【症例】上眼瞼形成術とダウンタイム
【上眼瞼形成術とは】
《上眼瞼形成術(じょうがんけんけいせいじゅつ)》はふたえの形、たるみ、目の開きや黒目の見えかたをいちどに改善させることのできる手術法で、《blephaloplasty/ブレファロプラスティ》ともいわれます。
【上眼瞼形成術でできる3つのこと】
上眼瞼形成術では3つの治療を同時におこなうことができます。
①まぶたの開きを改善させる《挙筋前転法》
②まぶたのたるみをとる《上眼瞼徐皺術》
③ふたえの形をととのえる《二重瞼形成術》
【①まぶたの開きを改善させる《挙筋前転法》】
下がったまぶたを上がりやすくすることで目の開きを改善させます。意識して見開いたり眉を上げなくても楽に目が開くようになります。無理に目を開けようと眉毛を上げる必要もなくなるため、おでこのしわもできにくくなります。
関連コラム:《挙筋前転法》でみられる3つの変化
【②まぶたのたるみをとる《上眼瞼徐皺術》】
まぶたのあまっている皮膚をとりのぞくことですっきりとした目元に整えます。皮膚の厚みやあまりかたは年齢差や個人差があります。ブジーを使ったシミュレーションで不自然にならないような形にデザインすることがポイントです。
関連コラム:美しいブレファロプラスティのためのデザイン
【③ふたえの形をととのえる《二重瞼形成術》】
ふたえまぶたの《全切開法》とおなじ方法で二重のラインを固定します。デザインによって二重の幅や形が変わります。《上眼瞼形成術》では目の開きが改善して二重の引き込みがふえることで、もとの幅で切開するとふたえの幅が狭くなります。デザインやたるみの除去などによりふたえの幅を調整します。
・二重の幅を変えたくない→二重の幅を広くデザイン or たるみをとる
・二重の幅を広くしたい→二重の幅を広くデザイン and たるみをとる
・二重の幅をせまくしたい→もとの位置でデザイン
【上眼瞼形成術とは】
①《挙筋前転法》による目の開きの改善
②《上眼瞼徐皺術》でまぶたのたるみをとりのぞく
③《二重瞼形成術》でふたえの形をととのえる
の3つを同時におこなうことができる手術治療です。
【症例】
・もともと奥二重だったが、半年前に埋没法を受けた
・形は気に入っているが目尻側の皮膚のかぶさりが気になる
・黒目がもう少し見えるようにしたい
《デザイン》
□二重の幅 : 7㎜(まつげの生え際からの距離)
□皮膚の切除 : 2㎜幅
□外側のかぶさり感について : 目尻側の皮下(点線部分)で眼輪筋を切除しボリュームとかぶさり感を軽減。
【ダウンタイム】
《手術直後》
手術や麻酔による腫れが目立ちます。目を閉じると縫合糸がみえます。腫れのピークは2,3日目です。この時期にしっかり冷やし安静にすることで腫れを少なくすることができます。腫れの程度は体質やまぶたの状態にもよるので個人差があります。
《術後5日》
抜糸直後の状態です。腫れがまだ残っています。目を閉じると傷はやや凹凸があり赤みもみられます。腫れかたとしては平均的な経過です。個人差があるためもう少し腫れが目立たない〜もう少し目立つ場合があります。
《術後1か月》
腫れはかなりひいていますが、朝やむくんでいる日はまだすこし腫れた感じが気になる時期です。傷あとは赤みやくい込み感がみられます。傷あとの反応も個人差が大きく、この症例は平均的な経過といえます。
《術後3か月》
腫れがほとんどなくなる時期です。傷あとの赤み、くい込み感がうすれてきました。傷あとは早くて3ヶ月、長いと1年ほどで赤みやくい込み感が落ち着きます。
《術後6か月》
傷あとの赤みやくいこみがなくなり完全に落ちついた状態です。この時期に手術の効果を判定します。もし希望した結果と異なる点がある場合には修正の手術について相談します。
《術前/術後6か月の比較(開、上:術前、下:術後)》
目のひらきが改善し、目尻側のかぶさり感も解消されました。
《術前/術後6か月の比較(閉、上:術前、下:術後)》
まぶたの傷あとは、二重のしわのようにみえるため目立ちません。
関連コラム:まぶたの手術、ダウンタイムと過ごし方
【費用について】
※手術方法や腫れなどの経過はお一人おひとりの状態やご希望により異なります。手術を希望される場合や、費用の見積を希望される場合、まずは当院で担当医の診察をお受けいただくようお願いいたします。
※他院で治療後の修正を希望される場合、まずは一度ご来院ください(参照:二重の他院修正について)
【起こりうる合併症、リスク、副作用】
出血、感染、薬剤のアレルギー、ドライアイ症状の一時的な悪化、ご自身の術後イメージと手術の結果が一致しないことがある、他
【担当医について】
この症例を担当した外科医は十分な経験と知識を有するエキスパートに与えられる日本専門医機構および各学会の専門医です。
《外科医》 山下 明子
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.
※費用はすべて消費税込みで表示しています。
※厚生労働省のガイドラインに準拠し治療の詳しい内容、費用、合併症等を記載したうえで、 術前・術後の写真を掲載しています。
執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
おとなの二重まぶたのお悩み
最近、目もとの印象が変わってきたと感じることはありませんか?
それはもしかするとまぶたのたるみのサインかもしれません。
□ふたえの幅がせまくなってきた
□目尻側から目が小さくなってきた
□目の上がくぼんできた
【対処法】
①アイテープ、のりなどでとめる
軽いたるみならアイテープなどで折れ込みをしっかり作ってあげることで解消できますが、かぶれや汗などでとれてしまうという問題があります。まばたきのときに不自然に見えてしまうことも。
②糸でとめる
二重のラインを糸でとめる《埋没法ふたえ》です。ただしおとなのまぶたはお肌の弾力が少なくなっていたり、たるみのためにくい込みが目立つ、自然な形、きれいな形になりにくいなどの場合もあります。自分のまぶたに合っているか、担当医とよく相談してください。
③切らないまぶたのたるみとり
切らないで治療するなら《ボトックスリフト》や《HIFU》。どちらも目をひらく動きを助けてあげることで、すこしだけ目をぱっちりさせる効果があります。ボトックスは3~4か月、HIFUは半年~1年でもとに戻るため定期的なケアが必要です。
④切開ふたえ
ふたえの形に左右差がある、幅を広くしたい、ふたえの線がたくさんあって不安定、などであればまぶたを切開して二重を固定する《切開法》をおすすめします。不安定だったふたえのラインが安定することで目もとがすっきりしてメイクもしやすくなります。
⑤まぶたのたるみとり
たるみが多く皮膚が目じりがわにかぶさってきているようなら、あまった皮膚をとりのぞいて二重の形をととのえる《徐皺術(じょすうじゅつ=たるみとり)》や、眉の下でたるみをとる《眉毛下切開法》がおすすめ。
⑥究極のまぶた治療
目が重い、開けにくい、目が小さくなって眼瞼下垂かもという方には、ふたえ形成、たるみとりだけでなく、目の開きを改善させる《挙筋前転法》を同時におこなう《上眼瞼形成術(ブレファロプラスティ)》をおすすめします。もともとの自分の目に近い印象に近付けるなど、ご希望に応じた調整も可能です。
どの方法が自分に合っているのかわからないというときは、まぶたの治療を専門とする形成外科専門医にご相談ください。
お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.(木、日、祝のぞく)
執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
【症例】幅広二重のご相談
Q:できるだけ幅の広い二重にしたいのですが、どのくらいまでなら不自然になりませんか?
A:目を閉じた時のふたえの幅で8㎜くらいまでであればほとんどの方で自然な幅広ふたえにできます。もう少し広くしたいときは、薄いまぶたであれば9〜10㎜程度までであればそれほど不自然にならずに幅を広くできることもあります。目を閉じたときに10㎜をこえるような幅広ふたえは不自然になりやすいです。実際にはブジー(針金のような器具)をつかったシミュレーションで不自然にならない幅を確認していただくことが可能です。
【症例】
《ご要望》
・広すぎない広めの二重にしたい
・平行型にしたい
・目頭切開は希望しない
・左右差も改善したい
《術前の状態》
・ひとえまぶた(奥ぶたえのラインなし)
・目頭の形の左右差(右のほうがもうこひだが張っている)
・骨格の左右差によるまぶたの左右差
・かるいさかまつげ
写真:手術前→手術後半年
《手術の内容》
・二重瞼全切開法
・デザイン:ふたえの幅9㎜、皮膚切除2㎜幅、目頭のもうこひだの上にふたえのラインが入る末広型と平行型の中間型(インアウトライン、ミックス型ともいわれる形です)
※注:完全な平行型にするためには目頭切開が必要となりますが、今回は目頭切開なしで平行型にみえるようにということで、中間型のデザインとしました。
・二重ラインを固定する方法:眼窩隔膜による固定法
《眼窩隔膜》による固定法は、もともとふたえまぶたの人で発達している《皮膚穿通枝》といわれる構造を再現する手術です。上の図でまぶたを開ける筋肉から連続している《挙筋腱膜》という膜状の組織がまぶたの表側に向かっている部分が《皮膚穿通枝》です。目を開けるときにこの部分が引き込まれるため自然な二重のひだができます。この《皮膚穿通枝》を再現するため、《挙筋腱膜》とつながっているうすい膜《眼窩隔膜》を利用します。
単に皮膚を切開して余分な脂肪を取り、縫い合わせるだけの固定法は、目を閉じたときにふたえのラインが食い込んで見えるのに目を開けたときの二重ラインの引き込みが浅くなりやすいという欠点があります。そこで、《眼窩隔膜》を二重ラインをつくりたい部分に固定することで、まぶたを閉じた時はくい込みがなく、ひらいたときいはしっかりと二重ラインが引き込まれる、自然な動きのあるふたえを再現することができます。
【費用について】
※手術方法はお一人おひとりの状態やご希望により異なります。手術を希望される場合や、まずは当院で医師の診察をお受けいただくようお願いいたします。
【起こりうる合併症、リスク、副作用】
出血、血腫、感染、眼瞼下垂、ご自身の術後イメージと手術の結果が一致しないことがある、他
お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.
※費用はすべて消費税込みで表示しています。
※厚生労働省のガイドラインに準拠して治療の詳しい内容、費用、合併症等を記載したうえで、 術前・術後の写真を掲載しています。
執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師