た場合、通常は2週間程度で目立たなくなります。
・当日から洗顔や短時間のシャワー等は可能です。ただし、洗顔などの際に強くこすったり、押さえたりしないようにして下さい。
・当日は飲酒や、運動、長時間の入浴は避けて下さい。
・お化粧は抜糸の翌日まで避けて下さい。どうしても必要な場合は、手術部位を避けて下さい。また、コンタクトレンズの使用は4週間避けて下さい。
・目の下の色調(青、赤紫など)についてはこの手術ではほとんど変化がありません。色調が気になる場合にはナノファット注入(粉砕した脂肪の注入)を併用します。
■合併症、副作用
・薬剤のアレルギー
術中術後使用薬などによる各種アレルギー反応(稀にアナフィラキシー反応などの重篤なアレルギー反応)。
・出血
出血は通常当日から翌日にかけて、にじむ程度の出血があります。
・感染
手術部位に感染を生じる場合があります。感染予防のために抗生剤を処方します。術後はまぶたを清潔に保ち、汚れた手で触れないよう注意してください。
・結膜浮腫、結膜下出血、結膜充血、角結膜炎(下眼瞼形成術)
まぶたの形の変化や縫合糸の刺激により術後にこれらの症状が生じることがあります。いずれもほとんどの場合1~2週間ほどで自然に改善しますが、もともと下まぶたのゆるみがあると2~3カ月かかることがあります。症状が持続する場合、眼科への受診を指示することがあります。
・眼瞼変形
眼瞼外反や眼瞼内反をきたすことがあります。多くは一時的な変化ですがまれに軽度の変形が残存することがあります。下眼瞼や頬に一時的な凹凸を生じる可能性があります。通常は時間の経過とともに改善します。
■費用について(自由診療、税込)
◎下眼瞼形成術(結膜切開のくまとり手術、裏ハムラ)
605,000円(モニター割引:514,250円)
※モニター割引を適用した場合は術後1週間、1か月、3か月、6か月の受診と写真撮影が必須です。モニター画像は眉上から鼻先までの範囲を使用する部分モニターです。
※上記は2026年2月時点での料金です。料金改定により料金が変更となる場合があります。最新の料金については料金表をご参照ください。 料金表を見る
■麻酔について
本手術は、全身麻酔・局所麻酔のいずれでも対応可能です。
選択する麻酔方法によって費用が異なります。
◎ 全身麻酔の場合
・手術費用のほかに全身麻酔のための費用がかかります
全身麻酔(全静脈麻酔・TIVA、2時間未満の手術に適用)143,000円
・全身麻酔のための術前検査費等の費用が別途必要です
全身麻酔術前検査(採血、日帰り入院管理料含む) 33,000円
◎局所麻酔の場合
・麻酔に関する費用は手術費用に含まれていますが、術前検査の費用が別途かかります。
局所麻酔の術前検査費用 11,000円
※どの麻酔方法が適しているかは、手術内容やご希望をふまえて医師がご説明しますので受診の際にご相談ください。
執筆・症例執刀医

山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
専門医資格等:
日本形成外科学会 機構認定専門医
専門医 日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
2025.10.17追記
目の下の色味(眼輪筋が透けて見える青〜赤紫の色調)について「ナノファット注入」による治療が可能になりました。以前裏ハムラを受けられた方にも追加治療としてご案内が可能です。詳しくはお電話でご予約のうえご相談ください。

