くま取り手術の
アフターケアとメンテナンス
くま取り手術のアフターケアとメンテナンスについて
眼窩脂肪切除(脱脂)や下眼瞼形成術(ハムラ法/経結膜法・経皮法)によるくま取りは、目元を若々しく見せる効果的な治療です。
しかし、手術を受けたからといって一生メンテナンスが不要になるわけではありません。年齢を重ねるにつれて、皮膚や筋肉の変化、脂肪の量の変化によって新たな悩みが出てくることもあります。
ここでは、くま取り手術後に起こりやすいお悩みと、それに合わせたアフターケア・メンテナンス方法をご紹介します。
① 小じわ
脂肪の膨らみが改善されることで、かえって皮膚の余剰や菲薄化が目立ち、小じわが気になる場合があります。小じわが目立ちやすいのはふくらみがあった部分で、とくに目尻側のほうがめだちやすい傾向があります。
▶おすすめの治療法
-
フラクショナルレーザー
皮膚に細かい穴を開け、そこに熱を加えることで傷や熱によるダメージから回復する際にコラーゲンの再生を促されることで小じわを改善します。 -
小じわ用のヒアルロン酸注入
ごく少量のやわらかいヒアルロン酸を細かく注入することで、ちりめんジワをなめらかにします。 -
レチノールによるスキンケア
ビタミンA誘導体のレチノールは、皮膚のターンオーバーを促し、日常的なケアとして小じわ予防に効果的です。
◎マドンナリフトによる小じわ治療例
起こりうる合併症、リスク、副作用:赤み、腫れ、色素沈着、肝斑の悪化、他
※厚生労働省のガイドラインに準拠して術前・術後の写真を掲載しています。
関連コラム:切らずにまぶたのたるみとり「マドンナリフト」
② 笑いじわ(表情じわ)
手術による直接の影響ではありませんが、目立っていた目の下のくまが気にならなくなったことでこんどは目まわりの笑いじわが気になるようになることがあります。
笑いじわが目立ちやすいのは目尻と目頭の下です。
▶おすすめの治療法
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ボツリヌストキシン注射
表情筋の動きをやわらげ、笑ったときに出るシワを目立ちにくくします。自然な笑顔を残しながら調整可能です。
◎ボツリヌストキシンによる目じりの笑いじわ治療例
起こりうる合併症、リスク、副作用:内出血、腫れ、一時的な違和感、他
※厚生労働省のガイドラインに準拠して術前・術後の写真を掲載しています。
③ ふくらみ・くぼみ
腫れているときはそれほどめだたなかったふくらみが手術後しばらくして再びふくらみが出てくることがあります。また、ティアトラフとよばれる影の部分の皮膚にのこる折れぐせなどがわずかなくぼみとしてのこっていて気になる、もともと頬のボリュームが少なかったのが目立って気になるなどのパターンもあります。ふくらみが気になりやすいのは目尻の下側、くぼみが目立ちやすいのは鼻横〜目のすこし下あたりです。脂肪を取りすぎた場合には目の下がくぼみ気になることもあり、この場合は脂肪が出て膨れていた部分(目のすぐ下、上記のイラストのくぼみと記載がある部分よりも目に近いところになります)がくぼみます。
▶おすすめの治療法
-
ふくらみが気になる場合
脂肪を追加で切除することで改善します。 -
くぼみが気になる場合
・脂肪注入:ご自身の脂肪を注入し、自然なボリュームを補います。
・ヒアルロン酸注入:手軽にボリュームを出すことができ、ダウンタイムも短めです。
◎ヒアルロン酸によるティアトラフのくぼみ治療例
起こりうる合併症、リスク、副作用:内出血、腫れ、血行障害、塞栓、他
※厚生労働省のガイドラインに準拠して術前・術後の写真を掲載しています。
まとめ
くま取り手術は、一度で大きな効果を実感できる治療ですが、その後の経過によって小じわや笑いじわ、ふくらみやくぼみが気になることもあります。
アフターケアを上手に取り入れることで、より長く自然で若々しい目元を維持することができます。
当院では、術後のフォローアップやメンテナンス治療についてもご相談いただけますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。
【費用について】
料金表をご参照ください。
※顔のクリニック金沢ではくま取り手術(眼窩脂肪切除、下眼瞼形成術)後のふくらみの追加切除は手術後1年以内であれば無料でおこなっています。術後の経過で気になるところがある場合は遠慮なくご相談ください。
お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.
【執筆および担当医について】
上記の症例を担当、本コラムを執筆した形成外科医は十分な経験と知識を有するエキスパートにのみ与えられる日本専門医機構および各学会の専門医です。
《外科医》 山下明子
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
米国形成外科学会 国際会員
目の下のくま
タイプ別の治療法
目の下のくまは原因によってタイプが異なります。
正しい診断に基づく治療によって最小限の手術で自然な改善が可能です。
ふくらみと影に着目して分類した3つのタイプと、それぞれに適した治療法について説明します。
Type1:脂肪のふくらみのみ
→ 余分な脂肪を除去する 脱脂(眼窩脂肪切除)
Type2:ハの字の影のみ
→ 影のくいこみを改善する 裏ハムラ(経結膜下眼瞼形成術)
Type3:ふくらみ+ハの字の影
→ リガメントの切り離し+脂肪移動による 裏ハムラ法 or 切開ハムラ法
目元の状態に応じて最適な手術法を選択することで自然な仕上がりを目指します。
◎Type2の症例◎
目の下のハの字状の影を主訴に来院されました。
脂肪のふくらみはなく、影によるくまのみが目立つタイプです。
影の改善を目的に裏ハムラ法を選択しました。
術後は自然な目元の立体感が回復し、目もとの印象が明るくなりました。
状態にあわせて適切な治療を選ぶことが大切なポイントです。
頬のボリューム不足がありましたが脂肪注入はおこなわず、頬の丸みを引きあげて固定する「ミッドチークリフト」を併用しました。きれいな頬のまるみが形成されています。
◎Type3の症例◎
目の下の脂肪のふくらみとハの字状の影の両方があるタイプです。
このタイプには、リガメントの切り離しと脂肪移動を同時に行うハムラ法(下眼瞼形成術)が適しています。
年齢と皮膚のたるみを考慮して経皮法(切開ハムラ)を選択しました。
術後は、ふくらみや影がなくなりフラットに。
自然で明るい印象の目元を取り戻すことができました。
【よくある質問】
Q:ふくらみだけのタイプなので脱脂を考えていますが再発することがあると聞き心配になりました。
A: 「脱脂」のあとの「再発」について
「脱脂」「眼窩脂肪切除」とよばれるくま取りの手術は、下まぶたのふくらみ(眼窩脂肪)を取り除き、すっきりとした目元にする方法です。
ただし、一度の手術で一生クマがなくなるわけではありません。
・再発の原因
①加齢による変化
年齢とともに皮膚や筋肉がゆるみ、影が再び出てきます。
②脂肪の取り残し・取りすぎ
脂肪を残しすぎるとふくらみが残り、逆に取りすぎるとくぼみや影が強調されます。
③骨格や靭帯の影響
頬やまぶたの骨格によっては、脂肪を取っても影が目立つことがあります。
・ 再発を防ぐために
ふくらみだけでなく「影」もある場合は、影の部分にある靱帯を切りはなし、その部分に脂肪を移動させる「下眼瞼形成術」「裏ハムラ法」などを選ぶと効果が長持ちしやすいです。
・再発したら
再びクマが気になるときは、脂肪の追加切除、ヒアルロン酸、脂肪注入などで調整できることもあります。
手術後もたるみや小じわなど加齢による変化は避けられませんが、これらに対するケアも可能です。
Q:くま取り手術のあとのアフターケアやメンテナンスについておしえてください
A:たるみ取り手術後もアフターケア、メンテナンスがまったく必要ないということはありません。よくあるアフターケア、メンテナンスについては下記コラムで詳しく解説しています。
関連コラム:くま取り手術のアフターケアとメンテナンス
【費用について】
料金表をご参照ください。
※手術費用のほかに局所麻酔検査費用もしくは全身麻酔検査費用と全身麻酔の費用がかかります。
※ミッドチークリフトの費用は各手術費用に含まれます。
【起こりうる合併症、リスク、副作用】
術中術後出血、感染、角結膜炎、結膜下出血、他
※厚生労働省のガイドラインに準拠して術前・術後の写真を掲載しています。
お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.
【執筆および担当医について】
上記の症例を担当、本コラムを執筆した形成外科医は十分な経験と知識を有するエキスパートにのみ与えられる日本専門医機構および各学会の専門医です。
《外科医》 山下明子
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
米国形成外科学会 国際会員
「リッドチークブレンディング」で
頬と下まぶたの境界をなくす
「リッドチークブレンディング (Lid-cheek Blending) 」は顔のクリニック金沢のくま治療のコンセプトです。
くまの原因となっている「下まぶた」と「頬」の境界をなくすことで影ができないようにするアプローチです。ここでの「頬」は目の下あたりの笑ったときに丸くふくらむ部分をさしています。
「目の下のくま・ふくらみを構成する面」とその下の「頬の丸みの面」その境界にある「靱帯(リガメント)」による「線状の食い込み」の3つにアプローチすることでふたつの面をなめらかにつなげるという考え方です。
リッドチークブレンディングの基本
リッドチークブレンディングの基本はくまの原因となっている「靱帯(リガメント)」の食い込みをなくし、脂肪を移動させることでフラットに整える「下眼瞼形成術(裏ハムラ)」です。
ここでポイントになってくるのが頬の丸み(ボリューム)がどれくらいあるかと、いわゆる「出目」「奥目」といわれる骨格の問題です。
頬の丸みがある場合
頬の丸みがしっかりとあるタイプでは「裏ハムラ」のみで十分にきれいな形ができます。出目でも奥目でもないニュートラルタイプだったため骨格の影響も受けにくい症例でした。
頬の丸みが小さい場合
頬の丸みがやや小さく、わずかに眼球のほうが前に出ている「出目」タイプです。裏ハムラだけではなめらかに頬につながるカーブができにくいため、「ミッドチークリフト(頬リフト)」をおこなっています。
自然な頬のまるみが形成され脂肪注入なしでもきれいに面がつながっています。
ミッドチークリフトについて
ミッドチークリフト(頬リフト)が有効なのは
◎頬のまるみが小さいタイプ
◎出目タイプ
など裏ハムラだけではなんとなく影感が残ってしまうタイプです。
頬の脂肪を引きあげて眼窩縁に固定することで頬を自然にリフトアップします。
固定はすべて内固定(表面に糸や傷ができない方法)でおこなっています。
糸リフトと違って直接固定しているため持続性が高いことがメリットです。
ミッドチークリフト(頬リフト)は裏ハムラのオプションですが、手技自体はそれほど難しくなく、要する時間も短いため顔のクリニック金沢では術前もしくは術中に必要と判断した場合は追加費用なしでミッドチークリフトをおこなっています。
頬の丸みがほとんどない場合
頬のまるみがほとんどないか「ゴルゴ線」「ミッドチークグルーブ(mid cheek groove)」といわれる頬中央の溝があるタイプではボリュームがミッドチークリフト(頬リフト)だけでは足りないため、脂肪注入をおすすめすることもあります。
顔のクリニック金沢ではくまの手術の約5%程度で脂肪注入を併用しています。少ないと感じられるかもしれませんが、本当に脂肪注入まで必要と考えられる症例は実はそれほどは多くありません。
脂肪注入をおこなうメリットは同時にほうれい線、頬骨下のくぼみ、こめかみなどのボリュームアップができることです。顔のふっくら感が足りないと感じるようなら同時に受けられることをおすすめしています。
脂肪注入には追加の費用がかかりますが、ある程度の量をこえてくるとヒアルロン酸よりも負担が少なく受けられることもありますので、くまの治療と同時に顔のボリュームアップを希望される場合はご相談ください。
執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
専門医資格等:
日本形成外科学会 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.