埋没法でできる理想の二重の幅と形
《埋没法》は糸でとめることで二重のラインをつくる手術です。手軽に二重の形を変えることができますが、理想の形になるか、もちはどれくらいかが気になるところですね。
埋没法で理想の二重になるためにおさえておきたいポイントについて解説します。
埋没法について
埋没法にはたくさんの方法があります。どの方法を選べばよいか迷ってしまいますが、あまり複雑に考える必要はありません。チェックするポイントは5つです。
①点留め or 線留め
1点だけでとめる点留めはややとれやすいのに対し、線状にとめる線留めにはメリットがたくさんあります。とれにくい、適度なゆるみがあるためくい込みにくい、形がきれいにでやすいなど。
《自然癒着法》のように複雑すぎる術式はあとあと不自然な凹凸ができたりすることもあるためおすすめしていません。
◎顔のクリニックおすすめポイント
顔のクリニック金沢ではせっかくの埋没法を受けるみなさまの二重が少しでも長く持続してほしいという思いからとれやすい点留めのメニューはご用意していません。2点以上の線留め法からお選びください。
②瞼板法 or 挙筋法
まぶたの軟骨のように硬い《瞼板》といわれる部分にとめるのが《瞼板法》、目を開けるための《眼瞼挙筋》にとめるのが《挙筋法》です。それぞれメリット、デメリットがありますが、特にこだわりがなければ《挙筋法》をおすすめしています。
《瞼板法》では目もらいがひどくなる、しこりができやすい、瞼板がデコボコになるなどのデメリットがあります。
◎顔のクリニックおすすめポイント
顔のクリニック金沢では《挙筋法》のなかでも瞼板と挙筋の境目にとめる《瞼板上端法》を採用しています。自然できれいなふたえのラインができやすい方法です。
③点の数
とめる点の数は多いほうがよいのでしょうか?必ずしもそうとは限りません。おすすめはきれいなラインができる最小の点。ただし1点は点留めになってしまうため、線留めの2点以上で選ぶのが◎。
では最小限の点はどうやって見きわめたらよいのでしょうか?
自分でチェックするならアイプチなどについてくるスティックをつかったチェック法があります。スティックをふたえにしたいラインに当ててラインを作ります。スティック1本できれいな形ができれば2点でOK。スティックを2本使わないと希望のラインにならない場合は4点をおすすめします。
点の数は同じでもとれにくいように中で糸を絡ませたり複雑な結び方をするような方法もあるのですが、複雑になればなるほど簡単に抜糸がしにくくなるという欠点があることも知っておきたいポイントです。簡単な方法なら針穴から抜糸できますが、複雑な方法は切開しないと糸がとれないこともあります。
◎顔のクリニックおすすめポイント
ラインのできやすさに左右差がある場合は「右は2点、左は4点」と左右違う点数も選べます。
④糸について
ふたえのラインをとめるに糸はとても細い糸を使います。糸の強度はもちにはほとんど影響しないため、特殊な《心臓外科用の特殊な糸》でなくても大丈夫です。実際、埋没法のあとラインが消えてしまった方の切開手術を数多く行っていますが、中で埋没の糸が切れていたことはほとんどありません。ではなぜ糸が切れていないのにラインが消えてしまうのでしょうか?
ふたえのラインが消える理由は「もとに戻ろうとする力」が働くためです。やわらかい豆腐を糸でしばると豆腐が切れていくように「もとに戻ろうとする力」が働くことでラインが少しずつ消えていきます。戻ろうとする力は人それぞれなのですが、いずれにせよ埋没法だけで一生二重のままということはまずありません。9割以上は2〜3年すると薄くなってきます。
糸を選ぶポイントは太さです。《0.05㎜》の細い糸は皮膚がうすい人では結び玉が見えてしまうことも。ただし結び玉がみえることで小さな針穴から抜糸できるというメリットもあります。さらに細い《0.04㎜》の糸であれば結び玉がほとんどわかりません。結び玉が気になる場合は《0.04㎜》を選んでください。
◎顔のクリニックおすすめポイント
顔のクリニック金沢では《埋没法専用につくられた医療法縫合糸》を使用しています。糸の太さは自由にお選びいただけます。どちらを選ばれても費用は同じです。
⑤裏留め or 表留め
糸玉を裏側にとめる方法が一時期流行していましたが、針穴が目立たない、腫れが少ないといったメリットに対し、糸玉で目に傷がつくといったトラブルも多いことや、糸を取るのが大変などデメリットが大きいこともわかってきました。また、目立たないとはいえ針穴があるため、当日からのメイクは裏留めでも化膿するリスクが高くなりますので、注意する必要があります。
◎顔のクリニックのおすすめポイント
プランは表留めのみで、2点または4点のシンプルなメニューとなっています。2点は中央で皮膚にひっかかりをつくっているため、3点に近い強度です。
4点も同じように6点に近い留め方になっているので、よりなめらかでとれにくいラインができます。
糸玉はしっかりと深めに埋め込むため表留めですが目立ちにくくなっています。それでも心配であれば極細糸(0.04㎜)をお選びください。
二重のテスト法について
どんな方法で、どんな糸でというのも大事ですが、それ以上にどんな形にしたいかというのも大事です。
埋没法で自分のなりたい形にできるのか、テストしてみましょう。
①アイプチなどについているスティックを試したい幅にあてる。
②目を開けて形をチェック。
③好きな形になったらスティックを外して形がキープできるか確認。手を離して10秒以上キープできれば合格です。
※自分でうまくテストできない場合はクリニックのカウンセリングで「シミュレーションをお願いします」と伝えてみてください。
埋没法でできる形
テストで10秒維持れば、その形を埋没法でつくることができます。
①超ナチュラルな奥二重
あまり大きく変わりたくない場合はすこしだけ二重幅が見える奥二重がおすすめです。幅が狭いため戻る力も少なくとれにくいというメリットがあります。
②かわいい印象の末広型
内側がせまく、だんだん幅が広がる末広型は自然でかわいらしく、若々しく見えるのがポイントです。
③ 大人っぽい平行型
内側から幅のある平行型は大人っぽい印象に。すこし幅を広めにすると安定した平行型になりやすいこともあります。
⑤埋没でできればラッキー、中間(ミックス)型
シミュレーションでミックス型にできるタイプなら、埋没法でもミックス型が可能です。ミックス型が不安定なタイプや左右差が気になるなら末広か平行どちらかにそろえてしまうほうが安心かもしれません。
◎顔のクリニックおすすめポイント
まぶたの厚みやくせのつきやすさは左右差があることも少なくありません。しっかりと幅を測って合わせたとしても最終的に幅や形が違って見えることも。
顔のクリニック金沢では埋没法の《当日かけ直し》を無料でおこなっています。手術直後に形をチェックして気になるところがあればその場で幅やとめる位置の微調整ができます。
左右で固定点の数を変えることも可能です(右2点、左4点など)。
埋没法とふたえの幅
二重の幅については自分にとって「自然に見える幅」がベストです。ただし、目を閉じたときの幅で10㎜以上の広すぎる二重は《ハム目》や《眠そうな目》になりやすいため要注意。目安は下記の通りです。
・狭めの奥二重なら4〜5㎜
・中くらいの幅なら6〜7㎜
・自然に見える広めの幅なら8〜9㎜
※当院のシミュレーションで希望される方が多いのは7〜8㎜です。
画像でのシミュレーションも可能ですが、画像ではできた形でも自分のまぶたではうまく再現できないことがあり得ます。思わぬ結果にならないためにも自分のまぶたでのシミュレーションを受けることをおすすめします。
埋没法でできること、できないこと
埋没法でできることは、
①自然なふたえのラインをつくる
糸でとめてあるだけなので、やわらかい自然なラインができるのも特徴です。
②簡単にかけ直しで微調整
糸をかけ直すだけで幅や形が簡単に微調整できます。
③気に入らなければ糸をとればもとにもどせる
糸を取ればラインがなくなりもとの状態に。切開法の前のお試しとしても◎
埋没法でできないことは、
①まつげの向きを微調整する
二重になることでまつげが少し上を向くこともありますが、まつげが付け根から下を向いている場合にはまつげの向きはほとんど変わらないことも。また、向きの微調整はできません。
②まぶたのボリュームを微調整する
ふたえのラインができることで腫れぼったい印象がすっきりしてみえることもありますが、厚いまぶたを薄くするまでの変化は期待できません。
③まつげの際をみせる
「まつげの際が見えるように」は最近希望される方が多いキーワードです。埋没法ではできるまぶたとできないまぶたがあり、自分がどちらのタイプかはシミュレーションで確認することができます。どちらかというと幅が狭いほうがまつげの際が見えやすくなります。
埋没法の流れ
1.診察
まぶたの状態を確認し、シミュレーションで希望のふたえの形やくせのつきやすさを確認します。幅や形についてご希望があればお聞かせください。
2.手術予約
手術申し込み書類への記入、術前血液検査を行い日程を決定します。
※埋没法のみ初診当日の手術が可能です。希望される場合は診察のご予約時にお伝えください。
3.手術
手術前に再度シミュレーションを行い、幅や形を確認します。手術は拡大鏡を使って精密におこないます。術後の痛みはそれほどありませんが、痛み止めをお渡ししますので気になれば内服してください。そのほか目元を拭くための清潔な濡れコットン、化膿止め、目元を冷やすためのジェルなど必要なものはすべてご用意しています(手術費用に含まれています)。
4.術後の検診
1か月後の検診で不都合がないか、幅や形は希望通りかを確認します。気になるところがあれば遠慮なくご相談ください。
よくある質問
Q:顔のクリニック金沢では埋没法のメニューが少ないのですがどうしてですか?
A:埋没法は本来それほどバリエーションがあるものではありません。顔のクリニック金沢ではいくつかある選択肢のうち、できるだけ自然な二重がとれにくく長持ちする方法を厳選しているためメニューの数は少なくなっています。また、有料のオプションもないためとてもシンプルな料金設定になっています。
Q:全切開専門のクリニックですか?
A:顔の治療を専門におこなっているクリニックなので、埋没法、切開法いずれも受けていただけます。厚いまぶたで埋没法ではラインが数ヶ月程度で消えてしまう可能性がある場合は、はじめから切開をおすすめする場合もありますが、学校や仕事の都合でまずは埋没を試してみたいというご希望にも対応していますのでご要望を遠慮なくお伝えください。
Q:埋没は3回までと聞いたのですが本当ですか?
A:実際に3回以上埋没をくり返している患者さんを多く診察していますがが、まぶたに後遺症が起きたり取り返しのつかないことになっていることはまずありません。回数よりも線が消えるまでの期間がどれくらいかのほうが重要です。埋没法から1年以内に線が消えるのをくり返しているようであれば、切開法を検討されてもよいかもしれません。
Q:埋没法だけで10年以上もっているという話を聞いたことがありますが本当ですか?
A:薄いまぶたで二重のラインがつきやすいければあり得ます。10年以上もっているというよりも、埋没法の糸でくせがついてそのまま二重まぶたになったと考えるほうが合っているのかもしれません。そもそも、生まれつき一重まぶたの人の約半数が成長や加齢とともに二重になるといわれています。アイプチなどを続けていると二重になる人がいるのと同じ理由です。
Q:ダウンタイムに注意したほうがいいことはありますか?
A:2〜3日は無理をせず当日はしっかり冷やすと腫れが少なくすみます。運動や飲酒はひかえてください。下記のページに詳しい説明がありますのでご参照ください。
Q:顔がむくんだり目が腫れたりすると埋没の線が消えてしまうことはありますか?
A:顔や目のむくみで糸のかかっているところに負担がかかると線が薄くなったり消えることはあります。できるだけ長持ちさせるためにはまぶたをこすらないように注意してください。
Q:埋没をしてから年数がたっていますが糸を取っても癒着で線が消えないということはありますか?
A:埋没の糸だけで癒着することは少ないので、抜糸をすれば年数がたっていてもラインは消える可能性が高いです。ただし、脂肪を取ったり自然癒着法のような特殊な手術を受けている場合は線が残ってしまうことがあります。
Q:2点法で埋没法を受けましたが目尻側の線がうすく気になります。追加はできますか?
A:目尻側の2点追加は1回目の施術から1か月以上たって腫れがひいていれば可能です。当院で1回目の手術を受けられた場合は4点法との差額分をお支払いいただくことでかけ直しの対応をしています。
Q:保証はありますか?
A:埋没法は本来いずれラインがとれて消える前提の手術であるため、高額な保証プランはご用意していませんが、1年以内でかけ直しを希望される場合は少ない負担で対応しています。詳細についてはカウンセリングの際にご確認ください。
Q:すぐにメイクはできますか?
A:手術直後に針穴の部分を触ったりメイクをすると感染のリスクが高くなります。3日ほどはまぶたのメイクは控えていただくようお願いしています。まぶた以外のメイクについては当日から可能です。洗顔やシャワーも可能ですが、腫れを少なくするために長風呂は3日ほどお休みすることをおすすめしています。
Q:2日前に埋没法を受けました。希望より幅が広い気がして心配です。
A:2日前の手術であれば、今が一番腫れている時期です。腫れていると幅は広くみえるため、希望より広くても心配ありません。むしろ今の時期にちょうどいい幅であれば腫れが引いたときに希望よりも狭くなってしまいます。時々冷やしたりしながらすこし様子をみましょう。
Q:コンタクトレンズはいつから使えますか?
A:まぶたが腫れているとコンタクトレンズの出し入れがしにくくなるため、腫れが落ち着くまではお休みいただくようおすすめしています。腫れが落ち着いてくる4日〜1週間目以降は通常通りコンタクトレンズが使用できます。
費用について
執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
二重全切開のダウンタイムと準備しておくとよいもの
ダウンタイムの実際の様子やダウンタイム中に気をつけたいポイントと、腫れを最小限にして回復を早めるための準備について説明します。
【症例】
20代女性
・過去に2回埋没法を受けていて、最近ふたえの幅が狭くなってきた。
・幅中くらいの平行型希望。
・まつ毛の付け根がみえるように。
《手術前後の比較(上:術前、下:術後6か月)》
【ダウンタイムの様子】
《手術直後》
麻酔薬(キシロカイン+ポプスカイン)と手術の影響でまぶたが腫れています。腫れのために目が重く開けづらいと感じることも。写真の症例では透明の糸で縫合しているため糸は目立ちませんが、にじむような出血があります。にじむような出血は1−2日続きます。
《術後1週間》
抜糸の時期です。直後より腫れは落ち着いてきましたがまだ全体に腫れぼったくみえます。二重の幅も希望の幅よりは広く見えます。傷あとは赤くデコボコしています。
《術後1か月》
かなり腫れがおさまってきましたが、まだ朝起きると腫れぼったくみえる時期です。目尻側から腫れがひいてくることが多いため、目頭側だけ腫れて見えたり、二重の幅が広くハム目のように見えてしまうこともありますが、ほとんどの場合腫れがひけば落ち着いてきます。傷あとは薄いピンク色でさわると硬くしこりのような感じです。
《術後3か月》
朝起きたときのむくみが気にならなくなってくる時期です。傷あとも写真のように回復が早い体質なら赤みがひいてきますが、時間がかかる体質ならまだ赤みや硬さが残っていてもおかしくありません。まつげのきわの皮膚は感覚がにぶくメイクの時などはまだ違和感があります。
《術後6か月》
手術の影響がほぼなくなり、手術の効果判定ができる時期です。傷あとは赤みや硬さがとれて伏し目になっても目立ちません。まつげのきわの感覚も、もとに戻ってきます。
《伏し目の状態(上:術前、下:術後6か月)》
手術当日までに準備しておくとよいもの(こと)
①凍らせてもかたくならない保冷剤
※写真はまぶた専用の保冷剤【メオアイス】(院内でご購入いただけます。)
まぶたを冷やすための保冷剤です。ケーキなどについてくる保冷剤にハンカチやタオルを巻いて使用してもかまいませんが、凍らせてもやわらかいタイプの保冷剤があれば傷にも優しくしっかりと冷やせます。当院の自由診療手術後の患者様には冷凍してもやわらかいタイプの保冷剤を1個無料でお渡ししています。
まぶた専用のベルト付きでかたくならない保冷剤なら、交換できる予備の保冷剤もついているためよりスムーズにまぶたを冷やすことができます。前日までに冷凍庫に入れて準備しておきましょう。
もし保冷剤を用意していなかったという場合は、小さめの清潔なタオルを濡らして冷蔵庫で冷やしたものをいくつか用意しておき、ぬるくなったらその都度交換しても◎。冷凍庫で冷やした濡れタオルはすこし冷たすぎるため、まぶたに直接当てるのには不向きです。
冷やす期間は2−3日。当日は寝る直前まで、食事などの時間以外は冷やしておくと腫れが最小限ですみます。翌日以降はまぶたが熱っぽく感じるとき、冷やすと気持ちいいときなどで十分です。
冷えピタのように貼るタイプの冷却剤もよいのですが、保冷剤が薄いためにすぐぬるくなってしまうことや、貼り付けるタイプでは剥がすときに縫い傷に刺激をあたえることからあまりおすすめはしていません。
②目もとをきれいにするコットン(清浄綿)
手術のあとの目もとをすっきりさせたい、というときにおすすめなのが、目まわり専用のふきとり用コットンです。特に手術当日や翌日、にじむような出血があるときにはそっとふきとることで目もとがすっきりします。目もと専用のコットンなら1回分ずつパック包装されていて滅菌されているため手術直後の目もとでも安心して使えます。市販もされていますのでドラッグストアなどでの購入も可能です。こちらも当院の自由診療手術後の患者様には無料でお渡ししています。
③高めの枕
当日〜1週間程度は頭を高くしてねむると腫れにくく、回復も早くなります。高めの枕がなければいつもの枕の下にバスタオルなどを挟むだけでも◎
④当日から翌朝までの食事
食事の準備のために動き回ることでまぶたが腫れる原因に。また、できれば腫れたまぶたで買い物などに行かなくてすめば気持ちも楽です。当日から翌朝までの食事を家族などに頼んでおくか、すぐに食べられるものを用意しておくとよいでしょう。
⑤お休み
学校や仕事のお休みは当日をふくめて3日間あると安心です。切開法ではこの3日間が一番腫れが目立つ期間です。特に翌日は手術直後よりも腫れが目立つことが多く、また、一番腫れる時期に体を動かすことでより腫れが増すこともあるため、この期間にしっかりと休んでおくことで回復も早めることができます。
【まとめ】
切開法はダウンタイムが埋没法よりも長くなりますが、自然で安定したとれにくい二重を形成することができる手術法です。事前にダウンタイムの様子や準備すべきものを知っておくことで、手術後も不安にならず、適切なケアをしながら回復するのををまつことができると思います。
手術の詳しい方法については下記のコラムをご参照ください。
関連コラム:埋没法と切開法、どちらがいいの?二重整形の選び方
【担当医について】
《外科医》 山下明子
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
経歴
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
【合併症と費用について】
※合併症やリスク:薬剤のアレルギー、出血、感染、眼瞼下垂の顕在化
※費用(自由診療)
お問い合わせ・ご予約
顔のクリニック金沢
金沢市鞍月5-150(明文堂ビーンズ横)
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.
※費用はすべて消費税込みで表示しています。
※厚生労働省のガイドラインに準拠して治療の詳しい内容、費用、合併症等を記載したうえで、術前・術後の写真を掲載しています。
執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
埋没法と切開法どちらが良いの?二重整形の選び方
埋没法、切開法と、それ以外のふたえ治療のなかから、自分にあったふたえ整形を選ぶためのポイントについて解説します。
目次
その他オプション①:小さい切開で埋没法よりとれにくい《部分切開法》
その他オプション②:まぶたのたるみとりですっきりと《上眼瞼徐皺術》
その他オプション③目の開きをよくしてぱっちりと《上眼瞼形成術》
●《埋没法》は二重を糸でとめるダウンタイムの短い方法
①:埋没法とは?
ふたえのラインを糸でとめる方法、自然でやわらかいラインができるのが特徴です。切開しないので腫れづらくダウンタイムが短いのが最大のポイントです。
○1点、2点、4点….
糸でとめる点の数によってふたえの形を微調整することができます。「内側まで幅広く」「外側のかぶさりもしっかり上げたい」などであれば固定する点が多いほうがいいことも。逆に1〜2点の固定で希望の形になるようならそれ以上の点は必要ありません。また、点の数が倍になったからといってもちが倍になるということはなく、固定点が多くなればなるほど針を通す回数が増え内出血のリスクも高くなります。
○表か裏か
埋没法ではまぶたの裏から糸を通し、まぶたの表側に結び玉をつくり固定します。裏に結び玉を作るタイプの特殊な埋没法は針穴が小さく目立たない、すぐにメイクできるなどメリットも多いのですが、裏側にある糸玉で角膜に傷がついてしまったり、抜糸が簡単にできないといったデメリットもあります。
○挙筋法?瞼板法?
まぶたにある軟骨のような硬い《瞼板》にとめる《瞼板法》とまぶたを開く筋肉《眼瞼挙筋》にとめる《挙筋法》とがあります。最近では瞼板と挙筋の移行部にとめる方法を採用しているドクターが多いようです。気をつけたいのは《目もらい(霰粒腫)》ができやすい人、まぶたにしこりができやすくなるため《瞼板法》は避けるのがベター。
○結び目に注目
結び目はきつすぎず、ゆるすぎずが自然なふたえにみえるポイントです。目を閉じたときに糸玉のところが食い込んで見えるようなら結び目がきつすぎるサインです。まぶたをささえている《瞼板》がゆがんでしまい目がコロコロするようになってしまう原因になることもあります。また、皮膚がうすいまぶたでは結び玉が透けて見えてしまうこともあるのですが、結び目の場所がわかることで抜糸が簡単にできるというメリットもあります。結び玉が気になるようなら非常に細い糸(8-0縫合糸)で留めることで結び玉を目立たなくすることも可能ですが、強度が弱くなるためゆるみやすくなったり、結び玉の場所がわかりづらいために抜糸のためには切開が必要になることも。それぞれのメリット・デメリットを考慮して選んでください。
②:埋没法のメリット
□腫れづらくダウンタイムが短い
□やわらかく自然なふたえラインになる
□抜糸すればもとに戻せる
③:埋没法のデメリット
□時間がたつとふたえのラインが消えることがある
□厚いまぶたではきれいなラインができにくいか不自然になってしまうことがある
□うすいまぶたでは結び玉がわかることがある
【選びかたのポイント】
《埋没法》が成功するのは薄いまぶた、クセのつきやすいまぶたです。アイプチできれいにラインができてとれづらいようなら◎。ただしうすいまぶたでも絶対にとれない方法ではありません。糸の種類や留め方などたくさんのメニューから選べることもありますが、「あなたの場合厚いまぶたでクセがつきにくい」 などと予定より大幅に高額なプランを提案されたら、その場ですぐに契約せず一旦持ち帰ることをおすすめします。
【Q&A】
Q:埋没法ではどのくらいで二重のラインが消えますか?
A:まぶたの状態によってラインが消えるまでの期間が変わります。クセのつきにくいまぶたなら数ヶ月で消えることもありますし、長い人では5〜6年もつこともあります。どのくらい持続しそうか自分で判断するのは難しいのですが、アイプチでのくせのつきやすさや、外したあとどれくらい持つかなどが参考になります。
Q:埋没法のあとメイクのできない期間は?
A:ファンデーションやチークなどまぶた以外のメイクは当日からでもできます。洗顔やメイク落としもできますがあまりまぶたを強く触らないように注意してください。アイメイク(アイシャドウ、アイラインなど)については3日間お休みが必要です。
Q:埋没法をすると他の人からみて変に見えませんか?
A:広すぎる幅やきつすぎる結び目でなければとても自然な二重ができるので変に見えることはありません。針穴もほとんどわからないくらいになおります。当日から2,3日は泣いた後くらいに腫れるので、その期間は特別な予定を入れないことをおすすめします。また、思っていたイメージと違った場合は早めに糸を取ればもとに戻すことができます。これも埋没法のメリットのひとつです。
Q:厚いまぶたですがまずは埋没からと思っています。
A:厚いまぶたはやはりしばらくすると二重の線がきえてしまう可能性が高いのですが、アイプチなどできれいにラインができるようなら埋没法で二重にすることが可能です。線がうすくなったり消えたらもう一度埋没をすることもできます。ただし、1年以内に線が消えてしまうようであれば、切開法を検討してみてもよいかもしれません。
Q:埋没法の結び玉が気になります。
A:結び玉が気になるようなら非常に細い糸(8-0縫合糸)を選択するか、(結び玉を深いところに埋め込むことができる《部分切開法》をおすすめします。小さな切開から二重のラインを固定し、糸は透けて見えないように深いところに埋め込むことができます。裏に結び玉を止める方法もありますが、抜糸する必要がでてきた時には裏側の結膜を切開して糸玉を取る必要があり、通常の抜糸よりもまぶたへの負担が大きくなってしまうというデメリットも。
Q:埋没法のあとの左右差が気になります。
A:しっかりと測って左右の幅を同じにしても左右差ができてしまうことはめずらしくありません。原因はまぶたの厚みの左右差、骨格の左右差による皮膚のあまり具合の左右差などです。ほとんどの場合、骨格が小さい側のまぶたは皮膚があまっているため二重幅が狭くなります。せまいほうを広くする、広いほうを狭くするなどで左右差をそろえることが可能です。当院では埋没法後の左右差に対するかけ直しをご希望に沿って何度でもおこっています。左右差が気になる場合は遠慮なくご相談ください。
●《切開法》はまぶたを切開してこだわりの二重をつくる方法
①:切開法とは?
切開してふたえのラインを固定する方法。《全切開法》ともいわれます。しっかりとラインを固定できるのでくっきりとした二重ラインになり、とれづらいのが最大のポイントです。まつ毛の見え方や向きなどにもこだわればさらに理想の二重に。
○くせがつきにくいまぶた、厚いまぶたに
埋没法にあまり向いていないクセのつきにくいまぶたでも自然なふたえができるのが切開法、幅や形の自由度が高いのもメリットです。厚いまぶたでも自然にみえるようにするためには固定法がポイントになります。単純に皮膚を切開して余分な脂肪をとり、縫い合わせるだけの方法では目を閉じたとき二重のラインが食い込んでみえたり、開けたときのふたえの引き込みが浅すぎることも。ふたえのラインに《眼窩隔膜》をとめつける固定法なら、目を閉じてもくい込みがなく、目をあけるとふたえのラインが引き込まれる、ナチュラルで動きのあるふたえに。【手術方法についてもっと詳しく→】
○とれにくい二重
埋没法と比べると格段にとれにくいといえます。生まれつきの二重と同じ構造を再現する術式ならとれにくく、かつくい込みのない自然な二重に。ポイントになるのは《脂肪や眼輪筋》のボリュームを適度に減量することと、ラインを固定する方法です。また、とれにくいということは、完全にもとに戻すことができないということでもあります。《ハム目》《眠たい目》《食い込んだライン》などで後悔しないために避けるべきは《幅が広すぎる二重》と《脂肪や眼輪筋の取り過ぎ》です。
○まつ毛の見え方、向きにもこだわって
せっかく切開して二重にするのであれば、細部にもこだわって。まつ毛の付け根がみえるように、二重ラインの下のぷっくり感をすっきりさせたい、まつ毛を上向きにしたい、など希望をどんどんドクターに伝えましょう。切開法でしかできないことがたくさんあります。
②:切開法のメリット
□形や幅の自由度が高い
□厚いまぶたでもとれにくい二重に
□睫毛の向きや付け根のみえかたも調整できる
③:切開法のデメリット
□手術のあとは必ず腫れる
□元に戻すことができない
□幅をせまくする修正は難しい
【症例】
上:術前 下:術後
【選びかたのポイント】
《切開法》で成功するためのポイントは自分のまぶたにあった幅や形を選ぶこと。イメージする写真などをカウンセリングに持って行くのも良い方法です。埋没法ではラインが消えてしまいそうな厚めのまぶただと、はじめから切開法をすすめられることもあるかもしれませんが、それでも「まずは埋没から」と決めているのであれば「とれるかもしれないけどまずは埋没で」と伝えるなど、自分が納得できる方法を選んでください。
【Q&A】
Q:切開法ならラインが消えることは絶対にありませんか?
A:ラインが消えにくい方法ではありますが、絶対に消えないということもありません。手術から2週間以内に糸で固定してある部分に強い力がかかると最終的にラインが消えてしまうこともあります。手術直後は薄目にして傷のところを見ようとすると固定部分に負担がかかり外れてしまうことがありますので、避けていただくようお願いします。
Q:なぜハム目になる人とならない人がいるのですか?
A:ハム目になりやすいのは、①まぶたが厚く、②完全な一重で、③睫毛の付け根が見えていない人です。ハム目になるのを避けるためには①まぶたのボリュームを適度に減量すること、②睫毛の付け根が見えるようにすること、③瞼板につよく固定して食い込みが目立つような固定のしかたを避けることがポイントです。また、二重の幅をひろくするとハム目になりやすいこともあるので、幅を広くしすぎないというのも予防になります。
Q:ネットでは腫れている人とあまり腫れていない人がいますがなぜですか?
A:いちばん大きな違いはまぶたの厚みです。まぶたがうすいと腫れづらく、厚いと腫れやすくなります。それ以外では手術後の安静、止血剤など腫れを予防する薬を飲んだか、などによっても違いが出てきます。高性能な電気メス《高周波メス》は切開と同時に止血ができるため通常のメスよりも腫れを少なくすることができるといった違いもあります。
Q:埋没の糸は切開の時にとれますか?
A:埋没のときとそれほど幅を変えなければ、切開法の手術中にほとんどの糸が出てくるので除去できます。埋没の時と幅が数ミリ以上違う場合は糸を探さないと出てこないので、すべて除去しようとすると糸を探すための剝離(組織をはがすこと)が必要になります。剝離範囲が広くなると腫れや内出血のリスクは少し高くなります。また、裏に糸玉があるタイプの埋没法では裏側の結膜を切開して除去する必要があります。
●小さい切開で埋没法よりとれにくい《部分切開法》
①:部分切開法とは?
小さな切開からふたえのラインを固定する方法です。中の固定方法は切開法と同じです。埋没法は糸をつかって点で固定するのに対して、部分切開法ではまぶたの膜状組織《眼窩角膜》を使って面で固定するため埋没法よりもとれにくく、切開する幅が1㎝未満と小さいため切開法より腫れにくい、埋没と切開の中間的な方法です。
○くせのつきやすいうすいまぶたに
部分切開法では全切開のようにまぶたのボリュームの調整まではできません。部分的にボリュームを減らすことも可能ですが、その部分だけくぼんで不自然さが目立つこともあるためおすすめしません。もともとうすくクセがつきやすいまぶたに向いている方法です。
○ダウンタイムがとれないけど切開したい
切開の長さが長くなるほど腫れの程度は強く、期間も長くなります。全切開では3㎝前後の切開が必要ですが、部分切開法は1㎝以内の切開になるため腫れが目立つ期間は数日程度と全切開よりも短くなります。
○埋没法で糸玉が気になる方にも
うすいまぶたでは埋没法の糸玉が目をつぶるとポコッとふくれて見えてしまうことがあります。埋没法では浅い皮下や眼輪筋内に糸玉を埋め込むためです。部分切開法では瞼板の深さまで糸を埋め込むことができるため、糸玉が目立ちにくくなります。
②:部分切開法のメリット
□腫れをおさえながらもしっかりと固定できる
□ダウンタイムが短い
□糸の結び玉が目立たない
③:部分切開法のデメリット
□まぶたのボリューム調整ができない
□幅、形の細かい調整は難しい
□線がうすくなったり消えることがある
【選びかたのポイント】
《部分切開法》が成功するのは《埋没法》と同じ薄いまぶた、クセのつきやすいまぶたの人です。埋没法よりとれづらく、結び玉が目立たない点が選ぶときのポイントです。厚みがあってクセのつきにくいまぶたでは線が消えてしまったりうすくなることもあります。《埋没法》や《切開法》に比べると《部分切開法》が良い適応となるタイプのまぶたは多くありません。この方法を選ぶときは担当医とよく相談して決めてください。
【Q&A】
Q:部分切開法でもラインが消えることはありますか?
A:二重のライン全体ではなく一部しか切開しないため、全切開ならできるボリュームの調整ができません。実際には部分的にボリュームを減らすことも可能なのですが、凹凸がめだちやすくなります。このため線がうすくなったり消えてしまうこともあります。消えてしまった場合の対処としては、もう一度部分切開を受けるか、全切開で全体にしっかりとラインをつけるという選択肢があります。
Q:アイプチや埋没のときと同じ幅で部分切開すれば同じ形になりますか?
A:部分切開・全切開ともにアイプチや埋没の時と同じ幅にすると、幅は少し広く見えるようになります。アイプチや埋没のほうが線がゆるくとまっているためです。目を開けたときの幅を埋没の時と同じ幅にするのであれば、切開する幅(目を閉じたときの幅)はすこしだけ狭くする必要があります。
Q:金額もそれなりにしますし、できれば上手い先生に手術してもらいたいです。どうやってクリニックや先生を探したら良いですか?
A:形成外科専門医、美容外科専門医(JSAPS)は一定のトレーニングを受けた証といえます。そのなかから何件か診察を受けてみて先生のお話を聞いてみられることをおすすめします。受診すればインターネットなどに公開されていない症例写真を見られることもあります。最終的には費用や通いやすさなども含めてご検討ください。
●まぶたのたるみとりですっきりと《上眼瞼徐皺術》
①:上眼瞼徐皺術とは?
《上眼瞼徐皺術(じょうがんけんじょすうじゅつ)》とはまぶたのたるみとりのことです。たるみの程度や希望する二重の幅、さかまつげの有無によって切除する皮膚の量(幅)が変わります。
○前よりも狭くなってきた二重に◎
まぶたのたるみを感じるのは早くて30代後半から40代ごろから。見た目の変化としては二重の幅が前よりせまくなってきます。たるみを解消しようとおでこの筋肉に力が入って眉と目の間が広くなっていくこともあります。もとの二重幅に戻したい、もとよりも少し広くしたいなどの調整が可能です。
○まつ毛の付け根のもたつきをすっきりと
まつ毛の付け根部分が隠れていると目もとの印象がぼやけてアイメイクがしづらいことも。たるみとりをすることで睫毛の付け根のもたつき感を解消し、すっきりとした目もとになりメイクもしやすくなります。
○二重とさかまつげを同時に治療
20〜30代でそれほどたるみがなくても、一重まぶたであればまつ毛ぎわの皮膚が余ってまつ毛の付け根にかぶさり逆まつげの原因になっていることがあります。この場合、ごく少量だけ皮膚を切除して睫毛の付け根が見えるようにすることで二重とさかまつげを同時に治療することができます。
②:上眼瞼徐皺術のメリット
□たるみがなくなりすっきりとした目もとに
□さかまつげも改善して睫毛の付け根が見えるようになる
③:上眼瞼徐皺術のデメリット
□切開手術のため手術のあとしばらくは腫れる
□切除した皮膚をもどすことはできない
【選びかたのポイント】
《上眼瞼徐皺術》が成功するのは2タイプのまぶたです。
①皮膚がうすくたるみによって二重がせまくなってきたタイプ
このタイプのまぶたでは余っている皮膚をとりのぞくことで自然でハリのある若々しい目もとになります。皮膚の厚いまぶたでは皮膚を切除することで腫れぼったさがすこし目立ってしまうこともあるので《眉毛下切開法》でのたるみとりが合っていることも。
②さかまつげのある一重まぶたタイプ
1.5-2㎜程度の皮膚切除とまぶたのボリューム調整で睫毛ぎわの見えるすっきりとした目もとに。このタイプで多めに皮膚をとってしまうと二重の上の乗っかっている感が強くなり、二重の線も深く濃い印象になってしまうため注意が必要です。
【Q&A】
Q:皮膚はあまりとらないほうがいいと聞いたことがありますがホントですか?
A:まぶたの状態によります。①まぶたの厚いタイプ、②2-30代でそれほどたるみがない、③逆にたるみが1㎝以上ある、などの場合は、皮膚をとることで腫れぼったいまぶたになってしまうこともあるため、担当医とよく相談してください。
●目の開きをよくしてぱっちりと《上眼瞼形成術》
①:上眼瞼形成術とは?
目の開きを改善して楽に目が開くようにする《挙筋前転法》だけでなく、《たるみとり》《二重形成》まで同時におこなうことでまぶたの《機能》と《見た目》を改善させる手術です。
○目の重さ、開けにくさを解消
まぶたが重い、開けづらいといった症状はまぶたそのものが下がる《眼瞼下垂》または皮膚があまってかぶさってくる《まぶたのたるみ》が原因です。両方が原因となっているのであれば《上眼瞼形成術》で同時に治療することが効果的です。
○左右のバランスにもこだわって
バランスのチェックポイントは3つ、《目の開き》《二重の幅》《二重の形》です。目の開きは手術中の拡大写真をつかったバランスのチェックが有効です。黒目の上ギリギリまで〜すこし控えめになど微調整が可能です。二重の幅・形はデザインが重要です。左右同時に治療することで細かいバランスの調整が可能です。
○変化を見越した適度なたるみとり
目を開きやすくする《挙筋前転法》によって、眉毛の位置が自然と下がってくることがあります。眉が下がるとまぶたのたるみ具合も変化するため、この変化を見越した適度なたるみ取りが必要です。
②:上眼瞼形成術のメリット
□複数の手術が同時に受けられる
□見た目と機能が同時に改善される
□左右のバランスを合わせやすい
③:上眼瞼形成術のデメリット
□切開手術のため手術のあとしばらくは腫れる
□費用が高額
【症例】
上:デザイン 中:術前 下:術後
【選びかたのポイント】
《上眼瞼形成術(眼瞼下垂)》で成功するためのポイントは2つ、①自然にみえる二重の幅・形を選ぶこと、②皮膚を取り過ぎないことです。二重の幅、形、黒目の見え方など、イメージする写真などをカウンセリングに持って行くのも良い方法です。
【Q&A】
Q:20代ですが眼瞼下垂でしょうか?
A:20代であれば加齢性の《腱膜製眼瞼下垂》とは考えにくく、生まれつきまぶたが下がっている《先天性眼瞼下垂》や、一重まぶたで皮膚がかぶさって目が下がってみえる《偽性眼瞼下垂》の可能性が高いと思われます。診断は眼科、形成外科で受けることができます。黒目の瞳孔が隠れる中等度以上の眼瞼下垂では保険適応での治療が可能な場合もあります。まずは一度ご相談ください。
Q:前転するのは挙筋腱膜のみですか?それともミュラー筋も前転しますか?
A:目を開ける力がしっかりあるようなら、まぶたを開ける筋肉《眼瞼挙筋》の端にある《挙筋腱膜》のみを前転します。目を開ける力が弱いときは筋肉の端までたくし上げて固定する《挙筋短縮(前転)》をおこなうこともあります。さらに力が弱い場合は《ミュラー筋前転(またはタッキング)》をおこなうこともあります。瞳孔がかくれていない軽度眼瞼下垂であれば《挙筋腱膜の前転》で十分な結果が得られるため、ミュラー筋の前転は必要ありません。
Q:ADM(ミュラー筋離断)はしますか?
A:ADM(Advanced Desensitization of Mechanoreceptors in Muller’s muscle)といわれる《ミュラー筋》への負荷を減らす手術については基本的に行っていません。ADMは《眼瞼痙攣》というまぶたが開けられなくなる病気に適用される治療法で、美容目的の《上眼瞼形成術》では必要ないためです。
Q:二重の幅や形は希望通りになりますか?
A:二重の幅、形についてはできるだけご希望に沿った治療を行います。ただし、《上眼瞼形成術》では《目の開き》《皮膚の余り具合》《眉の位置》など変化する部分が多くなります。どれか1つでも変化すると二重の幅、形が変わりますので、最終的な結果を正確に予想することは難しく、一定の割合で希望より狭くなってしまうことはあります。希望より広くなることはまれです。狭すぎる、広すぎるなどの場合は修正が可能ですのでご相談ください。
Q:どれくらい腫れるのかわからないので心配です。
A:二重の切開法やたるみとりと腫れの程度はそれほど変わりません。目の開きを調整するために切開法などよりも少し時間がながくかかりますが、当院でおこなっている《高周波メス》を使った手術では切開と同時に止血ができるため腫れづらく、傷あとも目立ちにくいのがメリットです。
●埋没法と切開法どちらが良いの?
ふたえの治療には 《埋没法》 《切開法》 以外にもいくつかの選択肢があります。
顔のクリニック金沢のドクターカウンセリングでは、手術を受けるかどうかや、どの方法が合っているのかわからず迷っているときは、一旦持ち帰って考えていただくようお話ししています。
手術を決める前に外科医、眼科医、ご家族、友人、その他相談できる人によく相談してください。自分が受ける治療についてよく理解し、納得したうえで 「これがいちばんいい」 と思える治療を受けてください。
【費用について】
※手術費用以外に診察料(初診料3300円、カウンセリング料含む)、術前検査費(11,000円)がかかります。
※手術費用には以下が含まれます。
手術手技料、麻酔、極細針や糸などの材料費、内服薬(止血剤2種類、抗生剤、鎮痛剤)、ガーゼや目元用コットンなど術後ケア用品、抜糸の処置料、術後半年までの検診
※手術方法や腫れなどの経過はお一人おひとりの状態やご希望により異なります。手術を希望される場合や、費用の見積を希望される場合、まずは当院で担当医の診察をお受けいただくようお願いいたします。
【起こりうる合併症、リスク、副作用】
出血、感染、薬剤のアレルギー、ドライアイ症状の一時的な悪化、ご自身の術後イメージと手術の結果が一致しないことがある、他
【担当医について】
このページの症例を担当した外科医は十分な経験と知識を有するエキスパートに与えられる日本専門医機構および各学会の専門医です。
《外科医》 山下 明子
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
お問い合わせ・ご予約
TEL 076-239-0039
10:00 a.m. ~ 18:00 p.m.
※費用はすべて消費税込みで表示しています。
※厚生労働省のガイドラインに準拠し治療の詳しい内容、費用、合併症等を記載したうえで、 術前・術後の写真を掲載しています。
執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師